【用語解説】今さら聞けない「プライスポイント」とは?
「プライスポイントって聞いたことあるけど、実際はよくわかっていない…」
という方に向けて記事を書きました。
お店のプライスポイントをわかることで、お客さまが買いもので迷わないようになり、結果として売上アップにつながります。
とはいえ、そもそもプライスポイントを知らなければはじまりません。
そこでこの記事では
- プライスポイントとは
- プライスポイント、プライスゾーン、プライスラインの違い
- 売上アップに必要な「プライスライン政策」とは
の順に、プライスポイントについて紹介していきます。
専門用語なので難しく感じるかもしれませんが、言っていることはシンプルです。
まずはこの記事で、プライスポイントの大まかな概要を押さえましょう!
そもそも「プライスポイント」とは
プライスポイントとは、お店にある商品の中で最も売れている、売れ筋商品の価格です。値ごろとも言います。
お店の中には値段が高い商品も安い商品もありますが、その中で一番お客さまが選んでいる商品の価格、それがプライスポイントなのです。
プライスポイントはお店によって違っていて、例えばアパレルならば
- ユニクロ、ZARAなどのファストファッション
- グッチ、エルメスなどの高級ファッション
などで値ごろが違うのはわかりますよね。あなたのお店がプライスポイントをどれくらいの価格に置いているのかで、店舗での売り方が変わってきます。
また、オープニングプライスポイントと呼ばれる用語もあります。略してOPPと言うこともありますね。これはアメリカの業界用語で、商品カテゴリや品種の中で、もっとも低い価格帯という意味です。
プライスポイントについて、なんとなくイメージできたかと思います。次は、プライスポイント、プライスゾーン、プライスライン、プライスレンジの違いをまとめてご紹介しますね。
プライスポイント、プライスゾーン、プライスライン、プライスレンジの違い
プライスポイントにまつわる用語の違いは、以下の通りです。
- プライスゾーン:売れている商品における価格帯の幅
- プライスライン:プライスゾーンにおける1つの価格
- プライスレンジ:お店の中で商品の種類が最も多い価格帯
例えるなら、アパレルショップであれば
- 最も売れている商品の価格は2,980円(=プライスポイント)
- 売れている商品の価格帯が1,000円~5,000円(=プライスゾーン)
- その価格帯の中で、3,800円という価格そのもの(=プライスライン)
- お店に最も置かれている商品の価格帯(=プライスレンジ)
と言うことができるのです。
プライスポイント、プライスゾーン、プライスライン、プライスレンジ、それぞれの違いがお分かりいただけたかと思います。
以下では、プライスゾーンについてより詳しく説明していきますね。
「業界のプライスゾーン」と「その中で自店はどこか」を意識する
プライスゾーンについて、お店で商品を売るときに意識すべきなのが
- お店が属している業界のプライスゾーン
- 業界のプライスゾーンの中であれば、自店はどこに位置しているか
の2点です。
例えば、カフェを経営していたとしましょう。すると考えるべきなのは
- カフェ業界のプライスゾーンは何円から何円までなのか
- カフェの中で言えば、自分のお店はどれくらいの位置なのか
ですよね。とはいえ、どれくらいの位置と言われてもわかりにくいかと思います。
そこでプライスゾーンをさらに複数の価格帯に分けていきましょう。
- 特別価格帯(超高価格帯、プレスティッジプライスゾーン)
- 高価格帯(ベタープライスゾーン)
- 中価格帯(モデレートプライスゾーン)
- 低価格帯(ポピュラープライスゾーン)
仮にコーヒーの値段を考えるならば、それぞれ
- 特別価格帯(超高価格帯、プレスティッジプライスゾーン):1,000円~
- 高価格帯(ベタープライスゾーン):500円~1,000円
- 中価格帯(モデレートプライスゾーン):200円~500円
- 低価格帯(ポピュラープライスゾーン):~200円
です。この中で、いま経営してるカフェはどの価格帯のコーヒーを提供しているのかを考えます。
特に下の2つ、ポピュラープライスとモデレートプライスについて考えることが多いです。対象となるお客さまが「買ってもいいな」と思える価格帯で、商品を充実させる必要があります。
プライスゾーンについて、かなり深いところまで理解できたのではないでしょうか。次は、売上アップに欠かせないプライスライン政策について考えていきます。
売上アップには「プライスライン政策」が欠かせない
これから売上をあげていきたい店舗にとって、プライスラインを考えることは避けて通れない問題です。
お店にとって商品の品ぞろえは最も大切なことの一つです。プライスライニングがそのお店の明暗を左右すると言っても言い過ぎではありません。
今やインターネットで何でも調べることができるようになり、お客さまのニーズは細かく枝分かれしています。
ゆえに、感覚やセンスで品ぞろえを決めるのではなく、「政策」と呼べるレベルで細かく考えることが大切です。
例えば、アパレルショップで500円~10,000円までのアイテムを販売していて、その中で4,000円のものが最も売れていて、しかし仕入の量は
- 500円の商品:100個
- 1,000円の商品:100個
- 2,000円の商品:100個
- 3,000円の商品:100個
- 4,000円の商品:100個
と、全て同じだとしたらどうでしょうか。いずれ4,000円の商品が品切れを起こしてしまいますよね。
すると、4,000円の商品を求めて来たお客さまへの売り逃しが起こり、チャンスロスにつながります。逆に、他の価格帯にある商品は売れ残ってしまい、在庫過多につながるのです。
また、プライスラインはお店に来るお客さまの層を表しています。
例えば、高級ブティックで30,000円の商品が売れているからといって、プライスラインが4,000円の自店に置いて売れるわけではありません。
「このお店のプライスラインはどこだろう。どの価格帯の商品をもっと仕入れて、どの価格帯の商品は減らしていくべきなんだろう。」
と考えて、プライスライン政策をしいていく必要があります。
プライスポイントを考えて、売上アップへ!
プライスポイントについて、その概要を説明した後に、プライスポイント、プライスゾーン、プライスライン、プライスレンジの違いをお伝えしました。
おさらいすると、プライスポイントとは、お店にある商品の中で最も売れている、売れ筋商品の価格でしたね。値ごろとも言います。
また、プライスゾーン、プライスライン、プライスレンジはそれぞれ
- プライスゾーン:売れている商品における価格帯の幅
- プライスライン:プライスゾーンにおける1つの価格
- プライスレンジ:お店の中で商品の種類が最も多い価格帯
でしたね。
そして、プライスゾーンの詳しい説明をお伝えしました。こちらもおさらいしておくと、お店で商品を売るときに意識すべきなのが
- お店が属している業界のプライスゾーン
- 業界のプライスゾーンの中であれば、自店はどこに位置しているか
の2点です。
さらにプライスゾーンを複数の価格帯に分けると
- 特別価格帯(超高価格帯、プレスティッジプライスゾーン)
- 高価格帯(ベタープライスゾーン)
- 中価格帯(モデレートプライスゾーン)
- 低価格帯(ポピュラープライスゾーン)
となり、特にモデレートプライスゾーンとポピュラープライスゾーンの2つに力を入れるべきでしたね。
そして、プライスラインを分析したのちに「どの価格帯の商品をそろえるか」の戦略を練ることが大切だとご説明しました。
このように、プライスポイントを考えることで、お店の売り場をよりお客さまが買いものしやすい形にできます。そして、売上アップや在庫の最適化につながるのです。
まずは、お店のプライスポイントがどこか、販売データを見ながら考えていきましょう!
この記事を書いた人
黒田剛司
大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。