飲食業界における店舗のIT化。そのメリットと今後の可能性を解説。
いま飲食業界で店舗のIT化が急速に進んでいます。例えばスマホでの決済やSNSでの集客など、幅広くITが広まりつつある状況です。
とはいえ「店舗のIT化って具体的にどんなメリットがあるんだろう…」と思ってしまいますよね。
そこで、この記事では、
について解説します。
ITというと難しく感じるかもしれませんが、現状をつかむだけならハードルは高くありません。
まずはこの記事で、店舗のIT化について概要を理解しましょう。
飲食業界のITの現状
最近多くの飲食店で、WEBでの予約システムやiPadを使ったPOSレジシステムを導入されています。IT化の流れはますます進んでいくに違いありません。
しかしITを活用している飲食店は、飲食業界全体ではまだほんの一部です。
ここでは飲食業界におけるIT化の現状として、次の3つを紹介します。
- アナログ管理が多い
- 主な集客がチラシ広告
- 人によるミスが多い
それぞれ順に解説します。
アナログ管理が多い
飲食業界ではいまだ多くの管理がアナログで行われています。特に多くの店舗で使われているのが予約の管理。
多くの店舗では、予約台帳のような紙の台帳に予約内容を記入しています。人が記入するので記入ミスやダブルブッキングが発生するなどリスクが高い管理方法です。
その他には店舗スタッフのシフトや入出金の管理などを、アナログで管理していることも少なくありません。
主な集客がチラシ広告
集客の主な手段として多くの飲食店がチラシ広告を利用しています。
チラシは配布後の状況が分からないため、集客につながったかどうかの効果を確認することができません。
また「制作コストが高い」「制作までに時間がかかる」「修正が容易にできない」といったデメリットもあります。
人によるミスが多い
人が作業した場合、必ず発生するのがミスです。
飲食業界では、予約、注文、会計といったほとんどの業務を人が行っているので、常に人によるミスが発生するリスクがあります。また人の場合、体調や気分により作業のムラやムダが発生することも。
次は店舗をIT化した場合にどのようなメリットがあるのかを解説します。
店舗のIT化のメリット3つ:店舗オーナーの場合
店舗をIT化した場合、店舗オーナーと店舗スタッフのそれぞれにメリットがあります。
店舗オーナーにおけるメリットとしては、次の3つがあります。
- 業務を効率化できる
- 売上をアップできる
- マネジメントが楽になる
それでは順に解説します。
1.業務を効率化できる
今まで紙でアナログ管理していたものがPCやスマートフォンを使って1つの画面で確認できるようになるため、紙の資料を探す必要がなくなります。
また、電話で受け付けた予約内容を紙の台帳に転記するなど、ムダな作業を減らすことができ業務の効率化につなげることが可能です。
2.売上をアップできる
SNSなどのITツールを使えば、コストをかけずにリアルタイムで広告を出すことができます。この広告のアクセス状況などを分析することで顧客の好みが分かり、売上アップに繋がる施策を出すことが可能です。
紙のチラシの制作費を無くすことができて、店舗の運営コストを下げることができます。
3.マネジメントが楽になる
ITによってスタッフのシフト管理が楽になります。
アナログ管理の場合は台帳にシフトの状況を書いたり消したりする必要がありましたが、ITツールを使えばクリックだけで管理できるようになることも。
また時間や曜日ごとの来店状況を分析することで、ベストなスタッフ配置ができ、人件費を最適化しつつスタッフの負担を減らすことができます。
続いて、店舗スタッフのメリットを解説します。
店舗のIT化のメリット3つ:店舗スタッフの場合
店舗スタッフの場合、次の3つのメリットがあります。
- 予約や注文のミスが減る
- 顧客に適切なサービスを提供できる
- 業務が楽になる
順に解説していきます。
1.予約や注文のミスが減る
予約業務の場合、WEB予約システムを使えばスタッフが予約内容を記入する必要はありません。これにより予約台帳への転記ミス、ダブルブッキングなどのミスが無くなります。
またテーブルに設置されたタブレットなどで顧客が注文できるようになれば、注文の聞き間違えなどのミスを減らすことが可能です。
2.顧客に適切なサービスを提供できる
予約データから、顧客が新規来店なのかリピーターなのかを把握できます。それぞれに応じたサービスを提供することで、顧客の満足度を上げることが可能です。
テーブルごとの状況がシステムで分かるようになれば、ラストオーダーや会計の確認が不要になります。
