ITの開発エンジニアにslackが人気な理由
昔ながらのウォーターフォール開発に変わってアジャイル開発が増えているシステム開発界隈では、メンバー間のコミュニケーションレベルがプロジェクトに大きな影響を与えるようになっています。
開発メンバー間のコミュニケーションアップのためには、優れたプロジェクトリーダーと共に優れたコミュニケーションツールが重要なカギを握ります。
◆アジャイル開発については、「アジャイル開発とは?メリット・デメリットや開発方法まとめ」をご覧ください。
- slackは特にエンジニアから絶大な人気を誇るチャットツールである
- 多様なコミュニケーションや多様な環境での閲覧が可能である
- 無料版と有料版があるが、基本的には無料版で十分である
- 炎上案件から距離を置くためにもslackを使って円滑なコミュニケーションを取るべき
ビジネス版チャットツールの世界基準
電子端末が普及し始めた頃、代表的なコミュニケーションツールはいわゆるEメールでした。時を経て2018年現在は、インスタントに連絡が取れるLINEなどのチャットツールが主流になりました。
それはビジネスにおいても同様です。ビジネスではある種タブーとされていた(古い大企業は形式を重んじるところがあったため)チャットツールも現在は多くリリースされており、実際に現場でも活用され始めています。
そしてビジネス用チャットツールの中でも特に世界的に普及しているのがslackです。slackは多くの企業で採用されているチャットツールであり、その利便性には目を見張るものがあります。
slackはアメリカ発のチャットツール
slackは「Searchable Log of All Conversation and Knowledge」の頭文字をとってつけられた名前のアメリカ発チャットツールです。
このSearchable Log of All Conversation and Knowledgeとは直訳すると「すべての会話、知識の検索可能なログ」になります。
つまり、やり取りしたすべてのログを簡単に素早く検索でき、情報にアクセスできることがslack活用で実現できることになります。
2017年に日本語バージョンリリース
日本では毎日400万人以上がslackを利用していると言われており、大手企業ではDeNAやクックパッドなどがslackを利用しています。
2017年11月には日本語版がリリースされたため、さらなる利便性向上と共に、利用者も増えていく事となるでしょう。
ITエンジニアに人気な理由
slackは、あらゆるチームコミュニケーションのツールとして優秀なのですが、特にITシステム開発のプロジェクトではよく利用されています。
システム開発プロジェクトでは、細かな設計や仕様などの変更は日常茶飯事であり、それらをチーム間で共有せずに開発を進めてしまうと間違ったシステムが出来上がります。
「言った、言わない」の水掛け論を防ぎ、共通認識を持って仕事を進めるうえでは、すべての会話、知識の検索可能なログであるslackは最適なツールなのです。
では、具体的にどのような部分がITエンジニアに人気があるのか、見ていきましょう。
- 多様なコミュニケーション手段
- 環境を選ばない
- ファイルの共有やアップロードがしやすい
- 過去データの検索方法が多様
- 外部アプリと連携がしやすい
多様なコミュニケーション手段
slackを利用するためには、まずはslack上でコミュニケーションを行う場、ワークスペースを作ります。
作成のためには必要な項目を入力して、登録アドレスに送られてきたメールで確認を取るだけです。何ら難しくありません。
作成後はチームメンバーに招待メールを送って承認されれば、複数名が属するワークスペースが完成です。これによりチームメンバー間でチャットのやり取りができます。slackはメンバーをより小さくカテゴライズできるチャネルと呼ばれる機能や、1対1のダイレクトメッセージが送れる機能もあるので、メンバー全員に公開したくない内容であっても心配ありません。
環境を選ばない
slackは様々な環境でも閲覧できるよう、それぞれの端末に対応可能な形でサービスを展開しています。
