チャンスロス(機会損失)していませんか?販売の機会を逃さないための方法を解説
「チャンスロスって何?廃棄ロスとは何が違うの?ウチの店は機会を逃しているの…?」
と思っている方に向けた記事を書きました。
チャンスロスを減らすことで、商品を欲しいお客さまにしっかり届けることができ、結果として売上だけでなくお店の評判もアップします。
とはいえ、具体的に何がチャンスロスなのか、どうやったらチャンスロスをなくせるのかはわかりにくいですよね。
そこでこの記事では
- そもそもチャンスロスとは
- チャンスロスが起こる原因
- チャンスロスを出さないための売り方
をご紹介します。
ざっくりとした概要を知るだけなら、ハードルは高くありません。
まずはこの記事で、お店がチャンスロスを起こしているのかどうかをチェックしていきましょう!
チャンスロス(機会損失)とは
チャンスロスとは、本来なら利益を得られるはずのものが、何もしなかったことで得られなかった損失のことです。機会損失、機会ロスとも呼ばれます。
また、儲けられたはずのお金を儲けそこなった意味で「稼ぎ損ない(かせぎそこない)」「儲け損ない(もうけそこない)」と呼ばれることもあります。
例えば在庫が切れていて、商品を売ることができなかったとき。その商品を欲しいと思っていたお客さまがいるのに売り上げが上がらなかったということですので、商品在庫がなかったばかりに売上のチャンスを逃していますよね。
あるいは、商品情報を詳しく知りたいのにスタッフがおらず、購買意欲が減退した場合などもチャンスロスといえるでしょう。
店舗のオペレーションがうまく回っておらず、人員がきちんと配置されていなかったために起こった損失です。
また、ふだんの生活でもチャンスロスはあります。いまはLCCなど、格安で飛行機に乗ることができるようになりました。そのためふだんから移動に飛行機を使うかたも多いはずです。
しかしながら、飛行機は乗るまでのセキュリティチェックや荷物の預入れに時間がかかったり、そもそも空港の場所が遠かったりなど、移動に余計に時間がかかることもあります。
いくら新幹線よりLCCが安いからといって、総合的に考えると、時間をロスするというある種の機会損失が起こっています。
このようにチャンスは目には見えないものです。しかし、売上やお店の評判を左右する大切な要素でもあります。この記事を読んでチャンスロスを限りなくゼロに近づけていきましょう!
機会損失と機会費用の違い
また、よく似たもので「機会費用」があります。これはある決定が原因で、他の決定をしていた場合に得られた利益がなくなるという意味です。
例えば居酒屋のランチ。
昼間は空いている居酒屋の店舗を他のビジネスへ転用したとしても、設備投資やスタッフの確保などのコストは別途かかり、利益を出すのは難しくなります。そこでランチを提供すれば、他のビジネスを行うよりも利益を見込めるでしょう。
ですので、機会費用はなるべく利益が大きくとれる選択肢を選ぶ方が売上アップにつながります。
まとめると、機会損失と機会費用の違いは
- 機会損失:何もしなかったことで発生した損失
- 機会費用:2つ以上の選択肢から、利益の少ないほうを選んだときの差額
でした。
機会損失はなにをしたわけでもなく損失が生じるので、一見なにも起こっていないように見えてしまいます。しかし、損失はちゃんと発生しているので、常にチャンスロスがないか気を配ることが必要です。
続いて、チャンスロスで機会を逃してしまう原因を詳しく紹介します。
チャンスロスで機会を逃す原因
チャンスロスが起こる原因として考えられるのは
- 在庫管理が十分ではなかった
- 生産計画に無理があった
- 販売に必要な機器が壊れていた
- 店舗オペレーションがうまく回っていなかった
などがあります。
一口にチャンスロスといえど、その原因はさまざまです。雑貨屋、コンビニ、スーパーなど小売業の店舗であれば「商品を置かなかったことによる損失」と例えてもよいでしょう。
