定量分析をビジネスに活かすには?
「定量分析って聞いたことあるけど、実際どんなふうに活かしたらいいのかわからない…」
と思っている方に向けた記事です。
定量分析は、なにかしらの方法で測定した数字をもとに分析をします。定量分析を使うことで、ビジネスの状況を全体的につかむことが可能です。
とはいえ、具体的にどうすれば定量分析が売上アップにつながるのかはイメージしにくいですよね。
そこで、この記事では
- 定量分析の概要、具体例
- 定性分析の概要、具体例
- 定量分析をビジネスに活かすためには
の順に、ビジネスで定量分析を使う方法をお伝えします。
難しそうだと思っているかたもいるかもしれませんが、今あるデータだけでも十分に定量分析はできるはずです。
まずはこの記事で、定量分析をビジネスに活かす方法をざっくり知っていきましょう!
そもそも定量分析とは
定量分析とはカンタンに言うと、「数字を元にしたデータで考える分析」です。 具体的には、
- アンケートの回答
- Webサイトのページビュー
- Webサイトのセッション数
のように、数字としてハッキリと結果が見えるものを指します。
定量分析をするためには、一定よりたくさんのサンプル数を集めることが必要です。少ないサンプルを使って分析をしてしまうと、本来とは違った結果になってしまい、その結果間違った判断をしてしまいます。
定量分析において、たくさんのサンプルを集めて丁寧に分析することができれば、その結果は誰が見ても同じように考えることができます。
また、ビジネス全体の状況をまんべんなくキャッチすることができるのもメリット。
ビジネスにおいて、ハッキリと明確な判断をするためにも、定量分析は覚えておきたい考え方です。
以下では、より具体的に定量分析の手法をご紹介します!
定量分析の具体的な手法
定量分析をするために必要な手法は、Webサイトとリアル店舗に分けて考えると
[Webサイト]
- アクセス解析をする
- A/Bテストをする
- 選択式のアンケートを用意する
[リアル店舗]
- POSデータの分析をする
- 商品のモニタリング調査をする
- 選択式のアンケートを用意する
などがあります。
「アクセス解析なんてしたことない…」
「POSデータってどうやって分析すればいいの…」
と思うかたもいるかもしれませんが、定量分析に必要なデータをカンタンに集めて分析できるツールはたくさんあるので、特に問題はありません。
ここでは、まずどんな手法があるのかだけ覚えておいてくださいね。
続いては、定量分析と比べられることが多い、定性分析の考え方を見ていきます!
定性分析とは
定量分析と並べて考えられることが多いのが「定性分析」という考え方です。
「定量分析と定性分析っていうものがあるらしいけど、どこがどんなふうに違うのかはわからない…」
と思っているかたもいるかと思います。
シンプルに説明してしまえば、定量分析と定性分析の違いは、
- 定量分析:”量”で表すことができるデータ分析
- 定性分析:”質”で表すことができるデータ分析
です。
定性分析では、いまある状態に対して「なぜその状態なのか?」「その状態をもっと具体的に考えることはできないのか?」など、1つのことをより深く考えていきます。
例えば、お客さまにインタビューして、製品を利用するシチュエーションや利用時の気持ちなどを詳しく聞くことは、定性分析の方法です。
そのため、定量分析のように全体の状態を数値にして考えたり、またどのような割合なのかを数字で出したりすることは向いていません。
次は、定性分析の具体的な手法を見ていきますね。
定性分析の具体的な手法
定性分析の手法は、以下の通りです。こちらもWebサイトとリアル店舗で分けています。
[Webサイト]
- サイトの公開前にユーザーを集めて使ってもらう
- ヒートマップ分析をする
- DMP(ネット上にあるユーザーデータ)を利用して分析する
[リアル店舗]
- お客さまにインタビューする
- 自由回答式のアンケートをする
- SNS上でユーザーの意見を拾う(ソーシャルリスニング)
このように、定性分析は数字にできない情報を集めて分析する方法です。例えば、
- 「なぜ自社の商品を買おうと思ったのか」
- 「自社のサービスにはどれくらい満足しているのか」
- 「どうして自社の商品ではなく他社のものを買ったのか」
など、数値として出すことができないものの、売上アップには欠かせないデータを集めることが可能です。
数字を使って全体の状況をつかむことは難しいですが、その分お客さまが商品を利用するリアルなシチュエーションや利用時の気持ちなどを知ることができます。
このように考えると、定量分析と定性分析は
- 定量分析:お客さま全体がどのような動きをしているかを分析するための方法
- 定性分析:よりお客さまの立場に寄り添って考え、顧客目線で考えるための分析方法
と分けることができますね。
「結局、定量分析と定性分析はどちらの方がいいの?」
と思うかもしれませんが、定量分析と定性分析はそもそもの方法や分析できる情報が違うので、比べることはできません。むしろ、定量分析をビジネスで活かすためには定性分析による情報が必要で、逆に定性分析をビジネスで活用するには定量分析がなくてはなりません。
定量分析によるビジネス展開で、さらなる売上アップへ!
