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店舗マネジメントで人手不足とDX推進の課題を乗り越えるには

店舗マネジメントの重要性は、コロナ禍を経て変容した今、また見直されています。

止まることを知らない物価高の影響や、オンラインショッピングやシェアリングサービスの利便性が向上したことにより、特に「店舗で購入する」ことへのハードルは高くなっています。

こうした現状の打開のために、店舗は「モノを売る」ことだけにフォーカスするのではなく、そこでしか体験できない購買体験やサービスを提供する場になることが必要です。

店舗は何度めかの再構築を求められており、時代に合わせた店舗を構築するためのマネジメントが必要になっています。

本稿では、人手不足や物流問題といった課題を取り上げつつ、DX推進と人材育成のバランスにフォーカスした内容を実例を交えて掘り下げ、現代の店舗マネジメントについてまとめています。

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店舗マネジメントについて改めて考える

店舗運営に必要な業務の総括を意味する「店舗マネジメント」は、慢性的な人手不足や、2024年問題、DX推進の機運によってますます重要になっています。店舗を円滑に運営するだけでなく、効率化による売上UPと利益最大化の両方を達成するために不可欠な要素と言えるでしょう。

店舗マネジメントは、どのような視点を持つかというスタートラインをまず明確にしなければなりません。

そして、本部と店舗間でどのような連携をするのがベストか、複数店舗がある場合には全店舗がどの程度情報共有できる状態を目指すのか、といった達成すべきゴール(目標)をしっかりと描くことが必要になります。

店舗マネジメントには経営視点は不要?

店舗マネジメントと、店舗経営は似ているようでその目的が異なります。

店舗経営は、収益化できる仕組みを構築することで、具体的なTo Doとしては、事業計画書の作成や資金調達、出店前の市場調査や競合店のチェック、店舗のコンセプトづくりなどが挙げられます。

一方、店舗マネジメントは日々運営していく上で発生する業務を総括することが目的です。そのため、To Doリストを作成するならば、売上・在庫・仕入れの管理、従業員の管理や、店舗を持続させる上での施策を検討することなどが挙げられます。

日々お店を続けるためには、開店・閉店準備はもちろんのこと、人員のシフト調整や日報・月報の作成も行わなければなりません。

このように、店舗で発生する業務は膨大です。そのため、業務をどれだけ効率化できるかが店舗マネジメントの第一歩となるでしょう。

まずは、店舗で日常的に発生する業務を洗い出し、タスク量を把握する必要があります。

その上で、どのタスクを削減したりデジタル化できるかを見極めて、できるだけ業務の工数を減らす工夫をしていきます。

業務効率化を図る上で避けて通れないのが、人手不足や物流問題といった課題解決です。

人手不足や物流問題。課題をどう解決するか

店舗で働く人員を確保する方法は、本部採用、店舗採用の2つに大別されます。

一般的には、本部採用の人材はバックオフィス業務や、販促やマーケティングといった店舗の方向性を決定づける運営戦略の根幹に携わり、店舗採用は主に販売員として働くというイメージがあるかもしれません。

店舗採用の雇用形態は正社員、パート、アルバイトとさまざまで、店舗の未来を責任を担うのは難しいと考えられていたためです。

しかし、このイメージを覆す配置を実験的に行っている企業も出てきました。

全国に店舗をもつ総合ディスカウント店は、試験的に一つの店舗を「ほぼすべてパート・アルバイト」で運営しています。

この店舗の正社員は、別の店舗を兼任する店長一人です。店舗自体は100人近くの従業員で運営されていますが、正社員数は実質的に0.5人で、売り場作りや発注計画、売り場の目標数値などの管理業務も、ほぼパート・アルバイトの従業員が担っています。

多店舗展開する場合、限られた数の正社員をどのように配置するかは、本部にとって頭の痛い問題です。

しかし、優秀なパート・アルバイトの従業員に業務を任せることで、正社員は働きやすくなり、従業員は仕事にやりがいをもてる、時給が上がるといったメリットを得ることができます。

一方で、社員に活躍してもらい外部の人員を置かないことで成功している企業もあります。

大手家電専門店では、同業他社では当たり前のメーカー販売員を売り場に置いていません。

自社の販売員のみが接客を担当する、コンサルティングセールスを展開しています。接客マニュアルやノルマはなく、すべての従業員が自分なりのノウハウやスキルをもって接客にあたっています。

これらの手法は、いずれも働く人同士が連携を強め、当事者意識をもって働ける、店舗がコミュニケーションの活発な環境になるという利点があります。

物流の課題も、各企業が限られた人材を活かす施策を講じているのと同様に、限定的なリソースをどのようにフル活用するかが重要になります。

物流は2024年問題が顕在化していますが、人でカバーしきれない部分についてはAIを使って効率の良い配送スケジュールを組む、需要予測でムダのない物品管理をするという方法も有効です。

