【セミナーレポート】PayPayなど最新キャッシュレス決済サービス導入で解決!エンゲージメントを最大化するリテールテクノロジー
2019年2月22日(金)、PayPay株式会社、SBペイメントサービス株式会社、株式会社エスキュービズムの三社で「PayPayなど最新キャッシュレス決済サービス導入で解決!エンゲージメントを最大化するリテールテクノロジー」と題されたセミナーが開催されました。
定員30名のところ多数のお申し込みをいただき、増席を行った注目のセミナーの模様をお伝えいたします。
【目次】
- 買いやすさを実現する、今注目の最新店舗向け決済/SBペイメントサービス株式会社
- スマホ決済サービス「PayPay」の活用法/PayPay株式会社
- リアル×ネットの共通ID基盤事例から読み解く未来の顧客体験とは/株式会社エスキュービズム
買いやすさを実現する、今注目の最新店舗向け決済
VISA、Mastercard、UnionPay(銀聯)の国際ブランドライセンスを取得している、SBペイメントサービスは「アクワイアラ」として加盟店業務から決済まで一気通貫でサービスを提供しています。決済代行会社とカード会社のポジショニングを一括で対応できるところが当社の強みです。
通販、ECに対しては決済代行という立ち位置で、多種多様な決済手段をご提供しております。最近はお客様がメインで使っている決済手段がないとECサイトから離脱してしまうことが多々あり、通販業界では多様な決済手段を用意する「マルチ決済化」のニーズが増えている傾向にあります。
この傾向は店舗などのオフラインでも強まっていますので、当社でもクレジットカード決済に加えて、PayPayをはじめとした各種QRコード決済サービスやインバウンド向け決済、電子マネーなど店舗向けのマルチ決済対応を開始しています。
さらに、事業者さまの利用用途にあわせたラインアップが充実しており、QRコード決済に関しては、手軽に導入できるコード決済アプリ「S!can(スキャン)」、「S!can」がプリインストールされているAndroid端末とレシートプリンタが一体となった「SUNMI」、POSと連動する「API」の3種類の方式をご提供しています。
そして、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済のマルチ決済に対応し、レシートプリンタも内蔵されたオールインワンの決済端末もご用意しております。
また、今後2020年に向けて、自動販売機やチケットの発券機にも組み込み型のキャッシュレス決済端末が搭載されていくと予想されます。当社では、このような自動精算でもマルチ決済が提供できるソリューションも検討しています。
マルチ決済端末の導入
店舗向けの決済端末は、法人様だけでなく個人事業主の方も加盟店として審査をおこない、サービスの提供を行っています。
当社は経済産業省が所管する「キャッシュレス・消費者還元事業」におけるキュッシュレス加盟店支援事業者として登録申請の準備を行っており、中小・小規模事業者である加盟店様のご要望に応じてキャッシュレス決済端末を無償で提供できるよう検討・準備しているところです。
店舗におけるマルチ決済で今一番課題になっているのは、オペレーションです。お客様は先に「〇〇決済で支払います」と申告してもらう必要があり、店舗スタッフはお客様が要望している決済に応じて、POSレジや専用決済端末の操作を行わなくてはなりません。
そこで当社では、お客様が提示したQRコードを自動識別できるコード決済アプリ「S!can」を開発いたしました。
現在はPayPayと銀聯が対応していますが、今後様々なQRコード決済サービスも順次対応していきます。「S!can」は店舗でお使いのスマートフォンやタブレットにダウンロードしていただければ、そのまま決済端末として使うことが可能になります。
オムニチャネル2.0時代の決済
オムニチャネルの第一世代は会員データや商品の在庫管理などのデータを一元化しようというシステム的な要素が強かったと思います。しかし現在はオムニチャネル2.0の時代、消費者寄りのサービス展開に考え方が移ってきていると私は感じています。
決済代行会社のポジションで考えると、タブレット端末を使って接客しながらその場でQRコード決済を行ったり、在庫レスのサンプルディスプレイの店舗でオンラインの仕組みを利用して決済したり、またAmazon GOのようなレジレスの店舗を作ったりといったような事例に現れています。