例えば、ある商品が早めに売り切れたならば、次はもっとたくさん仕入れることが必要です。しかし、そもそも商品を生産する計画段階から無理があったのかもしれません。生産個数が変動すれば原価率も変わってくる可能性もあります。
とはいえ、
「たくさん仕入れたら今度は廃棄ロスが出るじゃないか!」
と思うかたもいるはずです。
一時的に話題になり、商品が品薄になった時にしっかりと在庫が補充されればよいですが、生産のリードタイムが長ければ消費者のニーズが下がり、結果的に在庫過多になる場合も考えられるからです。
次は、廃棄ロス防止とチャンスロス防止のどちらがよいかを考えていきます。
廃棄ロス防止か、チャンスロス防止か
仕入れ過ぎによる廃棄ロスと、仕入れ不足によるチャンスロス。もちろんどちらも出ない方がいいですよね。とはいえ、両方をなくすのは難しいものです。
そこで考えておきたいのが「廃棄は見えるが、チャンスは見えない」という点。廃棄ロスは目に見えるだけに、誰でも気づいて改善したくなります。
しかし、廃棄ロスをなくすために発注・仕入を減らしていくとどうでしょうか。欠品が多くなり、ふだんから商品が品薄になるはずです。
すると、お客さまは品薄を理由に買い物をあきらめて、その結果として廃棄ロスが増え、さらに発注・仕入が減る…というサイクルになります。
そのため廃棄ロスを減らそうとして、商品の量を最適化するのはよいとは言えなさそうです。
廃棄になった商品は目に見えるだけに気になりがちですが、その影に隠れているチャンスロスを見逃してはいけません。
続いてはチャンスロスを出さないための売り方をお伝えしますね。
チャンスロスを出さないための売り方
チャンスロスを出さないための売り方には、
- POSデータを活かして、売れ筋・死に筋を探す
- 定番の商品でも定期的に見直す
- 新しい商品も定期的に取り入れる
- (飲食店の場合)お客さんが席で待っている時間をなくす
などがあります。
販売についてのデータ(POSデータ)を取って、売れている商品と売れていない商品を見直すだけでもチャンスロスをなくすことは可能です。
POSデータを活用すれば、チャンスロスをなくすだけでなく、新たなチャンスを見つけることもできますよ。
POSデータについて、詳しく知りたいかたは「POSデータとは?分析方法から販売への活かし方までを解説」をご一読ください!
また、商品を単品ごとに管理すれば、チャンスロスを計算することもできます。気になる方は「入門】単品管理とは?メリット・デメリットを解説!」をチェックしてみてくださいね。
ここで紹介したことを一気に実行する必要はありません。まずはできるところから取り組むことが大切です。
チャンスロス対策をして売上&評判アップ!
チャンスロスについて、その概要から機会を逃さないための売り方まで紹介しました。
一通りまとめます。チャンスロスとは、本来なら利益を得られるはずのものが、何もしなかったことで得られなかった損失のことでしたね。
そして、チャンスロス(機会損失)と機会費用の違いは
- 機会損失:何もしなかったことで発生した損失
- 機会費用:2つ以上の選択肢から、利益の少ないほうを選んだときの差額
とご説明しました。
また、チャンスロスが発生する原因には
- 在庫管理が十分ではなかった
- 生産計画に無理があった
- 販売に必要な機器が壊れていた
などがあることも頭に入れておく必要があります。
最後にチャンスロスをなくすための具体的な対策として
- POSデータを活かして、売れ筋・死に筋を探す
- 定番の商品でも定期的に見直す
- 新しい商品も定期的にとり入れる
- (飲食店の場合)お客さんが席で待っている時間をなくす
を紹介しました。
チャンスは目に見えるものではありません。かと言って、逃したままにしておくのはもってのほかです。
まずは、あなたのお店がチャンスを逃していないか、この記事を参考に考えてみてください。
もしかしたら、目の前のリスクばかりにとらわれて大きなチャンスを逃しているかもしれません。
この記事を書いた人
黒田剛司
大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。