3.業務が楽になる
ITシステムは作業を自動化してミス無く終わらせることが可能です。そのため、単純な作業はほとんど全て任せることができます。
アナログ管理にあるような予約の電話受付や紙の台帳への転記が無くなるため、業務が楽になります。
このように店舗のIT化には様々なメリットがあります。
では、現在は飲食業界でITはどのように活用されているのか?そのトレンドについて解説します。
店舗のIT化のトレンド
店舗のIT化には様々な取り組みが行われていますが、特に次の2つがトレンドして挙げられます。
- 会計のPOSシステムはモバイル化
- 予約はアナログ管理からWEB管理へ
それぞれ詳しく解説していきます。
会計のPOSシステムはモバイル化
会計のPOSシステムはレジ機を置いたものが多いですが、iPadなどのモバイル端末を使ったモバイルPOSが急激に増えています。
普及の理由は、導入コストの安さとサービスの普及です。
従来型のPOSシステムの場合、POSレジを導入するのに100〜200万円、月々の保守管理は2〜5万円とかなりのコストがかかります。それに対してモバイルPOSの場合、サービスと端末を合わせても数十万円と低コストで導入することが可能です。
予約はアナログ管理からWEB管理へ
予約をWEB管理にすることで、アナログ管理で行う「電話での予約受付」と「予約台帳への記入」の2つの業務を無くすことができます。さらに転記ミスやダブルブッキングといったミスも削減。
WEBで予約管理した場合、システムからお客さまへ事前確認メールを送ることが可能です。そのため、予約のドタキャンを防ぐこともできます。
では、今後の飲食業界はIT化でどのように変わっていくのか。最後に飲食業界のIT化の今後の可能性について解説します。
飲食業界のIT化の今後の可能性
ITの普及で飲食業界のIT化はさらに加速していくはずです。
その中でも可能性の高いのが
- 集客は紙媒体からWEB媒体へ
- 注文はすべて自動券売機かタッチパネル
- 支払いは無人で
の3つです。順に解説していきます。
集客は紙媒体からWEB媒体へ
集客はチラシなどの紙媒体からSNSなどのWEB媒体へ変わっていきます。紙媒体は制作コストがかかる上に、配布後にどれくらいのお客さまが来店したのか分析することができません。
競争が激しい飲食業界で生き残っていくにはデータ分析の考え方は必須です。
WEBの場合、広告がどの程度の集客につながったかを分析できるため、紙媒体からWEB媒体への流れはますます加速していくでしょう。
注文はすべて自動券売機かタッチパネル
料理の注文は、自動券売機か各テーブルに置いてあるタッチパネルで注文するのが当たり前になるはずです。お客さまは店舗スタッフを呼んだり、注文したりといった手間がなくなります。
店舗スタッフの注文ミスを減らせる、テーブルまで注文を取りにいく必要が無くなるなど店舗側のメリットも多く、自動券売機やタッチパネルを導入する店舗は増えてくるに違いありません。
支払いは無人で
現在のPOSシステムでは、レジ機が1台しかなく顧客の支払いタイミングが重なると支払い待ちが発生するのが現状です。
これを解消するために、モバイルPOSを持ったAI搭載ロボットが顧客のテーブルへ行き決済するようになることが予想されます。
すでにAmazonがAIを活用した無人コンビニ「Amazon Go」をオープンしていることから、無人で決済する流れは徐々に増えていくはずです。
IT×飲食を。店舗のIT化を活用して売上アップを目指そう。
ここまでをおさらいします。
飲食業界では店舗のIT化が急速に進んでいますが、現状はまだまだ活用できていない店舗が多いです。飲食業界のIT化における現状として次の3つを挙げました。
- アナログ管理が多い
- 主な集客がチラシ広告
- 人によるミスが多い
ITを活用できていない店舗では、多くのムダな業務が発生しています。
店舗をIT化すれば店舗のオーナーとスタッフいずれにもメリットがあります。オーナーはより店舗運営に集中することができ、スタッフは業務が楽になりミスを減らすことができます。
店舗のIT化のトレンドしては次の2つがあります。
- 会計のPOSシステムはモバイル化
- 予約はアナログ管理からWEB管理へ
これらに加え「集客は紙媒体からWEB媒体へ」「注文や会計は無人へ」と店舗のIT化はさらに加速していくはずです。
店舗のIT化に伴うサービスは様々なものがあります。まずは店舗における課題を洗い出すことからはじめて、IT化を検討してみてください。