今更きけないバーコード検索:JANコードの基礎知識から検索の仕方まで徹底解説
日本のバーコードは、13桁あるいは8桁で構成されJANコードと呼ばれています。商品のパッケージに印刷されたバーコードを皆さんも日常的に見ているでしょう。
バーコードは商品を管理する目的でつけられ、商品名とバーコード、事業者名を相互検索できるサイトがあります。
さらに、楽天やAmazonはアプリにバーコード検索機能を実装しているように、バーコード検索可能なアプリは多く、実店舗とECの横断比較ができるものもあります。
【目次】
- はじめに:JANコードの基礎知識
- バーコードで商品名を検索する方法
- バーコード検索の仕方
- バーコード検索できるアプリ5選
- グーグル「Pixel」上陸でバーコード検索はますます身近な存在に?
- 誰もが気軽にバーコード検索できる時代:実店舗とECはより近くなる
はじめに:JANコードの基礎知識
バーコードを読み取るとその商品情報をみることができる「バーコード検索」。
楽天やAmazonといった大手ECのほか、アプリもリリースされています。それぞれのバーコード検索について知る前に、国内で利用されているバーコード(JANコード)について改めてみてみましょう。
JANコードとは
バーコードの発祥は1949年の米国ですが、日本で使われているバーコードはJANコードと呼ばれています。
日本規格のバーコード、JANコードは、Japanese Article Numberの略。
通常は、0から9までの数字で構成された任意の13桁によって成り立ち、左から
- 2番めまでは国コード(45もしくは49)
- 3番めから7桁は事業者識別コード(GS1コード)
- 10番めから3桁は商品コード
- 13番めはチェックデジット
というように、数字の役割が決められています。
この13桁のコードは「GTIN-13」ともいいます。
ちなみに、チェックデジットとは「CD」あるいは「C/D」と略される検査数字のことです。チェックデジット以前の数字を特定の計算式によって計算し、割り出した数字を使います。
この数字は、ミスの検出を目的に付与されるもので、バーコードだけでなく、運転免許証、クレジット番号、ISBN、金融機関の口座番号などにも使われています。
8桁のJANコードもある
印字する面積が小さい場合は、短縮タイプの8桁のJANコードを使います。この場合は「GTIN-8」と呼ばれます。
JANコードは国内のみの名称で、海外では
- UPC(Universal Product Code)‥‥カナダ、米国
- EAN(European Article Number)‥‥ヨーロッパ諸国
と呼ばれるバーコードがそれぞれ用いられています。
JANコードの申請方法については、「JANコードとは?バーコードの種類とQRコード、RFIDとの違い」をご参照ください。
バーコードで商品名を検索する方法
バーコード(JANコード/EANコード/ISBN)と商品名を相互に検索するサイトがあります。
商品のバーコードが分からない時などは、こちらで検索すると便利です。ここでは、現在、動作が確認できるサイトをご紹介します。
バーコードで商品名を検索できるサイト1. 人気ワードも表示する「商品名⇔商品コード(ISBN/JAN/EAN/ASIN)検索!」
ここでは、商品名からバーコードを、バーコードから商品名を検索することができます。
また、人気のワードが表示されるため、流行アイテムや気になるワードから商品をチェックすることも可能です。
バーコードで商品名を検索できるサイト2. 事業者情報を一元的に提供「GEPIR」
GEPIR(ゲピア)は、Global Electronic Party Information Registryの頭文字です。
GS1識別コード(バーコード)を入力して検索するほか、GLNという企業あるいは事業者の識別コードによる検索、事業者名からの相互検索も可能です。
ユーザー登録をおこなわなくても利用できますが、未登録者は1日の検索数が30回件までに制限されています。
登録すると同一IPアドレスから60件検索ができます。
バーコード検索の仕方
13桁のJANコードで、商品情報を確認することができるのがバーコード検索です。
いちいち商品名を入力したり、あいまいな検索で探し続ける必要がないので、多くの企業がアプリなどでバーコード検索を取り入れています。
バーコード検索は、実店舗で見つけた商品のバーコードをスマートフォンなどで読み取り、ECサイトで購入するといった目的で主に使用されます。
消費者は、欲しい商品のバーコードに向けて専用のアプリをかざすことで商品情報を取得することができます。
実際に、各社がどのようにバーコード検索を活用しているのか、チェックしてみましょう。
バーコード検索:楽天市場アプリ
楽天は、App Store、Google Playからリリースしている「楽天市場アプリ」にバーコード検索機能を搭載しています。
このアプリから実際の商品のバーコードを読み取ると、楽天市場内の最安値が分かるようになっており、実店舗で購入するよりも安価で購入できることをメリットに掲げています。
バーコード検索:Amazonアプリ
Amazonのショッピングアプリでは、バーコード検索を「スキャン検索」からおこなうことができます。
