業務を止めなくても大丈夫!「循環棚卸」の方法とは?
「お店の在庫は定期的に確認したいけど、お店を閉めたくはないな…」
と思っている方のために、この記事を書きました。
この記事では、棚卸しの中でも特に「循環棚卸」について紹介します。
循環棚卸とは、今ある在庫を場所・種類などの基準で分けて、順番に数や状態を調べていくという意味です。
循環棚卸を導入することで、お店のオペレーションを止めることなく、在庫の管理をスムーズにできます。
以下では
- そもそも循環棚卸とはなにか
- 循環棚卸と一斉棚卸の違い
- 循環棚卸ができるシステム
という順番で、循環棚卸についての理解を深めていきます。
文字だけを見ると難しく感じるかもしれませんが、やっていることは単純です。
まずはこの記事で概要だけでもつかんでおきましょう!
循環棚卸と一斉棚卸の違いを比較!
棚卸しは、
- 在庫がどれくらいあって、どれだけの商品が売れたか
- メモ・パソコン上などに残されている在庫と、実際の在庫が合っているか
- 売れない在庫・使わない在庫・不良在庫は溜まっていないか(滞留在庫はないか)
という目的で行います。
棚卸しの中でも、大きく分けると
- 循環棚卸
- 一斉棚卸
の2つが一般的な方法です。
ここからは、循環棚卸・一斉棚卸の特徴、そしてそれぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。
1.循環棚卸とは何か
循環管理は冒頭でも説明したとおり、
- 在庫を場所・種類などで分ける
- 分類した在庫を、日を分けて順番に棚卸しする
という手法です。
英語では「サイクルカウント」と呼ばれます。
具体的なやり方でわかりやすいのは
- フランチャイズなどで、エリアごとに棚卸の時期をずらす
- 棚卸をする店舗には、その日の入出荷をしない
という方法ですね。
また、コンビニなど24時間営業のお店では、商品を仕入れるたびに数えているようです。これも循環棚卸と言えるでしょう。
補足ですが、大きな企業であれば棚卸しに監査人が立ち会うこともあるそうです。
循環棚卸のメリット
循環棚卸の長所は、
- 人手が少なくても棚卸しできる
- こまめに棚卸しするので、業務が止まることがない
点にあります。
一度に全てを棚卸しせず順番に行うので、人手がそこまで必要な作業ではありません。
また、一部の棚からだんだんと棚卸しをするので、お店の業務を止めなくても大丈夫です。
循環棚卸のデメリット
それに対して、循環棚卸の短所は
- コンピュータなどを用いた高度な在庫管理が求められる
- 何度かに分けて棚卸しするため、精度が低くなりやすい
というところです。
何度かに分けて棚卸しをするため、在庫管理がもともとしっかりとできていなければなりません。
また、ふだんの在庫管理が手作業だと、どうしても精度が低くなりがちです。
在庫管理システムを使って、普段からきちんと在庫をチェックできているとベストですね。
まとめると、循環棚卸には
- 人手が少なくて済む
- お店を閉めたり、業務を止めなくても大丈夫
というメリットがあり、デメリットには
- 手作業だと精度が低くなりやすい
ことがあるとお分かりいただけたかと思います。
2.一斉棚卸とは何か
一斉棚卸は、文字通り「一斉に」棚卸しする手法です。
一斉棚卸をする日には
- 全ての作業・入荷・出荷を止める
- 全ての棚を一斉にチェックする
という流れで、全員が棚卸しをします。
商品・製品の数が多い場合には数日かかることもある、大がかりな棚卸し方法です。
小売店などで「●月●日は棚卸のため●時に閉店します」というように、営業時間を変更するお知らせがされている時があります。
そうしたお店では、一斉棚卸を行っている場合が多くあります。
一斉棚卸はこのように、営業を止めなければならず、その間の売上は上がりません。そのため、扱っている商品・製品が多いお店は、だんだんと循環棚卸へと移っています。
一斉棚卸のメリット
一斉棚卸のメリットは
- 棚卸しを一度にするため、精度が高め
という点にあります。
何度もくり返し棚卸しをする循環棚卸と比べると、正確な在庫確認ができるのが特徴ですね。
一斉棚卸のデメリット
対して、一斉棚卸のデメリットは以下のとおりです。
- 普段の作業・営業が止まってしまう
- 在庫の数によっては夜を徹する場合もある
作業・営業を止めて、全員で在庫をチェックするため、その間は直接的な利益が出ません。
また、商品・製品の数によっては、一度の棚卸しだけでは徹夜になってしまうこともあります。
循環棚卸・一斉棚卸の特徴をまとめます
ここで循環棚卸・一斉棚卸の特徴をまとめると、以下の比較表になります。
循環棚卸 | 一斉棚卸 | |
---|---|---|
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
循環棚卸ができるシステムは?
