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無人店舗の夜明け:新技術で大きく変わるセルフサービスの範囲

  • 完全無人の新セルフサービスと、有人店舗における従来までのセルフサービスでは、入店方法や支払い方法さえことなる
  • Amazon Goだけでなく、米国と中国を中心にさまざまな無人店舗の運営がスタートしている
  • 今後のセルフサービスにはロボットやARといった新技術の導入が不可欠である
  • 人との交流そのものがセールスポイントである喫茶店や個人商店は、今後も有人での経営が求められる

現代のセルフサービス

未来的セルフサービス

自動運転の車、世界中どこにいてもつながる電話、会話ができるロボット……幼い頃に思い描いた「未来」がどんどん現実になっている今、店舗運営にも新しい形態が生まれています。
以前のセルフサービスといえば、ブッフェの取り分けやお茶のおかわりなど、消費者の「手動」によるものがほとんどでした。
しかし昨今のセルフサービスは、まったく新しい形にシフトしつつあります。Amazon Goに代表される、ノンオペレーション型無人店舗がその旗頭です。

ノンオペレーション型無人店舗の登場

米国のアマゾンは2016年の末、試験的に社員専用の無人店舗「Amazon Go」をオープンさせました。
完全無人型の店舗で、レジに並ぶこともその場で支払いをすることもないという驚きの新形態。このシステムを可能にしているのは、アマゾンが「ただ歩き去るだけ(Just Walk Out)」と名づけたシステムです。この技術については詳しく明かされていませんが、自動運転車に利用されているテクノロジーと同様のコンピュータービジョン、センサーフュージョン、ディープラーニングを利用しているとのこと。

Amazon Goの利用者は、駅の自動改札に似た機械にスマホをタッチさせ、入店します。これにより、誰が入店したのかをチェック、さらに店内に設置されている(と想定される)カメラやマイクで購入した商品を履歴にし、退店するとスマホにレシートが表示されるといいます。IDを登録したスマホさえ持っていれば、欲しい商品を手にとって店を出るだけ、というスムーズさは、驚きの一言。
消費者それぞれの購入履歴や行動パターンを深層学習(ディープラーニング)したデータによって、精度を向上させ、ミスをゼロに近づけるとされています。

参考:日本経済新聞「『レジない』スーパー アマゾン、自動運転技術で実現」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO16902070W7A520C1000000/

中国の無人コンビニ「BingoBox」、集合住宅に設置可能なミニ店舗「Bodega」など、いずれもAmazon Goと同様の運営方法を採る店舗が現在試験的に運用されています。
「BingoBox」では、多機能メッセージアプリWeChantや、モバイル決済のアリペイといった信用度が重視されるツールと紐付けし、セキュリティの強化をはかっているのが特徴です。

また、元Google社員が開発した「Bodega」は、居住区域の全員がシェアできる有料ストック棚のようなコンパクトさが特徴。横幅150cmほどの棚は、専用のアプリで解錠できるようになっていて、その場で現金のやりとりが必要ないところはAmazon Goと同じです。ミニマムな販売スペースの中身は、オフィスなら文房具と飲み物、ファミリー世帯が多い区域なら日用品といったように、消費者に合わせたラインナップにしているとのこと。小さなスペースを徹底的にその場にいる消費者に合わせることで、需要と供給を一致させるとしています。

livedoor NEWS「元Google社員が発案 完全キャッシュレスのまったく新しい『無人店舗』」
http://news.livedoor.com/article/detail/13933214/

有人店舗からセルフサービス店舗への移行

国内でも、およそ1週間という期間限定ながら、Amazon Goと同様の無人決済システムを導入するという試みがおこなわれました。
しかしこうした動きが国内で主流になるのは、まだ先のことになりそうです。国内でよく見られる動きは、有人店舗から一部の行程をセルフサービス化する傾向です。コンビニやスーパーマーケットといった店舗が設置し始めているセルフレジやセミセルフレジが、その代表格といえます。

店員がレジで通した商品情報を元に消費者が端末を操作するこの決済方法は、金銭授受にかかる時間を短縮することで、回転率を上げ、慢性的な人員不足を軽減させようという狙いがあります。
牛丼チェーンの「松屋」と「吉野家」は、券売機による食券の購入からドリンクの用意、食事トレイの受け取り及び返却までを利用者がおこなうセルフ式店舗をいくつかオープンさせています。

参考:東洋経済ONLINE「松屋と吉野家の『超絶進化』に見る牛丼の未来」
http://toyokeizai.net/articles/-/170427

こうしたチェーン展開のファーストフード店では、以前から従業員の確保が大きな課題となっています。深夜の営業に1人の従業員で対応せざるを得ない「すき家」のいわゆる「ワンオペ」も、ブラック労働の象徴として大きく取り上げられていました。
利用の一部をセルフ化することは、従業員の負担軽減とも直結しています。

未成年及び中高年には高いハードル

一方、セルフレジに慣れていない高齢者が混乱する場面もあり、こうしたセルフサービス型店舗も、浸透するにはまだいくつかのハードルを越えなければならない可能性もあります。
現段階では、完全無人化を実現するためにはクレジット決済や電子マネーでの支払いが欠かせない要素です。しかし、これも未成年にとっては利用しづらいという懸念があります。
スマホやIDカードによる出欠確認は、一部の私立校や塾などですでに実装されていますが、こうした機能を中高生が自由に買い物をするために使うのは、時期尚早とみなされるかもしれません。

有人店舗が消えるわけではない

個人経営の喫茶店では「店主と話すこと」を利用目的にする消費者も少なくありませんし、そもそも有人対応の店舗はサービスが付加価値となっていく可能性があります。
こうしたことから、今後無人店舗が主流になっていくとしても、有人店舗が国内から消えてしまうことはないと考えられます。

セルフサービスを可能にする新技術

VRやAR、AIが当たり前になる可能性

VR(バーチャルリアリティ)や、AR(拡張現実)は、Eコマースにおけるマーケティングにおいても重要視されている要素です。セルフサービス型の店舗においても、作業手順をVRで体験したり、音声認識システムなどと組み合わせた新しい購買体験が可能になるかもしれません。

AI(人工知能)のディープラーニングによって、より個々の消費者が快適に利用しやすい店舗作りが可能になるのではないかと予想されています。

参考:日本オラクル「2025年にはAI、音声認識、VRが当たり前に?」
http://www.oracle.com/jp/corporate/features/pr/hotel-operators-guests-want-more-technology-survey/index.html

無人型店舗において入店者のID特定が必須なことを考えると、むしろ、こうした新しい技術の助けを借りることなくして、完全セルフサービス型店舗は実現不可能という言い方もできるでしょう。

ロボットは雇用を奪わない

近未来でしばしば描かれるのが、「ロボットが人間の働くポジションを奪ってしまう」というシーンです。しかし、現実にはロボットが雇用を奪うことはないと考えられています。
理由は、働く場所の住み分けです。ロボットは、非常に重い荷物を持つ、危険な場所で作業するなど、生身の人間ではできないことを担当します。反対に、接客やさまざまなサービス提供は、ロボットよりも人間が従事する方が消費者に好感をもたれやすいとされています。
活躍するメリットがそれぞれことなるために、今後、ロボットがさらなる進化を遂げても人間の雇用を奪う事態にはならないと考えられます。

まとめ

完全無人型店舗の運営はまだ始まったばかり。しかし、セルフレジの導入や、セルフサービス型の飲食店は着実に増加を続けており、今後もさらに増えることが予想できます。
来る従業員不足を見すえ、柔軟な発想で店舗運営に取り組んでいくことが大切です。

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