スーパーセンタートライアルアイランドシティ店が次世代の小売を追求!スマートストアの姿とは
「ITを使った店舗にはどんなものがあるんだろう…」
と思っている方。2018年2月14日にオープンした「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」では、カメラやタブレットのテクノロジーを使って次世代のスマートストアを実現しています。
とはいえ、具体的にどのようなことをしているのかはわかりにくいですよね。
そこで、この記事では、
- スーパーセンタートライアルとは
- 「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」の特徴
- 世界のスマートストア(アメリカ、中国)を紹介
の順に、次世代のスマートストアについて解説します。
スマートストアのテクノロジーというと難しく感じるかもしれませんが、概要はシンプルです。
まずはこの記事で、これからのスマートストアについてざっくりとおさえましょう!
スーパーセンタートライアルとは
スーパーセンタートライアルとは、福岡に本社を構える株式会社トライアルカンパニーが経営しているスーパーセンターです。日常で使うものが幅広くそろっているので、一箇所で買い物を済ませることができます。
また、トライアル社ではマーケティングや物流も事業としており、ITを活用した分析にも力を入れている状況です。
次は、「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」の特徴について紹介します。
「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」の特徴
「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」の特徴は、
- スマートカメラでお客さまの属性や行動を分析
- スマートレジカートで決済とレコメンドを実現
の2つです。
以下で詳しく説明します。
スマートカメラでお客さまの属性や行動を分析
アイランドシティ店では店内に700台ものカメラを設置。その中でも
- 独自開発による、商品の動きを分析するカメラ
- パナソニックが開発した、お客さまの動きを分析するカメラ
の2種類に分かれており、商品とお客さまの動きを分析できます。具体的に分析できることは、
- 棚にある商品がどのように陳列されているか
- お客さまがどのように商品を触ったか
- お客さまが店内でどのように行動したか
- 何パーセントのお客さまが売り場まで到達したか
- お客さまは店内にどれくらいの時間いたか
などです。お客さまのプライバシーを守りながらも、店舗の分析はしっかりとできる仕組みが作られています。
しかも、アイランドシティ店は24時間営業なので、カメラは1日じゅう商品とお客さまの動きを記録・分析することが可能です。
スマートレジカートで決済とレコメンドを実現
もう1つの特徴は、株式会社Remmoとトライアル社が共同で開発したレジカートです。このレジカートには、
- 決済機能
- 商品のレコメンド機能
が備わっているため、今までにないスマートな買い物体験を実現します。
具体的な買い物の流れは、
- 専用のプリペイドカードをショッピングカートでスキャン
- ショッピングカートの赤外線スキャナで、商品バーコードをスキャン
- 専用レーンで担当者がチェック
- ショッピングカート自体がセルフレジで、専用のプリペイドカードを使って決済
- 決済後は、担当者からレシートが渡される
です。現時点では、お客さまが勘違いでスキャンをせずカートに商品を入れることも考えられるため、買い物の最後に店舗スタッフがチェックします。ゆくゆくは、最後のチェックも無人になるはずです。レジ待ちの時間がなくなるのはもちろん、店舗の人員不足をなくすことにもつながります。
またレコメンド機能では、カートに入れた商品の情報をもとにおすすめ商品や特別クーポンを紹介。
買い忘れをなくすだけでなく、今までになかったニーズを見つけることにもつながります。事前に購入したい商品が決まっていないことが多い、お菓子やアルコール類などで特に効果的です。さらに、メーカー側に広告や販売のチャンスを提供することもできます。
スーパーセンタートライアル アイランドシティ店の概要
スーパーセンタートライアル アイランドシティ店の概要は以下の通りです。
【住所】
福岡県福岡市東区香椎照葉5丁目2-23
【アクセス】
JR香椎線 雁ノ巣駅 車7分、JR香椎線 香椎駅 車12分
【営業時間】
24時間営業
【電話番号】
0120-033-559
補足:トライアルではウォークスルー型RFID会計ソリューションの実証実験も
また、トライアル社ではAmazon Goのようにレジが全くない、ウォークスルー型の会計についても実証実験も進めています。アイランドシティ店とは別の店舗である「ラボ店」にて、RFIDによる自動会計をテスト。店舗のスマート化・無人化に力を入れています。
RFIDタグについて詳しくは「小売業でのRFID活用事例8選」をご一読ください。
無人レジについて詳しく知りたい方は「「無人レジ」で店舗の効率は上がる?仕組み・メリットを解説します」をご覧ください。
2019年度にスマートストアが60店舗オープン
2018年10月、トライアルは2019年度にスマートストアを福岡、佐賀で60店舗オープンすると発表しました。
アイランドシティ店と同様に、AIとカメラを活用した在庫管理、無人レジといったテクノロジーを使った「スマートストア」に注目が集まります。
また、2022年には全国展開も計画されているといいますが、そのころにはもっと新しい技術による業務効率化が図られているかもしれません。
次は、世界のスマートストアについてアメリカと中国の事例を紹介します。
世界のスマートストア(アメリカ、中国)を紹介
ここからは世界のスマートストアについて、
- アメリカ:Amazon Go
- 中国:Bingo Box
の順に説明します。
アメリカ:Amazon Go
EC大手Amazonは、2018年1月にシアトルにて無人店舗「Amazon Go」をオープンしました。
Amazon Goはレジがなく、店舗スタッフもいないのが特徴です。買い物のさいはAmazonのアプリを使って入店して、商品を取って店を出るだけで会計までが完了します。返品は一度とった商品を棚に戻すだけです。
Amazonのアカウントにログインしたスマートフォンをもっていれば、Amazon Goでキャッシュレスな買い物体験が実現します。
中国:Bingo Box
中国の無人店舗「Bingo box」も事例の1つです。Bingo boxでは中国版のLINE「WeChat」アプリのIDで入店し、決済はWeChatアカウントもしくはアリペイを活用します。そのため、セキュリティ性の高さが大きなメリットですね。
なぜなら、中国はWeChatやアリペイのアカウントに対して信用度を点数づけしており、個人の信用度にも大きく関わるからです。そのため、無人店舗でも万引きなどの犯罪が起こりにくいのです。
Bingo boxにおける独特の運営方法は、アプリ上での信頼が現実の信頼とつながっている中国ならではと言えます。
スマートストアを理解して、顧客満足度と店舗効率をアップする
ここまで、スーパーセンタートライアルのアイランドシティ店を中心に、スマートストアの姿について解説しました。
おさらいすると、スーパーセンタートライアルは福岡のお店で、アイランドシティ店には
- スマートカメラでお客さまの属性や行動を分析
- スマートレジカートで決済とレコメンドを実現
という特徴があります。また、トライアル社では無人店舗の実験にも積極的です。
そして、世界のスマートストアでは、
- アメリカ:Amazonアプリでキャッシュレス店舗を展開「Amazon Go」
- 中国:WeChatアカウントで高いセキュリティを実現「Bingo Box」
の2つを紹介しました。
スマートストアを取り入れることで、お客さまの満足度はもちろんのこと、店舗の人員効率もアップすることがお分かりいただけたかと思います。
まずは事例を参考に、自社でスマート化できそうな点を洗い出すところからはじめてみてください。
この記事を書いた人
佐々木ゴウ
大手Sierや、ECコンサルティング会社での経験を活かし、ファッションや食品などの各種商品ジャンルから、バックオフィス、ITインフラ系まで幅広く執筆が可能。webライティングの講師や、メディアコンサルティング、採用系メディアの編集長なども請け負っている。趣味は盆栽。