「消費者行動分析」を考える~オンラインショップから始まり、今店舗へと~
オンライン小売業者にとっては、ウェブサイトのデータ分析を実施して消費者の行動傾向や販売状況を把握し、販売の効率化につなげるという作業は必要不可欠であり、ここをおろそかにするとマーケティング活動の方向性が全く見当違いのものになってしまいかねません。
一方、店舗販売においての最新の顧客傾向分析としては、Wi-Fi、BluetoothやGPS、さらには性別判断や表情を読み取ることのできるセンサーなどが活用されています。そしてこれらから得たデータをウェブショップでのデータと総合的に分析することで、複数の販売チャネルにおけるマーケティング効率を大幅に向上させることが可能になってきます。
事実、Forrester Research社が4月に発表した2014年版レポートの中では、これまではウェブショップで一般的に行われてきた消費者の行動傾向分析が店舗販売においても多く実践されてきていることが取り上げられています。そこで、ここでは基本要素として「購入先としての認知度」「消費者関与」「顧客満足度」そして「販売実績への影響」を設定したうえで、これらはウェブサイトにおける基本要素のうちのどれに当てはまるものかを示し、またその重要性についても考察していきます。
店舗における販売関連データ分析自体は確かに新しくて便利ですが、オムニチャネル販売の究極のスタイルは店舗とオンライン、さらにモバイルを総括したデータ分析とその適用にあります。そしてこのようにして得られた総合的データによって把握できる事項の例としては次のようなものが挙げられます。
・ショールーミング(店舗で下調べをしてオンラインで購入)の明確な傾向
・顧客の立場での視点
・チャネル間におけるスムースな連携の実現手段(例:個人向けおススメ商品やセール品などを店内モバイルナビで通知)
・具体的な追加個別サービス(例:「この商品を試着した人は最終的に購入した」というポイントをはっきりとオンライン上で表示)
・「店舗での来店者:購入者率」と「サイト上での訪問者:購入者率」との比較結果
・Eメールやソーシャルメディア、モバイル端末を活用した店内販促活動の効果
今回触れた「消費者行動分析」の分野はこの先も引き続き発展していくことが予想され、マーケティング担当者の注目度もますます高まってくることになるでしょう。
この記事はDigital Retail: How In-Store Analytics Align With Onlineを海外小売最前線が日本向けに編集したものです。