スキャン検索でできるのは、
- 撮って検索
- バーコード
- 保存画像から検索
の3つです。
バーコード検索はメニューボタンの「barcode scanner」を選択しておこないます。
バーコードを読み取ると、Amazonで売られている該当商品がヒットします。
実店舗で売られている商品をネット注文する以外に、「自宅に常備している日用品を素早く注文したい」というニーズにも対応しています。
バーコード検索できるアプリ5選
楽天やAmazonは、いずれもECアプリ内の機能としてバーコード検索を実装しています。
これらのほかにも、バーコードの読み取りのみに特化したアプリが次々にリリースされています。
数多のバーコードリーダー系アプリから、5つをピックアップしました。
バーコード検索できるアプリ1. 商品情報のウィキペディア「Payke」
「Payke(ペイク)」は、代表取締役CEOの古田氏自らが「商品情報のwikipedia」と表現しているバーコード検索のためのプラットフォームです。
このアプリの特徴は、商品情報をスマホ側の設定言語で見られることです。現在は日本語のほか、英語、繁体字、簡体字、韓国語、タイ語、ベトナム語に対応しています。ちなみに繁体字とは、1950年代の中国で成立した「漢字簡略化法案」以前に使用されている字を用いた言葉をさします。現在普及している簡体字は、漢字の普及を目的に画数を減らした簡略字です。
これらの言葉の精度を高めるため、アプリ内に「翻訳評価ボタン」を設置。商品情報の翻訳精度をユーザーが評価することによって、多言語で自然な表現を目指しています。
訪日観光客向けに国内の災害情報を無償提供するなど、インバウンド消費に向けてさまざまな施策を講じています。
バーコード検索できるアプリ2. 商品価格の比較に役立つ「価格.com」
製品比較サイトとして圧倒的シェアを誇る価格.comのアプリも、バーコード読み取りに対応しています。ウェブでは登録しないと使えなかった機能が解放されており、気になった商品の価格変動を通知するなど、ユーザーにとって嬉しい仕様になっています。
バーコード読み取りが実装されていることで、実店舗とECサイトの価格を比較できることが特徴です。
バーコード検索できるアプリ3. 最安値をメモして記録「Kakac」
「Kakac(カカック)」は、底値をメモするためのiOS向けアプリです。
商品と購入店舗、購入価格をメモすることで、各商品の底値を一覧表にできます。バーコードを読み取れば、一つ一つデータを入力しなくても簡単に商品情報を検索できるのが特徴です。
こちらも、Amazonと楽天、実店舗の比較が可能です。
バーコード検索できるアプリ4. 実店舗とECの横断比較「安値価格メモ」
こちらはAndroid版の安値チェックアプリです。
登録情報をバーコードで自動入力できるほか、商品やメーカーといった情報ごとに検索、保存しておくこともできるようになっています。
このアプリでも、Amazonと楽天、実店舗の比較検索が可能です。
バーコード検索できるアプリ5. 蔵書をバーコードで管理「Set」
所持している本のリストを、バーコード検索によって作ることができるアプリです。
シリーズを自動でまとめる機能もあり、コミックなどのセット登録もしやすくなっています。お気に入り登録をすることで、新刊発売時期を予測表示したり、バーコードの読み取りによって表示された商品情報を書店やウェブで検索できたりする機能もあります。
グーグル「Pixel」上陸でバーコード検索はますます身近な存在に?
消費者は、バーコードアプリを活用して商品購入に役立てています。
この流れが加速しそうな要件として考えられるのが、グーグルによるスマホ「Pixel」が日本でも発売されるという動きです。
グーグルは、人工知能による分析でさまざまな画像検索ができる「Google Lens(グーグル・レンズ)」というサービスを提供しています。
「Google Lens」にはリアルタイム検索機能が搭載されており、この機能を使ってバーコードを読み取り、商品を検索できるようになっています。
「Google Lens」は、現在AndroidとiPhoneの一部端末において、アプリ「Google フォト」の一部機能として試験的に利用できる状態です。アプリ内の利用に関しても、日本語環境では使用できず、端末を英語環境にしないと使えないという難点がありました。
しかし、「Pixel」が国内で発売された暁には、より便利にそしてスムーズに「Google Lens」を使える端末が出回ることになります。
そうなれば、バーコード検索のニーズがより高まることは想像にかたくありません。
誰もが気軽にバーコード検索できる時代:実店舗とECはより近くなる
バーコード検索により、誰でも簡単に実店舗とECで商品比較ができるようになりました。
これを単なる価格競争とみるのではなく、実店舗ならではの強み、ECならではの強みを追求していくことが、市場で勝ち残る方法といえるでしょう。
実店舗とECの両方を運営している場合は、オムニチャネル化によって的確な在庫管理をおこなうなど、さらなるシームレスな対応が求められると考えられます。
バーコード検索によって便利になる消費社会。消費者にとって使いやすいだけでなく、これからますます流通自体がスムーズにおこなわれるようになるのではないでしょうか。