補助金でiPadレジを導入?レジスター徹底解説
レジはもともと「キャッシュレジスター」の略で、小売店や飲食店などで商品の販売金額を計算し、記録することを目的とした機械のことをいいました。
従来のキャッシュレジスターのほか、POSシステムを用いたレジやタブレットレジ、特に今人気のiPadレジなどがあります。
本記事では、レジスターに関する知識やiPadPosレジの基礎知識、レジスターを軽減税率対策補助金で導入する方法、便利に使えるiPadレジサービスなどを紹介していきます。
目次
- おすすめレジスター、レジスターの種類
- iPadレジとは
- iPadレジの歴史
- タブレットPOSレジ導入のメリットとデメリット
- レジスター VS POSレジ VS iPadレジ
- iPadレジの導入費用について
- 消費税軽減税率対策補助金とは
- おすすめのiPadレジサービスと周辺機器10選
おすすめレジスター、レジスターの種類
レジスターは、正式名称をキャッシュレジスター(cash register)といい、日本語では金銭登録機といいます。
レジにはお金を入れてレシートを発行するシンプルなものだけでなく、売上計算や在庫管理を一括しておこなえるシステムを導入したPOSレジ、手軽に使えるiPadレジまで、さまざまな種類があります。
小型レジスターや中古レジスターについて
レジ周りがせまくても置けるコンパクトな小型レジスターは、価格もリーズナブルです。屋外のイベントなどで便利な乾電池で動くタイプの小型レジスターもあります。
また中古レジスター販売店で、展示品や中古のレジスターを購入することもできます。しかし、価格は小型レジとあまり変わらないため、中古にこだわる必要はないかもしれません。
タブレットPOSレジの登場
POSシステムは確かに便利なのですが、従来のものだと導入コストがかかってしまうということで、大型の店舗やチェーンでなければ採用されることはありませんでした。
しかしながらタブレット向けPOSシステムがアプリケーションとして盛んにリリースされるようになったことで、個人店のように小規模な店舗であっても、高いコストパフォーマンスを維持したままPOSレジを導入できるようになったのです。
iPadレジとは
POSレジとして活用するタブレットにはソフトウェアに最適化したモデルなどもありますが、やはり一番人気なのがiPadです。誰でもいつでも手に入れることができ、レジ以外にもアプリケーション次第で多様な使い方をすることができるためです。
iPadレジの機能
iPadレジの機能はアプリに依存しますが、大抵の場合以下のような機能は標準機能として活用することができます。
iPadレジはクレジット決済と相性の良いデバイスです。カードリーダーさえ用意すればあとはiPadのみで処理ができるので、特にキャッシュレス店舗の実現には大きな足がかりとなるでしょう。
また、商品管理もiPadから行うことができます。親しみのあるタッチ操作で情報を閲覧できるので、取り扱いに手間取る心配もありません。在庫管理も同様で、店舗情報とリンクすることでリアルタイムでの在庫状態の確認が行えます。
在庫数に不安があれば、発注管理画面から入荷が必要なものとそうでないものを一目で判断し、適切な数の発注をそのままiPadから行うことも可能です。
商品だけでなく、顧客情報管理も可能です。例えば飲食店であればテーブルの予約管理もiPadから行えますし、今店内の座席はどれくらい埋まっているかという座席管理もできます。
あるいはポイント制を導入している店舗であれば、顧客が何ポイント保有しているかも管理できるアプリもあります。
iPadレジの歴史
iPadレジが米国で流行したワケ
iPadレジは米国でよく用いられていますが、それにはいくつか理由があります。
一つは米国がクレジットカード社会であり、硬貨を使用する習慣があまりないということです。
iPadレジはカードリーダーをセットするだけでカード払いに対応できるので、米国の買い物事情にマッチしやすいと考えられます。
また、ニューヨークなど家賃の高い都市部において、省スペース・省コストで導入できるiPadレジは、ムダを省きたいオーナーにとって理想的なレジシステムといえます。
日本でiPadレジが流行したワケ
これらの理由は、日本でもメリットと感じられるものです。近年では、国内もクレジットカードやICカードによる支払いが多くなっています。そのため、米国だけでなく国内でもiPadレジの導入が進んでいます。
