大人気の「アウトレット」とは?意味やメリット・デメリットを解説
「アウトレットって最近よく聞くけど、意味はよくわかってない…」
という方に向けて記事を書きました。
アウトレットは普通の店舗では販売できない商品を売るショップで、店舗は在庫を出すことができて不良在庫を減らせます。
とはいえ、アウトレットの概念はわかりにくいですよね。
この記事では、
- そもそもアウトレットとは
- アウトレットのメリットとデメリット
- アウトレット特有の用語
の順に、アウトレットについて説明していきます。
アウトレットというと複雑な仕組みに思えますが、その概要はシンプルです。
まずはこの記事でざっくりとアウトレットについて知っていきましょう!
■無料メルマガ:デジタルシフトのヒントが届く■そもそもアウトレットとは
そもそもアウトレット(Outlet)とは、「出口、はけ口」を意味する言葉です。
アウトレットは、ざっくり分けると
- 工場から店舗へダイレクトに運んだ商品を売る「ファクトリー・アウトレット」
- 余った在庫や訳あり品を売る「リテール・アウトレット」
の2つです。はじめは工場で働く従業員が安く商品を買えるようにと、工場の中に小さなショップを出したのが始まりでした。一言で言えば、工場直販ですね。
今では、工場からそのまま店舗に送ることで流通コストを減らし、そのぶん値段が安くなることがファクトリー・アウトレットと呼ばれるようになりました。
在庫や訳ありの商品を売るアウトレットもあり、こちらは「リテール・アウトレット」と呼ばれています。
また、住宅の用語として使われることもあり、その場合はコンセントやテレビ、電話の配線とつなぐコネクターを意味します。
アウトレットの意味についてお伝えしました。次は、店舗もお客さまもオトクなアウトレットモールについて紹介しますね。
商品がオトクに買える「アウトレットモール」
- 三井不動産が運営する三井アウトレットパーク
- 三菱地所・サイモン株式会社が運営するプレミアム・アウトレット
- 西武グループが運営するプリンスショッピングプラザ
- 大和グループが運営するアウトレットモール
- イオンが運営するレイクタウンアウトレット
など、大手小売企業が運営するアウトレットモールの他、地域密着型のアウトレットモールを含めると全国各地で展開しています。
これらのアウトレットモールでは、先ほど説明した「リテール・アウトレット」と呼ばれる種類のアウトレット品が売っていて、
- 数シーズン前の商品
- クーリングオフの返品物
- 過剰な在庫の処分品
- 色落ち、ほつれなどがあるB級品
など、いわゆる訳あり品や棚崩れ品として売り場を離れた商品などが置かれています。
とはいえ商品に問題があるわけではありません。B級品といっても普通の商品とほとんど変わらないものが売られているので、お客さまは特に気にせず買いものできます。
扱っている商品は
- ファッション
- 家電
- IT製品
が多いです。ブランド品が安くなっているので、それを目当てにアウトレットモールを訪れるかたがほとんどですね。
アウトレットモールは文字通りショッピングモール形式で、さまざまなブランドやメーカーから出ているアウトレット品を一気に見ることができます。
また、レストランやスーパーマーケットなどが同じモール内にある場合が多く、休日のお出かけスポットとしても人気を集めています。
次は、アウトレットの具体的なメリット・デメリットを見ていきましょう!
【店舗側】アウトレットのメリット・デメリット
まずここからは、店舗にとってアウトレット品を販売するメリット・デメリットを紹介します。
アウトレットのメリット
店舗にとって、アウトレット品を販売するメリットは以下の通りです。
- 売れ残った在庫、B級品を売り切ることができる
- ふだん商品を買うお客さま以外にもブランドをアピールできる
- 安売りをするものの、ブランド価値を下げない
- 普通のショップではできない、大胆な実験ができる
在庫やB級品をムダにしないほかにも、ふだんはブランド品を買わないお客さまにアプローチできるメリットもあります。
また、通常の店舗ではできないような商品を置いて、お客さまの反応を見るような実験用のショップを置くことも可能です。
「訳あり」を理由に普通の店舗ではできないことができるのは、アウトレットに店舗を出すメリットですね。
次はアウトレットのデメリットを見ていきましょう!
