IT資産管理をすべき2つの理由
企業の経済活動が多様化するにつれて、企業が保有する企業資産の種類も多様化するようになりました。現金、土地、建物、証券や各種権利が企業のオートドックスな資産でしたが、これらに加えてIT関係の資産が企業資産に加わっています。
- IT資産とはハードウェア、ソフトウェア、ライセンスなどを指すが、最近では電子データも含まれ始めている
- IT資産管理は資産を効率利用のために役に立つ
- IT資産管理はセキュリティ被害を防ぐためにも役に立つ
- AssetViewやSKYSEA Client Viewなどが代表的なIT資産管理ツールである
- ITサービスが充実するにつれて、IT資産管理は必須となってくる
IT資産とは
IT資産とはハードウェア、ソフトウェア、ライセンスなどを指します。近年、ハードウェアやソフトウェアは企業活動に必要不可欠となりました。
パソコンなどの端末はどんな企業でも最低1台は持っていますし、社員1人につき1台支給する会社もあります。当然、ハードウェアだけでは業務はできません。
ハードウェアにはソフトウェアも伴います。たいていの社会人はパソコンでエクセルやパワーポイントで資料作成をしたことがあるはずです。
企業がお金をマイクロソフトに支払っているので利用ができるのです。
さらにソフトウェアはパッケージにつき、何回までインストールできるかが決まっています。これがライセンスになります。
IT資産の詳細
IT資産である、ハードウェア、ソフトウェア、ライセンスはどのようなものかイメージできない方のためにどのような製品がそれぞれ該当するのかを紹介していきます。
ハードウェア
パソコン、スマートフォン、プリンター、モデムなどIT分野で利用する物理的なIT機器を指します。
ソフトウェアが動く場所であり、言い方を換えるとハードウェアがなければソフトウェアは動き得ません。IT業務の屋台骨といったところです。
ハードウェアは破損や経年劣化により突然起動しなくなったりします。費用は安いモノで1万円~、高いモノでは100万円以上になる機器まで存在します。
代表的供給メーカーはパソコンやスマートフォンがパナソニック、日立製作所、富士通などが有名でプリンターはキャノンやエプソン、モデムは東芝や住友電工などになります。
ソフトウェア
ソフトウェアは大きく分けてアプリケーションソフトウェアとシステムソフトウェアがあります。アプリケーションソフトウェアとはオラクルDBなどのシステム構築で利用するものから一般ユーザーが使うエクセルなどまで様々です。
一方、システムソフトウェアとはハードウェアとアプリケーションソフトウェアを繋ぐ役割を持つソフトウェアでウィンドウズやリナックスなどが代表的です。
一般ユーザー利用のソフトウェアは無料のモノから数万円程度が平均的な相場ですが、システム構築に使用するようなソフトウェアは高額商品まで存在します。
OSはウィンドウズで2万円前後、リナックスは無料で利用ができます。代用的なソフトウェア供給メーカーはマイクロソフトやオラクル、IBMなどになります。
ライセンス
ライセンスはソフトウェアの使用権利のことです。ソフトウェアはその仕組み上、購入した後にインストールできる端末数が決まっています。
ソフトウェア1つ購入につき、10回インストールできる、1回だけインストールできるなどが支払金額に応じて決まっていています。
このルールを破るとライセンス違反になってしまいます。
IT資産を管理する意味
「ここからはIT資産を管理すべき2つの理由をご提示します。IT資産を管理するのは、もちろん管理する方がメリットは多いからです。管理しないデメリット面も併せて、紹介していきます。
IT資産の効率利用
IT資産を管理する理由の1つはIT資産を効率的に利用するためです。管理を怠るとIT資産を非効率なかたちで使ってしまいます。
余計なIT資産購入を防ぐ
ライセンス上はまだインストール可のソフトウェアなのに、それを忘れて新たに購入してしまったり、実は倉庫にパソコンが1台眠っているのにそれに気づかずに新しいパソコンを購入してしまったりするケースがあります。しっかり管理しておくことでロスを防ぎ、資産の有効活用ができます。
IT資産の長期的な運用計画が立てられる
他システムと連携するソフトウェアの中にはバージョン次第で連携不可となるソフトウェアが存在します。そのためソフトウェアライセンス状況によってはシステム乗り換えの検討も選択肢となります。IT資産のライセンス状況を適切に管理することでタイミングを見誤ることなく、ムダのないソフトウェア運用が可能となります。
セキュリティ管理
IT資産を管理するもう1つの理由はセキュリティのためです。IT資産をしっかり管理していないとセキュリティ被害を受けやすくなってしまいます。IT資産を抜け目なく管理することでセキュリティ被害を事前に防止します。
社員による社用端末の適正利用
会社から支給されている端末上で、社員の不適切なソフトウェアインストールを防いでくれます。IT資産を管理するのを義務化すれば、不適切なソフトウェアをインストールした場合はすぐにアンインストールの指導できますし、そもそも資産管理をルール化すれば、不正インストールを事前に抑止できます。
動作妨害プログラムインストール端末の早期発見
ウィルスが仕込まれていない正常なソフトウェアだったとしても、社内で使っているソフトウェアの動作を悪意なく邪魔してしまう場合があります。このような事例は目視での原因特定は困難です。IT資産管理を行っていれば、業務に支障をきたすようなソフトウェアの早期発見が可能です。
IT資産管理は電子データも含める
IT資産管理の定義は実はまだ曖昧で、最近では電子データもIT資産管理の対象に含めるといった企業が増えています。例えば、顧客データやシステム開発会社に作ってもらった自社システムのソースコード等です。たしかにこれらは資産価値がありますし、破棄する場合も資産として慎重に扱わなければなりません。情報化社会が拡大していく中でハードウェアそのものだけでなく、ハードウェアに保存しているデータも資産対象になりつつあります。
IT資産管理ができるツール
IT資産管理の手段ですが、いちいちアナログ的なチェックでは相当な手間がかかります。IT資産管理の重要性は知られるところになりましたので、管理を簡単にするソフトウェアが多数リリースされています。
AssetView
PCのセキュリティ対策や情報漏えい対策に強いパッケージソフトウェアです。必要な機能を選び、カスタマイズできるのでコスト面でも機能面でも自社に最適なソフトウェアにすることができます。
SKYSEA Client View
CMでよく見かけるこのIT資産管理ソフトウェアは、ログ管理や不正操作に対する警告、端末制御などでセキュリティ対策を行い、また利用中のソフトウェアIDやユーザーIDを管理することでIT資産管理を行います。見やすい管理画面が魅力的な製品です。
ITサービスの充実度合が資産管理を余儀なくさせる
優れたITサービスが次々にリリースされる中、どのタイミングでそれを利用し始めるかの判断は利用側にとってとても重要です。
余分なお金を支払いたくないのはどこの企業も同じです。ムダな出費をしないためにはIT資産状況を厳重に管理する必要があります。ムダのない徹底した管理を行い、IT資産を効率的に使いましょう。