日本でタブレットPOS、iPadレジが普及したのにはもちろんアメリカでの流行や、アメリカの影響を受けた若者向けの店舗で使用されているからというのもありますが、元々タブレット向けのレジアプリは日本で開発され、2010年ごろから存在していました。
クレジットカード決済があまり行き届いていない日本では、当初いまほど歓迎されなかったものの、インバウンド需要やキャッシュレス化の浸透、そしてタブレットの持つ多くのメリットの認知度が高まり、今日のような注目を集めるようになったのです。
タブレットPOSレジ導入のメリットとデメリット
このように、iPadレジをはじめとするタブレットPOSレジが広く普及したのには、従来のレジに比べてメリットの大きいものであったことも理由として挙げられるでしょう。
iPadレジのメリット
iPadレジのメリットは、何と言ってもその導入の手軽さです。本体は家電量販店に行けば簡単に手に入りますし、そもそも最初からiPadは持っているという人も少なくありません。
実際に使用するPOSレジアプリに関しては、アプリやプランによって価格は異なりますが、従来のPOSシステムよりははるかに安上がりです。
iPadそのものコンパクトなため店舗にスペースを取る必要はなく、持ち運びも容易なため移動販売などの業態にも柔軟に対応可能です。
見た目もスリムでスタイリッシュなため、美容院や飲食店など、若者向けの店舗にも適しています。メニュー表もIPadから作成し、手軽に変更できるので余計な道具を用意する必要もありません。
また、多様な機能を簡単な操作で手軽に扱えるのも大きいでしょう、リアルタイムでの売上管理や分析機能をタブレット操作だけで確認できてしまうのは嬉しいポイントです。
操作性の良さはスタッフの教育も簡単に行えるというメリットがあります。普段からスマホを使用している人であれば、誰でもすぐにiPadレジを使いこなすことができるでしょう。画面だけで操作し、閲覧できるので複雑なUIに悩まされる心配もありません。
出退勤の管理もiPadから行えるので、処理を忘れてしまうこともないでしょう。
POSレジアプリ以外のアプリの併用でさらに便利に
導入したアプリが簡素なもので、最低限のシステムしか搭載していなかった場合でもiPadレジであれば心配はありません。
タイムカードアプリや計算アプリといった簡単な機能であれば、無料で公開されているものもあります。
iPadレジのデメリット
このように多くのメリットを持つiPadレジですが、導入に備えてチェックしておくべき注意点もあります。
例えばPOSシステムはインターネットを介してその機能を発揮するため、常時接続できるインターネット回線は必須です。
複数のアプリケーションを併用して用いる場合には予期せぬエラーなどの不具合が起こらないよう、あらかじめ相性を確認しておく必要もあるでしょう。
また、POSシステムアプリは従来のものに比べてシンプルで使いやすくなった分、サポートが弱い場合もあります。もしなんらかのトラブルが生じた場合、24時間サポートなど柔軟な対応を受けられない場合もあるため、あらかじめ代替案を準備しておく必要もあるでしょう。
レジスター VS POSレジ VS iPadレジ
3つのレジの違いは
従来のレジスターは、アナログであり、人の手による集計や確認作業が必須です。ただ、データがデジタル化されていない分、インターネット環境を必要としないため、移動販売や個人商店など、規模の小さな業態の場合は適していると言えます。
一方POSレジは、POS(Point of sale)、つまり販売時点情報管理という名称の通り、単品ごとに売上を集計します。
インターネットを通じて大規模なデータ収集を一瞬で行うことができるので、売上に応じた在庫管理やマーケティングにつなげられるような分析をおこなうことができます。
実際にレジで会計をした商品だけでなく、予約管理やオーダーシステムなど、店舗によって生じるさまざまな事柄を一元管理できるのがPOSシステムです。
汎用性の高いiPadレジ
iPadレジは従来のレジスターとPOSシステムのどちらも利用することができます。オススメはどちらのレジも採用できる環境を整えておくことです。
iPad POSシステムはタブレットでコンパクトにPOSを利用できるということで、高いコストパフォーマンスでシステムを運用できるのがメリットです。
ただ、ネットワーク環境がない場所ではPOSが運用できないため、従来型のレジが活躍します。
アナログでの作業に慣れていればデフォルトの電卓さえ使えれば問題ないので、レジアプリでなくともアナログレジの運用に必要なアプリを入れておくだけでも運用が可能となります。
