シェアサイクルとは?概要と最新情報まとめ
「最近よく聞くシェアサイクルって何だろう。レンタサイクルとは違うのかな」
と思っている方。
シェアサイクルは、自転車を好きなタイミングで、好きな時間使うことのできるサービスです。
とはいえ、なぜそこまで注目されているのかよくわかりませんよね。
そこでこの記事では、
- 今注目のシェアサイクルとは?
- シェアサイクルとレンタサイクルの違い
- シェアサイクルのメリット
- シェアサイクルの今後の課題
- 続々登場!国内のシェアサイクル大手6社
- さらなる成長が見込まれるシェアサイクルは大きなビジネスチャンス!
の順にお伝えします。
新サービスのシェアサイクルは一見理解しづらく思えますが、押さえるポイントは難しくありません。
まずはこの記事で、シェアサイクルについて知りましょう!
今注目のシェアサイクルとは?
シェアサイクルとは、他の人と自転車をシェア(共有)し、必要なタイミングで自転車を利用するための仕組みや方法のことです。
シェアサイクルは都市部を中心に展開していて、さまざまな場所に設置してあるサイクルポート(駐輪場)で自転車を借りることができます。
新しいサービスなのでいくつか呼び方があり、
- 自転車シェアリング
- コミュニティサイクル
- サイクルシェア
- 都市型レンタサイクル
とも呼ばれますが、基本的にはどれも同じサービスです。
シェアサイクルと従来のレンタサイクルは同じサービスに思えますが、実は少し違います。その違いについて次で説明しますね。
シェアサイクルとレンタサイクルの違い
「シェアサイクルとレンタサイクルは何が違うの?」
と思う方もいるでしょう。
シェアサイクルとレンタサイクルは「自転車を借りて使う」という点においては一緒ですが、以下の点において異なります。
【シェアサイクル】
- 複数のサイクルポートで利用、返却ができる
- ICカードやスマホだけで借りることができる
【レンタサイクル】
- 利用するさいはお店を訪れ、返却も同じお店へ返す必要がある
- お店で必要事項を記入、現金を支払って借りる
シェアサイクルでは、一定の範囲内に設けられた複数の「サイクルポート」と呼ばれる駐輪場で、自由に自転車を借りることができます。返却は借りた場所と異なるサイクルポートでも問題ありません。レンタサイクルの場合は借りた場所に返す必要があるので、このようなどこでも乗り降りできる仕組みはユーザーにとって大きなメリットです。
シェアサイクルは、Suicaなどの交通系ICカードやおサイフケータイなどを使って、自転車を借りることができます。
はじめに会員登録を行う必要がありますが、その後は登録した情報を使ってカンタンに利用が可能です。
自転車を借りる方法は、
- 予約せずに借りる場合:登録したICカード/スマホをかざして借りる
- 予約して借りる場合:スマホでパスコードを発行して借りる
の2つ。
シェアサイクルはIoT技術を使い、無人で自転車を貸し出す仕組みを整えることで人件費を大幅カットできることが大きな特徴です。
次はシェアサイクルを利用するメリットについてお伝えしますね。
シェアサイクルのメリット
シェアサイクルのメリットは、
- コストが安い
- 環境にやさしい
- 交通事情による影響を受けにくい
- 複数のサイクルポート(駐輪場)で乗り降りができる
- スマホ1台で利用できる
の5つです。
1. コストが安い
国内大手シェアサイクルの利用料金は、おおむね30分100~150円の間です。
ここでは、シェアサイクルに対して「タクシー」と「自家用の自転車」の2つにかかるコストを比較してみましょう。
タクシーとの比較
自転車の平均時速を15kmで計算すると、30分で7.5km移動することができます。一方タクシーで7.5km移動する場合、東京都23区における初乗り料金は410円、以後237mごとに80円加算されるので約2,500円かかります。
つまり7.5kmを移動するのにかかるコストは、
- シェアサイクル:100円~150円
- タクシー:約2,500円
と、単純な利用料金においてはシェアサイクルが圧倒的に安いことがわかります。
自家用の自転車との比較
シェアサイクルと自家用の自転車を比較した場合、移動にかかるコストはもちろん自家用の自転車はゼロです。
しかし自家用の自転車の場合、
- 自転車本体の購入費用
- 保険代
- メンテナンス費用
- 駐輪費用
のコストが発生することを忘れてはいけません。
これらのコストを比較すると、毎日自転車を使うのでなければシェアサイクルを利用する方が安くなる可能性が高いでしょう。
2. 環境にやさしい
ガソリンを使用する車やタクシーに比べて、シェアサイクルの場合は「電動アシスト自転車」が多く、環境に配慮できます。
電動アシスト自転車はガソリンではなく電気を使用するため、CO2排出の心配がありません。
3. 交通事情による影響を受けにくい
シェアサイクルは、交通事情による影響を受けにくい点も魅力です。
車やタクシーであれば渋滞の影響を、電車であれば遅延の影響を受けてしまうことがありますが、シェアサイクルであればこれらの影響を受けずに済みます。