後述するAI技術についても、上手に活用できれば物流業界だけでも年間200万人以上の人時を創出できるという説もあります。

使用した画像はShutterstock.comの許可を得ています

テクノロジー活用と人材育成のバランス

DX化を推進して、店舗運営の効率化を達成するには、テクノロジーの活用と人材育成のバランスが重要になります。

どちらか一方に対策が偏りすぎると上手くいきません。

具体的には、アプリやAIのようなデジタルツールは場面に応じて導入しつつ、店舗の要とも言える人材育成や組織の育成についてもしっかりと注力していくということです。

店舗は、消費者が買い物をする場所で、良質な顧客体験を提供することこそが店舗の目的であり、最終的な目標になります。

その店舗でしか提供できない顧客体験は、消費者を店舗のファンに育成し、長期的な購買をしてもらうためにも重要です。

よりよい顧客体験の提供を、デジタルの力と人の力、両方で達成していくべきです。

店舗アプリの導入は有効、コスト面には課題も

店舗アプリの導入は、集客やリピート促進において有効な施策です。

ある調査では、特にコロナ禍の安定した店舗運営において、アプリが役だったという声が聞かれます。

アプリは、顧客情報を管理しやすくなるだけでなく、顧客の属性に合わせたクーポンの配布もしやすく、最新の店舗状況を一斉に配信できるなどのメリットがあります。

モバイルオーダーによって来店予測が立てやすくなり、顧客の待ち時間短縮や、オペレーション人数の削減、フードロスの削減を達成した飲食店も少なくありません。

また、顧客からの問い合わせもしやすくなったことから、問い合わせによる顧客ニーズの把握がしやすくなったという意見もあります。

一方で、アプリの導入に際しては、従業員への研修を行うコストがかかったり、日々のメンテナンスや更新という新たな業務が発生したりと、費用と時間の両方で新たなコストが発生するという課題も生じています。

SNSや店舗アプリの活用は、今後も有効な施策であり続けると思われますが、やみくもに導入するのではなく「どのようなシーンでアプリを活用するか」、「アプリにどのような目的をもたせるか」という点を充分に検討してから利用する必要があるかもしれません。

組織をどのように作り上げるか

正社員、パート・アルバイトなど立場の異なる人が従業員として働くことが多い店舗にとって、組織マネジメントは重要です。

従業員同士が属性を超えて円滑なコミュニケーションをとらないと、現場での連携が悪くなり、業務に支障が出るケースもあります。

そして、もっとも重視すべき連携として、本部と店舗のスピーディな情報共有が挙げられます。

現場で起こっていることや共有されていることを、いかに本部とシームレスに連携するかどうかが、即応性のある運営のカギを握っています。

店舗の従業員同士で連携を強めてもらうには、全員が安心して同じ方向を向けるような施策が必要です。

例えば、働き方が違っても互いにフィードバックをしあえるようなシステムを作ったり、管理職が対話や適切な評価ができるような仕組みを整える必要があります。

また、「どうせアルバイトだから」、「パートの身で発言しても採用してもらえない」というような風潮が一旦蔓延してしまうと、トラブル解決が遅くなり、業務の効率化を達成することは難しくなります。

店舗で働く人全員がモチベーションをもち、責任と自信をもって働ける現場づくりが求められます。

店舗と本部の連携については、本部と店舗の間で同じ「軸」を共有することがスタートラインとなります。

この軸の認識がずれていると、互いがどれだけ尽力しても目指す方向が異なっているために円滑なコミュニケーションをとりにくくなってしまいます。

「この企業は、会社として何を目指しているのか」、「今は全体として何をすべきフェーズなのか」を明確な言葉で共有することで、進むべき方向を共有できるはずです。

AI導入が店舗運営を変える可能性

AIも、店舗の運営に大きく貢献する可能性をもっています。

例えば、AIカメラやAIマイクは、来店する顧客の人数や属性、エリア別の行動や滞在時間を把握することが可能になります。

また、接客や会話データを取得することで、従業員を適切に評価し、顧客の潜在的なニーズをリサーチできるようになります。

さらに、生成AIを活用する取り組みも活発化し始めています。

一つは、ChatGPTのような生成AIを管理職のように用いるものです。

これは、調べるだけで時間がかかるマニュアルの確認を、そのままチャットに質問形式で入力して回答を得るシステムで、従業員は上司に確認したり自分で調べたりしなくても、業務に必要な知識を得ることができます。

インバウンド対策として、多言語接客をAIに任せるシステムもあります。現在は英語、中国語に対応しているシステムが一般的ですが、今後さらに対応可能な言語は増えていくと予測されています。

課題がある時こそ、未来への活路を見出せる

コロナ禍や物価高騰の影響で、消費者は店舗での購買に消極的になりつつあります。

その中で、店舗は単に商品を売る場ではなく、独自の体験やサービスを提供する場として再構築が求められています。

人手不足や物流問題、モノ消費ばなれと課題はたくさんありますが、AIやアプリのようなデジタルツールの活用と、正社員、アルバイト・パートの枠を越えた人材育成を合わせることで、売上を伸ばし業務効率化を達成することは可能です。

時代に適応した店舗マネジメントが、今求められています。

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