iPadレジの導入費用について
iPadレジの導入に際して用意しておくべきは、iPad購入費用とアプリ利用料金です。
iPad購入費用
iPadは元から持っているものを利用するということであれば実質0円ですが、新規に一台購入するとなると最低でも4万円弱のものからになります。
2018年10月現在の現行モデルだと、9.7インチのiPadが税別で3万7800円となっており、今後も最低価格帯はこの辺りとなってくるでしょう。
アプリ利用料金
一方アプリの利用料金はアプリによってまちまちです。初期費用0円、月額1000円前後のものもあれば、初期費用・月額費用無料、売上に応じて手数料が徴収されるものもあるなど、多様です。
周辺機器としては、クレジットカードリーダーや交通系ICカードリーダーなどを購入するものもあるため、これもプランを確認して正確な値段を把握しておきましょう。
クレジットカードリーダーは5千円前後で購入できることもありますが、ICカードリーダーも含め、中には数万円もする場合もあるため、初期費用を抑えたいという場合は注意しましょう。
また、キャッシュドロア、レシートプリンターやバーコードリーダーといった周辺機器を揃えていくと、いつの間にかコストがふくらんでしまうというケースもあります。
充実したレジ環境を求めるあまり、次々と周辺機器を継ぎ足して行くと、かえって使いづらく、環境が統合されていない非効率なPOSシステムを使うことにもなってしまいます。
完璧な一元管理をおこないたい場合は、統合データベースを構築し、サポート体制の整ったPOSシステムを検討すると良いでしょう。
iPadレジ導入には補助金が適用される場合があります
まずはiPadレジのみを導入して様子をみる、というのは良いアイデアかもしれません。
というのも、iPadレジを導入するさい、「消費税軽減税率対策補助金」が適用されるケースがあるからです。
iPadレジ導入の際に知っておきたい知識「消費税軽減税率対策補助金」については、次で解説します。
消費税軽減税率対策補助金とは
iPadレジ導入にも適用される消費税軽減税率対策補助金ですが、上限金額や対象事業者について詳しくみていきましょう。
補助金の概要
消費税軽減税率対策補助金とは、2019年10月に消費税率が10%に引き上げられるのに合わせて実施される制度です。
消費税が10%になると、生活必需品とそれ以外の商品にはそれぞれ別々の税率が適用されます。
この制度は、複数税率に対応しなければならない事業者をサポートするための補助金制度です。
補助金の上限
補助額は、レジ1台につき20万円です。複数台を申請する場合は、1事業者あたり200万円が上限になります。
基本補助率は費用の3分の2ですが、3万円未満の機器を1台のみ導入する場合は4分の3、タブレットなどの汎用端末をレジにする場合は2分の1と、それぞれ異なります。
なお、この導入費用としてレシートプリンターや電子マネーのリーダー、バーコードリーダーといった周辺機器の購入費用も含めて申請することができます。
補助金の対象事業者
この制度で補助金を申請できる事業者は、レジを使用して食べ物や飲み物を販売しており、なおかつ複数税率対応レジを導入しようとしている事業者、あるいは現在使用中のレジを改修しようと検討している事業者です。
なお、軽減税率の対象商品は生鮮食品、加工食品、新聞などです。ケータリングや外食、アルコールなどは含まれないので注意しましょう。
申請の流れと期限について
補助金への申請は、導入に関する支援(A型)が4タイプと、改修に関する支援(B型)が2タイプ、併せて6つのタイプがあります。
- A-1型「レジ導入型」POS機能のないレジが対象
- A-2型「レジ改修型」複数税率非対応のレジを改修する場合
- A-3型「モバイルPOSレジシステム」タブレット、PC、スマホなどを利用するレジが対象
- A-4型「POSレジシステム」従来のPOSレジシステムを複数税率に対応させる場合
- B-1型「受発注システム・指定事業者改修型」発注を請け負う指定事業者が代理申請する場合
- B-2型「受発注システム・自己導入型」事業者が自らサービスやパッケージ製品を導入する場合
これらの申請に必要な申請書は3枚あり、軽減税率対策補助金の公式サイトからダウンロードできます。
軽減税率対策補助金
http://kzt-hojo.jp/
申請受付期限は、2019年12月16日までで、B-1型のみ2019年6月28日までとなっています。レジ導入を検討する際は、ぜひこうした補助金の活用も視野に入れてみてください。
おすすめのiPadレジサービスと周辺機器10選