人手が少なく、棚卸しのたびにお店を閉めたくないのであれば、循環棚卸はとても有効です。
しかし、その問題点として「精度の低さ」があります。
それを補うのが在庫管理システムです。
システムを使って循環棚卸をすることで、正確かつ手間の少ない棚卸しが実現しますよ。
ここからは、
- 在庫スイートクラウド 棚卸
- クラウド在庫管理システム@wms
- IBM® Sterling Store Inventory Management
- Orange Operation
という4つの在庫管理システムを紹介します。
まずはざっくりとシステムの概要から見ていきましょう!
1. どこでも・だれでも・かんたんに循環棚卸「在庫スイートクラウド 棚卸」
「在庫スイートクラウド 棚卸」は、
- 複数人が入力した棚卸しの集計を、リアルタイムで確認できる
- 離れた場所で同時に棚卸しできる
- ハンディターミナルやiPhoneでバーコードを読み取れる
という特徴をもち、棚卸しを「どこでも」「だれでも」「かんたんに」できるのが魅力です。
- ネット通販
- 商社
- 製造
など、様々な現場で活用されている在庫管理システムですね。
2. 初心者でも安心「クラウド在庫管理システム@wms」
500社を超える事例からノウハウを集めたのが「クラウド在庫管理システム@wms」です。
- 商品の場所・個数を効率的にチェック
- ハンディターミナルで手入力の手間がない
- 初心者でも簡単に使える操作画面
が特徴で、はじめてシステムを導入するときでも、簡単に覚えることができます。
専門スタッフによるサポートもあるので、これから循環棚卸をシステム化したいかたにもおすすめです。
3. 本格的な循環棚卸に「IBM® Sterling Store Inventory Management」
「IBM® Sterling Store Inventory Management」では、
- 棚卸しの方法に応じた、ワークシートの印刷
- 種目別に棚卸しをする
- 棚卸し後に記録をする
などができます。
主に製造業の在庫管理に使われるようです。
PR:4. POSシステムと連動した在庫管理「Orange Operation」
店舗運営支援アプリケーション「Orange Operation」では、会計機能(POSシステム)と連動して商品在庫状況を管理できます。
日常業務で発生する、店舗在庫の確認や入出庫情報、移動中の在庫(空中在庫)を含めて複数店舗分をまとめて管理することができます。
バーコードリーダーを使うことで棚卸作業も効率的に行えるのが特徴です。
循環棚卸でスマートかつ手軽な在庫管理を!
循環棚卸について、大まかな概要をまとめました。
一斉棚卸との大きな違いは、「オペレーションを止めない」「少人数での管理」にあります。
在庫管理にかかる人件費・時間をできるだけ減らしたいかたには、循環棚卸がおすすめです。
「お店の在庫は定期的に確認したいけど、お店を閉めたくはないな…」
というかたは、ぜひ循環棚卸の導入をご検討ください。
この記事を書いた人
黒田剛司
大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。