定量分析と定性分析の大まかな概要を紹介しました。
話をまとめると、定量分析にはこのような特徴がありました。
【定量分析】
- ”量”で表すことができるデータ分析
- 全体を広く・浅く分析するのが得意
- 理由を深く考えるのは苦手
定量分析の具体例では、以下のようにご紹介しましたね。
[Webサイト]
- アクセス解析をする
- A/Bテストをする
- 選択式のアンケートを用意する
[リアル店舗]
- POSデータの分析をする
- 商品のモニタリング調査をする
- 選択式のアンケートを用意する
また、定量分析と比べられることが多い考え方として、定性分析についてもおつたえしました。
定性分析の特徴は以下の通りです。
【定性分析】
- ”質”で表すことができるデータ分析
- 一つの物事を深く掘り下げるのが得意
- 数字を使って全体の状況を表すのは苦手
そして定性分析の具体的な手法は、
[Webサイト]
- サイトの公開前にユーザーを集めて使ってもらう
- ヒートマップ分析をする
- DMP(ネット上にあるユーザーデータ)を利用して分析する
[リアル店舗]
- お客さまにインタビューする
- 自由回答式のアンケートをする
- SNS上でユーザーの意見を拾う(ソーシャルリスニング)
でしたね。定量分析と定性分析は、言葉が似ているものの、その考え方は全く違います。
ここまで読んでみて、
「定量分析がいいのか、定性分析がいいのか、迷っている…」
という方もいるかもしれませんが、定量分析と定性分析は全く違った性質を持っているので、むしろその両方を組み合わせることで効果を最大限に引き出すことができるのです。
例えば、定量分析でお客さまにはどんなニーズがあるのかを大まかにつかみ、定性分析でそのニーズをさらに深掘りすることで、チームメンバーや上司の方などに納得してもらうという組みあわせができます。
ビジネスにおいては、定量分析で出た数値のデータが多用されることが多いです。というのも、定量分析によるデータはハッキリとした数字として結果が出ています。そのため、ビジネスの判断をカンタンにできたり、その後の効果もシンプルに測定できたりするのです。
しかしながら、数値だけで売上がアップするほど、ビジネスはたやすくありません。
例えば、コンサートでも
- チケットをどれだけ売り上げたか
- どの位置の座席がどれくらい埋まっているのか
- 売れたチケットの枚数に対して、埋まっている席数はどれくらいか
などの定量的な分析をするだけでなく、アンケートを用いて
- ファンはどのようなグッズが好きなのか
- コンサートのどの場面が一番盛り上がったのか
- 初めてコンサートに来た人はファンになったのか
など、定性的な分析がされています。
つまるところ、定量分析と定性分析を組みあわせて考えることで、ビジネスはさらに加速していくのです。
まずは今あるデータでどんな分析ができるのかから考えていくことをオススメします。
PR:最適なMAツール、DMPツールの選定から効率的な運用までをトータルで支援いたします
この記事を書いた人
黒田剛司
大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。