最後にiPadに適したおすすめのレジサービスを紹介します。併せて、アプリのサポートにも使える周辺機器についても記載しました。
ユビレジ
初期費用0円から始められる飲食店向けのiPad POSレジです。世界初のiPad POSレジとして2010年から全世界2万店舗以上にサービスを提供しています。
周辺機器には、コンパクトレジスター、レシートプリンター、キャッシュドロワ、キッチンプリンタなどがあります。
スマレジ
基本的なプランは無料で使えるほか、フードビジネス向け、リテール(小売・アパレル)ビジネス向けのプランがそれぞれ用意されているのが特徴です。
周辺機器には、レシートプリンター内蔵型キャッシュドロア、プリンタ(LAN接続/Bluetooth/モバイル)、キャッシュドロア、バーコードリーダー、自動釣銭機、RFIDリーダー/ライター、ICカードリーダーなどがあります。
スマレジ・ウェイター Waiter
「スマレジ」と併用することでさらに便利に使えるのが「スマレジ・ウェイター Waiter」です。テーブル管理や予約管理などフードビジネスに特化した機能がそなわっています。
NECモバイルPOS
飲食業、小売業、サービス業へ対応しているiPadレジのサービスです。オフラインでも会計ができる機能をそなえています。
プリンターやキャッシュドロアなどの周辺機器と連携できます。
Air REGI(エアレジ)
基本的なレジ機能を0円で利用できるほか、売上分析や会計ソフトの連携など、できることを拡げてさらに便利に使うこともできます。
周辺機器には、キャッシュドロア、レシートプリンター、バーコードリーダーのほか、これらをセットにしたパックもあります。
Square POS
アメリカで大きなシェアを獲得したクレジット決済システム、「Square」はPOSシステムも展開しています。
世界で最も利用されているシステムという信頼性や、アメリカらしいシンプルで明瞭なインターフェイスが何よりの特徴です。
メディアでの露出も多いサービスのため、コーヒーショップや美容室といった若年層向けの店舗に適したアプリとなっています。
poscube
飲食店専用のタブレットPOSシステムとして設計されたのがこちらです。
飲食店に特化したPOSレジとして開発されているため、多様なコース料理・メニューの設定が行えたり、10台以上のプリンタ制御、オーダーステーション運用など、他のシステムにはない飲食店のニーズに応えるシステムの充実が大きな特徴です。
また、店舗内に専用のサーバーを設置して運用するため、店内の通常インターネット回線が不安定でも問題なくシステムを運用できるのがポイントとなっています。
楽天Pay
もはや知らない人もいない楽天の提供する決済サービス、「楽天Pay」は、タブレットPOSシステムと連携してクレジットカード決済を可能にするというものです。
ポピュラーなPOSシステムには全て対応しており、クレジット主要6ブランドを受け付けているので、どのお店でも利用することができるでしょう。
同時に電子マネー対応の決済システムにも対応しているので、駅近くの飲食店や小売店での活用にも最適のシステムです。
https://smartpay.rakuten.co.jp/specs/
GLORY300(キャッシュドロア)
こちらはタブレットPOSに対応するキャッシュドロアです。
紙幣と硬貨が独立したユニットで構成されているためニーズに合わせたレイアウトを構築でき、独自のカラーディスプレイ搭載で引き継ぎやエラー時の対応などのサポートに務めてくれます。
スマレジやposcubeなど、多様なアプリと互換性があるため、後から備え付けるのにも最適の一台となっています。
EPSON TM-m30(レシートプリンタ)
タブレットに最適化されたレシートプリンタというものも存在します。
EPSONのTM-m30はまさにタブレットPOSとの併用を想定して設計されたモデルとなっており、コンパクトで場所を取らない本体デザインや、コストパフォーマンスに優れた印刷能力を備えているのが特等です。
合わせて使える同メーカーのキャッシュドロアやディスプレイも販売されているので、デザインの統一性やハードごとの互換性を考慮しないというメリットを取る場合はどうメーカーで揃えるのも一つの手でしょう。
https://www.epson.jp/products/receiptprinter/tmm30/
まとめ
手軽に始められてマーケティングにも活用できるPOSレジやiPadレジ。従来のレジからの変更や新たな導入を検討してみてはいかがでしょうか。