結果的に店舗のコスト削減になっているのですが、コストを削減した分はお客様とのコミュニケーションにあてることで顧客満足度の向上を目指していくことがポイントになると考えます。
スマホ決済サービス「PayPay」の活用法/PayPay株式会社
Yahoo!ウォレットとして提供してきたモバイル決済サービスを、ソフトバンクグループのシナジーで日本中にQRコード決済を広げようという事で、2018年6月15日にPayPay株式会社を設立、10月5日にPayPayのアプリ配信を開始いたしました。
本日はPayPayを導入いただいた際の活用法や、ユーザーキャンペーンのお話をさせていただきます。
PayPayはクレジットカードを登録して使うやり方と、銀行口座を紐づけて、チャージして使うという2つの決済手段があります。この2つを提供している会社、QRコード決済会社というのは今のところPayPayのみです。
また、PayPayの支払い方法も2通りあり、ユーザーさんが自分のQRコードを見せて支払うストアスキャン方式と、ユーザーさんがお店に置いてあるQRコードを読み取って支払うユーザースキャン方式があります。
ストアスキャン方式は、商品を持ってレジに行き、決済の時にお客様のスマートフォンで自分のQRコードを出していただくと、店舗スタッフがスキャナで読み込む流れです。
ストアスキャンの導入方法としては、以下の3タイプがあります。
- POSレジとAPI連携を行う
- マルチ決済端末を利用する
- タブレット端末に専用アプリをダウンロードする
日本全国で話題となった100億円あげちゃうキャンペーン
PayPayは12月の初めはほとんど認知度がなく、「まずは一回使ってもらおう」ということで100億円あげちゃうキャンペーンと、20%戻ってくるキャンペーンを行いました。
もともと3月までやる予定でしたが、初日にテレビなどのニュース媒体で取り上げられたことは皆さまもご存知と思います。この翌日から決済額が増え、たった10日間で終了となりました。
第一弾キャンペーンでPayPayの知名度や理解度が上がり、おかげさまで多くの加盟店さんに送客をすることになりましたが、システム障害で多方面にご迷惑をおかけしてしまいました。
第二弾はそうしたことのないよう、サーバーの強化やシステムチェック、セキュリティ管理などを立て直した上で実施しています。
- PayPayを登録する際のセキュリティコード入力回数制限
- 利用上限額を下げて不正防止に
- 3Dセキュアの導入
第二弾キャンペーンは「ユーザーに日常的に使ってもらう」ために実施
第一弾は家電量販店や旅行代理店といった高額決済のお店で使われることが多かったですが、第二弾はもっと日常的に使ってもらおうということで仕組みを大幅に変えています。
一回の使用上限を1000円にし、コンビニやタクシー、病院などで都度使っていただくと、10回に1回キャッシュバックが当たる確率設定になっています。こうして生活に則した使い方でPayPayの便利さを実感していただけるのではないかと思います。
日本中のお店でPayPayが使えるように
日本には380万店舗のお店があるそうです。PayPayでは300万店舗の加盟店を獲得するという目標を立てて営業活動を行っています。
ユーザーさん、加盟店さんが増えるとPayPayの決済データとYahooの検索データを紐づけ、さらにEC購入データとソフトバンクのアプリの利用料や位置情報を用いて、最適な確度の広告を出すことができると考えております。
Yahooトラベルであるホテルの宿泊予約を取った人がいるとすると、ホテルの近くでPayPayの使えるお店のクーポン券を出すなどですね。
こうした未来型広告と、効果測定をPayPay決済をもとに可視化していきます。
またオンライン決済でもPayPayが使えるように、Yahooショッピング、ヤフオク、ロハコで準備中です。実店舗、オフラインで貯まったポイントや残高をオンラインで使ったり、その逆もYahoo!上で可能になります。
PayPayを通じ、Yahoo!とソフトバンクのデータをあわせた高度なマーケティングを行ってまいりますので、ぜひ今後もご注目くださればと思います。
※「QRコード」は(株)デンソーウェーブの登録商標です。