slackはウェブサービスとしての利用だけでなく、パソコンのデスクトップアプリケーション(mac、windows、linux)、スマートフォンアプリ(android、ios、windows)に対応しています。ほぼすべての環境で使えます。
チーム利用ということを考えると各々利用する端末は異なるため、サービス提供側もすべてを網羅すべきですが、工数を考えると簡単なことではありません。
最近はスマートフォンアプリ利用者が増えているので、android、ios版でリリースするサービスはよく見かけますが、デスクトップアプリケーション、さらにOSごとにフォローしているサービスは少ないように感じます。
ファイルの共有やアップロードがしやすい
ファイル共有のしやすさはシステム開発では重要な要素です。
メールのやり取りなどでは、いつだれが送ったファイルが最新なのか即座に判断できませんし、間違えることだってあります。
特に、ファイル名が同じ場合はなおさらです。
slackならスクロールで全やり取りが見えるので、目的としているファイルの発見がしやすく、スムーズです。
アップロードもドラック&ドロップで簡単に操作できます。
過去データの検索方法が多様
slackで過去データを検索する場合は大きく分けて2つ方法があります。
まずは検索窓にキーワードを入れて、キーワードをもとに関連する情報を検索するやり方です。これはgoogleやyahooなどでサイトを調べるときに行う検索方法です。
これはこれで便利な検索方法ですが、キーワードで検索する場合は(当たり前ですが)必ずキーワードを思い出す必要があります。
(検索しようとしてgoogleを開いた瞬間に、検索したかったキーワードを忘れてしまった経験は誰しもあるでしょう。)
そしてもう1つの検索方法が、キーワード以外で検索するやり方です。
キーワード検索の検索窓に+(プラス)記号を入力すると、さまざまな検索オプションが登場します。そこには、「だれが発言したか」、「いつ頃(ある日以前、以降など)のやり取りか」など、メンバーや日時などで検索ができるようになります。
多様な方法で情報にアクセスできる仕組みをslackは提供しています。
外部アプリと連携がしやすい
外部アプリと連携しやすいという特徴は、コミュニケーションツールの役割から考えると、大事な特徴の一つではないでしょうか。
特に最近はクラウド上で様々な情報やファイルを保存することが多くなりましたので、各種クラウドアプリとの連携は機能を補完する上で大切です。
slackでは多くのベーシックなアプリと連携ができています。googledriveやdropboxのようなベーシックなサービスはもとより、エンジニアがよく利用するGitHubやTrelloとも連携がされています。
そのためすべてのサービスをslackで一元化することで時間を効率的に使うことができるようになります。
slackには無料版と有料版がある
slackには無料版と有料版の2パターンのプランがあります。まずは無料版から始めてみるのが良いと思いますが、無料版では当然利用できる機能や容量は制限されます。
slack無料版でできる範囲
無料版は、ログの検索と閲覧が10,000件、連携サービス10個、チーム全体で利用可能な容量は5GBまでという制限があります。
ですが、頻繁に重たいデータアップロードを行わない限りは、長い間、無料版で利用が継続できるはずです。
あまり大きなプロジェクトでない場合は無料版で十分目的を果たせます。
slack有料版でできる範囲
slack有料版は、料金の低い順にスタンダードプラン、プラスプラン、エンタープライズプランがあります。
それぞれ使える容量やサポートなどが異なってきますので、企業規模が上がるにつれて順に有料プランも格上げするのが一般的です。
エンジニアにとっては助かるツール:slack
エンジニアは決められた納期でいかに効率的に開発を行うかを日々意識しながら仕事をしています。ですが、その効率化を阻むのがコミュニケーション不足です。
コミュニケーションが不足することで、見当違いの開発をしてしまい、ムダな工数を費やすプロジェクトは数多く存在します。
slackはエンジニア界隈から広まったという噂を実証するがごとく、システム開発にとってとても重要な、「コミュニケーション」をサポートしてくれるチャットツールです。
slackを活用して効率的な開発を行い、非効率な開発からは距離を置きましょう。