【未来の小売】「10年後のスーパーはどうなっているのか」という10個の予想
IoTやAI、VR・ARなど、新しい技術が次々と飛び出しています。
そんな中、小売の現場も徐々に変化しはじめている状況です。
今のままだと「気づいたら取り残されていた!」なんてことがあるかもしれません。
大切なのは、少しずつ新しい情報を手に入れて、未来の予測を立てることです。
そこで今回は、10年後のスーパーマーケットを予想して、10個の仮説を立ててみました。
スーパーマーケットにおける10の未来予想
未来のスーパーマーケットは、このように変化していくことが予想されます。
- ロボットによる接客
- お店の前を通るとスマートフォンにセール情報が届く
- 商品も店舗もなく、駅や空港の壁に貼られたQRコードから購入
- 冷蔵庫と連動してレシピ・買い物リストを自動で作成
- 全自動セルフレジでキャッシュレスな会計
- ネットスーパーで注文、ドローンで配送
- スーパーからレジが消える「Amazon GO」
- 商品が届くまでの情報を説明するモニター
- タブレット付き・決済機能を備えたショッピングカート
- 店舗内の顧客行動をその場で分析「In-store Analytics」
それでは、以下で順番に見ていきましょう。
1. ロボットによる接客
すでに取り入れている店舗もありますが、10年後のスーパーマーケットはロボットによる接客がさらに普及するでしょう。
人材不足は、これからの日本における大きな課題の一つ。
人工知能を搭載することで、
- 豊富な商品の知識
- 顧客に合わせた接客
が最初から完成された状態でこなすことができます。
学習や分析に長けたロボットは、人の役割を徐々に代替していくのでしょう。
2. お店の前を通るとスマートフォンにセール情報が届く
消費者が店舗の前を通り過ぎたときに、スマートフォンにセール情報を届けるようになっているでしょう。
Beaconと呼ばれる技術を活用することで、消費者が店舗の近くに来たことを感知。
- レコメンド
- クーポン
- セール情報
などを配信することができます。
アメリカを中心に、すでにBeaconを使った取り組みは始まっており、日本で本格的に導入される日も近いでしょう。
3. 商品も店舗もなく、駅や空港の壁に貼られたQRコードから購入
未来のスーパーは、もはや商品も店舗もなくなっているかもしれません。
駅や空港など、交通機関の通路にある壁に、
- 商品写真
- QRコード
を貼るだけで消費者が商品を購入できる仕組みが、すでに海外ではテストされています。
商品を購入すると
- 口座から自動で決済
- 買った商品は自宅に配達
され、消費者はわざわざ重い商品を持って帰らなくても大丈夫です。
また、店舗としてもお店を構える必要がなく、在庫管理の手間も減ります。
洋服など実際の品物を試す必要があるものも、店舗にはお試し用の商品だけになるでしょう。
そして購入した商品は、自宅へ配送されるようになることが予想されます。
4. 冷蔵庫と連動してレシピ・買い物リストを自動で作成
余っている食材からメニューを提案する冷蔵庫は、シャープなどの日本のメーカーも開発しています。
10年後には、この冷蔵庫がスーパーと連携し、メニューに足りない食材を表示して、さらには売り場まで案内してくれるかもしれません。
今晩のメニューに悩むことが、もはや昔のものになってしまう日も夢ではありませんね。
5. 全自動セルフレジでキャッシュレスな会計
今でも、セルフレジの導入は進んでいますが、商品のスキャンは人が行う「セミセルフレジ」など、まだまだ全自動化はできていません。
しかし10年後には、商品のスキャンから会計まで、完全に自動化されたセルフレジが登場していることでしょう。
RFIDタグを使えば、電波を使って商品を識別、消費者でも会計が簡単にできます。
RFIDタグは従来のバーコードとは違い、商品につけられたバーコードを直接スキャンしなくてもまとめて確認できるので、
- 棚卸し
- レジ
などにかかる作業が大幅に効率化されるのです。
しかもキャッシュレス化が進めば、レジで行うのはもはや袋詰めだけになるかもしれませんね。
6. ネットスーパーで注文、ドローンで配送
徐々に普及してきたネットスーパーも、10年後には進化していることでしょう。