4. 最寄りのサイクルポート(駐輪場)で乗り降りができる
従来のレンタサイクルと違い、シェアサイクルでは複数のサイクルポートで乗り降りが可能です。
そのため、いちいち借りた場所まで返しに行く必要がなく、目的地に1番近いサイクルポートで自転車を返すことができます。
5. スマホ1台で利用できる
シェアサイクルは、スマホがあればカンタンに自転車を借りることができます。
最初の会員登録を済ませてしまえば、サイクルポートでスマホをかざすだけで自転車を利用することが可能です。
シェアサイクルの今後の課題
日本におけるシェアサイクルの今後の課題は「駐輪場の確保」です。
シェアサイクル市場に参入を表明していたDMMは2017年に断念。その理由を「駐輪場数を確保できなかった」としています。
中国のように「公道乗り捨て」のスタイルを取れば駐輪場は不要ですが、道のあちこちに自転車が乗り捨てられることは日本では受け入れられないでしょう。
都心部における駐輪場の確保はコストがかかるため、シェアサイクルが浸透し、利益が出るようになるまで事業を継続できる事業を継続できる資本力が求められます。
続々登場!国内のシェアサイクル大手6社
昨年から徐々に増えてきているシェアサイクル会社。ここでは、国内のシェアサイクル大手6社をご紹介します。
- ドコモ・バイクシェアスマートシェアリング
- HELLO CYCLING
- Mobike(モバイク)
- PiPPA(ピッパ)
- COGICOGI(コギコギ)
- メルチャリ
1. ドコモ・バイクシェアスマートシェアリング
ドコモ・バイクシェアスマートシェアリングは、NTTドコモが提供しているシェアサイクルサービスです。東京都内だけでなく横浜、仙台、広島などの自治体とも共同運営[a]しています。
千代田区、中央区、港区、江東区、品川区、新宿区、文京区、大田区、渋谷区の中であれば、区をまたがっての利用が可能。ポート数が多く、Felicaに対応した交通系ICカードを登録しておけば、それを利用してレンタルできるので便利です。
2. HELLO CYCLING
HELLO CYCLINGは、ソフトバンクグループのOpenStreetが提供しているシェアサイクルサービスです。東京、大阪、名古屋、埼玉を中心に展開しています。
現在のポート数はドコモのバイクシェアに及ばないものの、セブンイレブンとの協業が決まっており、2018年には全国のセブンイレブン20,392店舗(2018年6月末時点)のうち、1,000店舗に展開する計画です。
3. Mobike(モバイク)
Mobike(モバイク)は、中国のシェアサイクルサービス会社です。世界最大のシェアサイクル事業者でもあり、日本では札幌と福岡でサービスを展開しています。
Mobikeの特徴は、専用のポート以外でも指定エリア内なら返却できる点です。無料の駐輪区域や、契約したスーパー、コンビニで駐輪できます。
4. PiPPA(ピッパ)
PiPPA(ピッパ)は、大和ハウスパーキングとオーシャンブルースマート、京阪電気鉄道の3社が提供するシェアサイクルサービスです。
大和ハウスパーキング、京阪電気鉄道がサイクルポート設置場所を提供しつつ、2018年中に京都市内に500台のサイクルポート確保を目指します。
5. COGICOGI(コギコギ)
COGICOGI(コギコギ)は、ベンチャー企業の「コギコギ」が運営するシェアサイクルサービスです。
COGICOGIは、半日以上(12時間以上)の長時間利用を前提としています。これは他社と異なり、観光客やイベント利用客などをターゲットにしているためです。
6. メルチャリ
メルチャリは、大手フリマアプリのメルカリの子会社、ソウゾウが提供するシェアサイクルサービスです。
福岡市で2018年2月27日にサービスを開始、6月には福岡市のシェアサイクル実証実験事業に選定され、市と連携してシェアサイクルの普及に取り組んでいます。公共施設へのサイクルポート設置が可能となったことで、6月末時点のポート数は約90か所まで増えました。
さらなる成長が見込まれるシェアサイクルは大きなビジネスチャンス
ここまで、シェアサイクルについてお伝えしました。
シェアサイクルの魅力は、従来のレンタサイクルと異なり、
- 複数のサイクルポートで自転車の乗り降りができる
- ICカードやスマホだけで自転車を借りることができる
ところです。
2017年に参入した企業が多く、2018年はさらにその競争が激化すると予想されています。
コンビニ大手セブンイレブンが「HELLO CYCLING」と提携を決めたように、
- サイクルポートを提供する
- 利用者へクーポンを発行する
などすれば、店舗の認知やお店への来客を図ることが可能です。
自社ビジネスをより良くしていくためにも、シェアサイクルを活用した新たなビジネスチャンスを考えてみましょう。
この記事を書いた人
黒田剛司
大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。