リアル×ネットの共通ID基盤事例から読み解く未来の顧客体験とは/株式会社エスキュービズム
2011年のタイミングでソフトウェアが小売りを飲み込むと言われ「小売は死んだ」「Amazonエフェクト」などのネガティブな言葉がよく出回っていたのではないでしょうか。
最近は、「いや小売は死んでいない、小売の形が生まれ変わっているだけなのだ」ということで「ニューリテール」が注目されて使われていたり、Amazonに対する免疫があるAmazonプルーフという会社も最近は出てきて取り上げられるようになったり、比較的ポジティブな言葉が増えてきたように思います。
今はEコマース3.0の時代と呼ばれており、認知、興味関心、比較検討、購入までをすべてWebで完結するようになりました。認知から購入までの距離も非常に短くなってきており、これからはクロスコマース、すべてが買い物体験になる時代と私たちは考えています。
InstagramやFacebookなどのSNSから直接購買ができたり、インフルエンサーのライブ映像を見ながら購買行動を行ったりと、いろいろなものがコマースに繋がるようになってきました。嗅覚や触覚といったEコマースでは体験できないと言われていた分野でも、体感できるテクノロジーが生まれてきています。
3Dプリンターでランナーの足にフィットする靴を出力できる技術もありますので、WEBで注文した商品が自宅の3Dプリンターから出力されるという未来もすぐ近くにきています。
もしそうなれば、ラストワンマイルという物流の問題もクリアになるでしょう。
今後はいかに購入までのプロセスを短くし、購入しやすくし、かつ人間らしさをデジタルでうまく表現できるかが追及されていくと考えています。
もう店舗はいらない?
今年のNRFのリテールビッグショーで取り上げられていたキーワードはOMO、オンラインとオフラインの融合、そして去年に引き続きカスタマーエクスペリエンスでした。
アリババのCEO、ダニエル・チャン氏は「ここ数年でデジタルを経由した売り上げが60-70%上がった」と述べています。今までデジタルがリアル店舗の敵だと言われていたところが、今はOMO、いかにデジタルをリアル店舗で活かしていくかが、より重要となってくる時代ではないでしょうか。
ここでファミリア様の事例をご紹介します。エスキュービズムが構築したオムニチャネルシステムとデータベースを通して、誰がいつ何を購入し、何を予約したかというデータを取ることができるようになった事例です。
実店舗での売り上げの方が多いのですが、店舗とWEBを両方使っているお客様の客単価が約3倍になったということです。
体験型店舗の展開や、コンセプトに基づいたサービス開発がデータ活用によって行われた結果、お客様がよりファミリア様のファンになったことは非常に素晴らしいことだと思います。
パーソナライズ化だけでは顧客体験は生まれない
約8割の消費者が、人間同士のインタラクションを求めていることや、約6割の消費者が企業の提供している顧客体験に人間らしさの減少を感じている、そんなデータがあります。
アナログの領域、人間との交流にもしっかり投資し、お客様の接客をリッチ化することが重要だということがこのリサーチからも分かります。
パーソナライズ化というと個の欲求にテクノロジーで答えるという風に見えますが、ユーザーの購買行動を分析することによって、先回りしたMDを行うということにもつながります。データを一元化し、OMOのデータ分析ができてこそのパーソナライズ化といえます。
これを私たちは「DETモデル」として提唱しています。
DETモデルというのはデータ、エンゲージメント、タッチポイントの頭文字をとった言葉です。顧客データを基に、エンゲージメントを高める施策を行い、ECやアプリ、店頭などあらゆるタッチポイントで購買につなげるという、一連の流れを示しています。
消費者に、あえて“ここで買う”理由を提供することが今後のリテールでは求められるのです。
クロスコマースによる新しい買い物体験の時代へ
サイネージ×コマース、動画×コマース、VR×コマースといったあらゆるものがコマースに繋がっていき、オンラインとオフラインのショッピングの形が更に多様化すると考えております。
私たちエスキュービズムは、リテールイノベーションのリーディングカンパニーを目指し、今まで培った、ハードウェア、ソフトウェア、アイデアといった領域を組み合わせてお客様のサポートをし続けます。