購入した商品は、現在だとトラックで運ばれてくることがほとんどですが、近い将来にはその配送がドローンになっている可能性も。
Amazonはすでに「Amazon Prime Air」として、ドローンを使った配達を実験しています。
10年後には、空をドローンが飛び交っているかもしれませんね。
7. スーパーからレジが消える「Amazon GO」
Amazonがシアトルで試験的に行っているのが「Amazon GO」というスーパーです。
- ゲートでスマートフォンをかざして入店
- 購入したい商品を取る
- ゲートから外に出る
Amazon GOでは、たった3ステップで商品を購入できてしまいます。
これによりレジで精算する手間がなくなるのはもちろん、万引きなど従来のスーパーで起こっていた問題も解決できるのではないかと期待されています。
未来のスーパーには、もはやレジがないのかもしれませんね。
8. 商品が届くまでの情報を説明するモニター
棚にある商品を指差すだけで、棚の上部に備え付けられたモニターに詳細な商品情報が出てくる仕組みも開発されています。
- 品種
- 値段
- 原産国
- 栄養素
- 農薬の有無
など、今までのスーパーではわからなかった情報を、簡単に知ることが可能です。
このスーパーマーケットは、すでにイタリアのミラノでオープンされています。
10年後には、日本のスーパーでも商品の詳しい情報が表示されているはずです。
9. タブレット付き・決済機能を備えたショッピングカート
スーパーのショッピングカートも、10年後には進化を遂げているかもしれません。
三井物産がすでに取り組んでいるのが、タブレット付きのショッピングカートです。
- 店舗情報
- クーポン情報
- 商品情報
などをタブレットに表示することで、消費者の利便性・購買意欲をアップさせます。
また、タブレットなどの電子端末がカートについていれば、レジを通過するだけで決済することもできるでしょう。
10. 店舗内の顧客行動をその場で分析「In-store Analytics(インストアアナリティクス)」
アメリカを中心に伸びているのが「In-store Analytics(インストアアナリティクス)」という分野です。
その名の通り「店舗内での分析」を行うインストアアナリティクスは、店舗内にいる消費者の
- 人数
- 属性
- 滞在時間
などを測定・分析できます。
POSシステムなどを活用した、商品を購入した人の分析は今でも可能ですが、近い未来には店舗内にいる人の行動も計測・分析できているはずです。
現場のPDCAをさらに高速で回せるようになり、商品が日に日に変わるのが普通になる日が来るかもしれませんね。
自動化・ロボット化は確実。未来の小売でスーパーはどうなるか
このような、10個の予想を立ててみました。
- ロボットによる接客
- お店の前を通るとスマートフォンにセール情報が届く
- 商品も店舗もなく、駅や空港の壁に貼られたQRコードから購入
- 冷蔵庫と連動してレシピ・買い物リストを自動で作成
- 全自動セルフレジでキャッシュレスな会計
- ネットスーパーで注文、ドローンで配送
- スーパーからレジが消える「Amazon GO」
- 商品が届くまでの情報を説明するモニター
- タブレット付き・決済機能を備えたショッピングカート
- 店舗内の顧客行動をその場で分析「In-store Analytics」
大きな流れとして、AI・ロボットによる自動化は避けられないでしょう。
そして、スーパーを始めとする小売店は、「モノを買う場所」からだんだんと遠くなっていくはずです。
「いつでも・どこでも・簡単に」モノが変える時代になったいま、実店舗は
- 消費者とブランドのつながりを強くするため
- 実際に商品を見るため
など、「商品を購入する」という行動からは離れていくのかもしれません。
悲観的になる必要はありませんが、しっかりと未来を見据える必要はあります。
ご紹介した予測以外にも、先進的な取り組みが生まれるかもしれません。定期的に情報を手に入れて、小売の未来について考えていきましょう!
この記事を書いた人
黒田剛司
大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。