アウトレットのデメリット
アウトレットのデメリットは
- モールの場合、出店料を取られる
という点です。工場からダイレクトに送る「ファクトリー・アウトレット」であれば出店料はいりませんが、そのぶん一般のお客さまへ売ることが難しくなります。
ゆえに、アウトレット品を一般向けに広く売るならば、アウトレットモールでテナントを借りることが必要です。
その場合、出店料を取られてしまうので、アウトレットを売るからといって赤字を出さないように考えなければなりません。
次は、アウトレットについてお客さま側のメリット・デメリットを見ていきましょう!
【お客さま側】アウトレットのメリット・デメリット
ここからは、お客さまがアウトレット品を買うメリット・デメリットについてご説明します。
お客さまがアウトレットにどのようなメリット・デメリットを感じているのか理解して、自店に活かしていきましょう!
お客さまにとって、アウトレットのメリットとは
お客さまにとって、アウトレットのメリットは
- いい商品を安く買うことができる
- ちょっと変わった商品を見つけることができる
の2点です。
普段ならなかなか手の出しにくいブランドでも、アウトレットなら安く販売されているのは大きなメリットですね。
また、アウトレット品で実験的な商品を出しているブランドであれば、ふだんの買いものでは出会えないデザインや機能の商品を見つけられるのもポイント。
お客さまはアウトレット品を「ふだんとは違った購買体験」を求めて購入するのでしょう。
続いては、お客さまが考えるアウトレットのデメリットも見ていきます。
お客さまにとって、アウトレットのデメリットとは
お客さまにとって、アウトレット品を利用することで
- ほしいサイズ・色がないこともある
- 一般的な洋服ブランドの場合、店舗セールのほうが安いことも
というデメリットを起こることが考えられます。
アウトレット品はあくまで余りものや規格をはみ出た商品なので、全てのサイズや色があるとは限りません。
また、一般的なアパレルブランドであれば、アウトレットモールでの割引よりも、季節ごとのセールのほうが安くなることがあります。
今ではアウトレット専用に作られた商品も多く、「アウトレット=オトク」とは限らないのも現状です。
アウトレットのメリットとデメリットを、店舗とお客さまそれぞれの視点からまとめました。
以下では、より詳しいアウトレットモールの用語をチェックしていきますね。
アウトレットモール用語をチェック
アウトレットには特有の用語があります。ここからは
- キャリー品
- B級品
- 型落ち品
- 廃番品
- サンプル品
- アウトレット専用商品
- リテールアウトレット
の順にアウトレットモールで使われる用語を解説します。
キャリー品
キャリー品は一般の店舗で、在庫が余ってしまった商品を意味します。
B級品
B級品は製造や輸送のときにキズがついてしまった商品を指します。とはいえ、かなりよく見ないとわからない商品も多いです。
型落ち品
型落ち品は1シーズン前の製品を意味します。家電など、入れ替わりが激しい商品が出ています。
廃番品
廃盤品はその名の通り、もう製造されなくなってしまったものを指します。製品の質がよくないわけではないので、思わぬ掘り出し物が見つかることも多いです。
サンプル品
サンプル品は、作った商品を実店舗で置く前に、試験的に販売してみるときの商品です。
アウトレット専用商品
アウトレット専用商品は、アウトレットモールなどにある店舗用に作られた商品を意味します。
正規の店舗で売っているものと別の工場ラインで作っていることもあり、質が大きく違う場合もあるそうです。
アウトレットを利用して、店舗の在庫をうまく処理
アウトレットについて、大まかな概要をお伝えしました。
うまくアウトレットを利用すれば、店舗の在庫を処分することができたり、新しい商品の実験に使うことができます。
一般の店舗だけではできないことをするためには、アウトレットを利用すると良いに違いありません。
この記事がアウトレットについて知りたいかたの参考になれば幸いです。
この記事を書いた人
黒田剛司
大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。