原価とは?使いやすい原価管理ソフトはどれ?
商品を販売している企業に欠かせないのが「原価計算」です。
原価計算は商品が実際に販売されるまでのプロセスでかかった総コストのうち、材料の仕入れから製造にかかった元値を指します。
商品やサービスの販売価格内訳は、原価+粗利で成り立っています。
企業・店舗経営をされている方は利益を出すためにコストを削減し粗利を少しでも多く出したいと考えているでしょう。
原価管理ソフトは資材や材料、また商品の原価を管理するためのソフトです。
以下では原価管理ソフトの基本的な特徴、また利用料フリーの原価管理ソフトや様々な原価管理ソフトについて紹介していきます。
【目次】
原価とは?また原価率の計算方法
原価管理ソフトの主な目的
原価管理ソフトはERP(統合型基幹業務システム)とも連携可能
利用料フリーの原価管理ソフト
小売・サービス業、飲食業向け原価管理システム
建築・建設業でよく利用されている原価管理ソフト
原価とは?また原価率の計算方法
そもそも「原価とは何か」というところから説明します。
原価はある商品を作るのにかかる費用を指します。商品を作るためには、材料や材料を加工する設備、また人的コストなど様々な費用がかかります。
原価率は販売価格に対して原価がどれくらい占めているかを表す割合で、「原価÷販売価格x100」で求めることができます。
例えばボールペンを100円で販売するとして原価が50円だとすると、50円÷100円x100で原価率は50%という計算になります。原価が同じく50円で、販売価格が200円とすると、原価率は50円÷200円x100で原価率は20%です。利益を増やしたいのであれば、原価率を低く抑えることが必要になります。
原価管理ソフトの主な目的
原価管理ソフトを利用する目的は、その名の通り商品の原価を管理することもそうですが、販売価格や原価に上乗せされる様々なコストの管理です。販売価格は商品を作るためにかかる材料費や製造にかかる費用、またその他のコストがあります。その他のコストは次のようなものがあります。
- 輸送費
- 関税(原材料に海外からの輸出入品を含む場合)
- 人件費
- 光熱費
- 事務用品
- オフィス賃貸料 など
販売価格にはこれらのコストに加え粗利が上乗せされますが、この「粗利」が企業の実際の利益になります。企業の経営陣はコストカットを徹底的に行い、粗利を増やすための施策を日々模索しているのではないでしょうか。
原価管理を行う目的は、どのコストが無駄なのかを分析をするためです。無駄にかかっているコストをなくすことで利益を多く出すことができます。
原価管理ソフトはERP(統合型基幹業務システム)とも連携可能
企業のシステムは部署によりバラバラになりがちなため、比較的規模の大きな企業では統合基幹業務システム(Enterprise Resource Planning 、以下ERP)という共通システムを導入しているところもあります。ERPを用いるメリットは、全ての部署で扱っているデータを一元管理できることです。このERPと原価管理ソフトを連携させることができれば、全ての部署のデータを分析に用いることができるため、計算や分析作業がやりやすくなります。
利用料フリーの原価管理ソフト
利用料フリーの原価管理ソフトは有料版と比べて使える機能に制限がありますが、それほど高性能な機能を求めていないのであればシンプルなフリーソフトを使ってもよいかもしれません。
フリーの原価管理ソフトは次のProfit+があります。
Profit+(プロフィット・プラス)
Profit+は製造業向けのフリー原価管理ソフト。登録不要でダウンロードすることができます。
製造業に向いている原価管理ソフトで、ロット別や工程別に管理ができるため、特定の工程やロットで起こった不具合に関する対応にかかったコストについても管理することができます。
ファイルにはクイックマニュアルもついているため、入力例を参考にしながら利用することができます。
小売・サービス業、飲食業向け原価管理システム
小売・サービス業向け:クラウドERP ZAC(ザック)
クラウドERP ZACは経営管理と業務管理を一度に行うことができるサービスで、具体的には次の機能を利用することができます。
- 在庫管理
- 販売管理
- 工数管理
- 勤怠管理
- 工数管理
- 工程管理
- 経費管理
クラウドERP Zacはクラウド型の業務支援システムとしても活用することができます。
飲食業向け:レシプロ
レシプロは飲食店に特化したサービスでメニューの発案・レシピ管理がメインの機能ですが、原価管理にも用いることができます。
レシプロはBtoBサービスを展開している「インフォマート」と連携することで食材の原価率をグラム数での割り出しを簡単にします。食材の変動する価格を自動的に反映するため、それに応じて使用する食材のグラム数を変えることで原価率を計算することができます。
またレシピ画像や使用する食材と量を記録することができるため、キッチンスタッフへの指導と共有も楽に行うことができます。
建築・建設業でよく利用されている原価管理ソフト
上記ではフリーの原価管理ソフトや小売・飲食店向けの原価管理ソフトを紹介しましたが、以下では建築・建設業でよく利用されている原価管理ソフトについて2つ例を挙げたいと思います。
レッツの「レッツ原価管理Go2」
レッツ原価管理はシンプルな操作ができるクラウド型の原価管理システムです。具体的には次のような機能を利用することができます。
- 予算確認機能で予算オーバーを防ぐ
- 工事別売上原価推移で一年間を通した原価の確認が可能
- シンプルな操作画面で面倒な伝票入力を短縮
- 見積書、発注書、伝票などの書類をリレー形式で管理可能
レッツ原価管理に加えレッツドライブ(※別途料金)を利用することでクラウド上にデータを管理できるためもし災害が起こったとしても大事なデータを安全に保管することができます。レッツドライブではこの他に図面や画像を保存も可能です。
建設業だけではなく、総合工事や設備工事、また個別原価管理が必要な他の業種にも向いています。レッツ原価管理Go2はトライアルで45日間機能を無料で利用することができます。サポートも充実しており、不明点があればサポートセンターに問い合わせ可能で、導入を検討している企業に訪問するサービスも行なっています。
アイキューブの「原価本家」
アイキューブは建設業の生の声を反映させた原価管理ソフトを提供しています。
アイキューブの本家シリーズでは、原価計算や工程管理に活用できる「原価本家」というソフトがあり、次のような機能を使うことができます。
- 受注した工事ごとに原価管理
- 予算管理
- 日報作成
- 工事原価管理表の作成 など
本家シリーズは上記の原価本家の他に出面本家、入金支払本家、見積本家、歩掛本家というソフトが販売されており、それぞれの機能をまとめたものがこちらです。
建設業だけでなく、内装業や電気通信、設備工事など工事関連の業種にも向いています。
まとめ
以上、原価管理についてまとめました。
原価管理はコストと粗利(純利益)を見やすくするため、企業・店舗経営に携わる方にとって分析を行うのに欠かせません。原価管理はかかっているコストの無駄な部分を明確にしたり、現在かかっているコストの見直しを行うなどしてコストカットを徹底的に行うことで企業や店舗の利益を増やすことができます。
原価管理ソフトは業種別に使いやすいパッケージが販売されており、業務に必要なポイントが押さえられているため、面倒な原価管理を楽にします。また見積書や発注書、伝票処理も連携して作成できる機能のものもあるため、原価管理だけでなくその後の作業もスムーズに行うことができます。
原価管理に時間がかかるため短縮したいという方や、原価管理だけでなく他の業務と連携して業務効率化を図りたい方は原価管理ソフトの導入を考えても良いかもしれません。