マニュアル化できる業務はすべてITシステムで実現可能
仕事でのコンピュータ利用は言うまでもなくもはや当たり前です。高度経済成長期にはオフィスの机の上にはノート、電卓、筆記用具、新聞が置いてありましたが、今は机スペースの大半をパソコンが陣取っています。仕事をこなす環境は大きく変わりました。
さらに仕事内容をより円滑に行うため、社内業務を効率化するために、業務用システムの導入も次々に行われ始めました。今は中小企業から大企業まで、たいていなんらかのITシステムを使っています。(無料、有料問わず)
- 業務のシステム化は、作業の効率化と人件費の抑制が実現できる。そしてミスも減る。
- システムには経理システム、販売管理システム、勤怠管理システムなどがある
- システムのタイプはフルスクラッチとパッケージがあり、それぞれ特徴がある
- システム販売の営業マンは技術的な知識が必要となる
- システム導入が決まれば末永いお付き合いができるが、一方で無茶を言われることもある
なぜシステム化が良い選択肢なのか
なぜ多くの企業はシステム化を進めるのでしょうか。それは当然メリットが大きいからに他なりません。
作業が効率化できる
ITシステムは使い方や注意事項がすべてシステム内で完結できます。ちゃんと設計すれば、システム内に使い方も記述できますので、周りに教えてもらう必要さえありません。ITシステムが存在しなかった時代、仕事のやり方は基本的に人から人へ口頭で伝わるものでしたが、しっかりと丁寧な仕様で構築されたITシステムであればそれを触るだけである程度使い方が分かります。
人件費の抑制
ITシステムは基本的に人が行っていた業務を代わりに担います。ということは今までその業務に従事していた社員は、ある意味で必要なくなります。
社員を一人雇用するのはいくら安く見積もっても300万円はかかりますし、そのコストは毎年毎年発生します。ですが、これをシステムに変更したらどうなるでしょう。
初期費用こそ発生しますが、仕様変更がないならば最初の初期費用だけで半永久的に使い続けることができます。当然、システム変更やアプリケーションサーバー、データベースサーバーなどのハードウェア入れ替え等は必要な時期もきますが、大方は新規作成時の費用です。確実に社員を一人雇用するよりも安くなります。
ミスが減る
人間はどれだけ仕事ができる人でも仕事でミスをします。しかしITシステムはプログラムにミス(バグ)がなければ基本的に100%正解です。さらにユーザーの入力内容が誤っていてもダイアログで警告文を出せるので、入力ミスが発生する可能性はかなり低いです。
このようにITシステムを導入すると人件費が抑制できるうえにミスも減ることになります。
マニュアル化できる仕事はシステム化できる
職人の感覚や専門の細かい技術など長年経験しないと身に付けられない仕事以外は基本的にシステム化できます。業界問わず代表的なシステムは以下の通りです。
経理システム
事業を行う上で、会計業務は必須になります。日々の帳簿から決算書作成まで企業にとって会計報告は義務化されていますが、なかなか仕訳や書類作成は知識も根気も必要な作業です。経理システムを使えば、完璧な経理知識がなくても何となく帳簿が作成できますし、最近ではチャットで無料相談をしてくれたり、コールセンターが対応してくれたりするシステムも存在します。
販売管理システム
企業は売上をあげなければ成り立ちません。そのため企業が存在し続けるためにも販売管理は必要不可欠です。
この販売管理システムは現状の売上や在庫状況の把握からどの商品が売れているかといったマーケティング分析まで行えます。日々の売上を入力するだけで今の課題や目標値が見えてきます。
勤怠管理システム
労務管理も、企業が大きくなるうえでは重要です。ある程度企業が成長してくると、労務面の整備が必要となってきます。
労務面は福利厚生に大きく影響するため、社員の満足度にも関わってきます。昨今はブラック企業が注目されたこともあり、労働環境に対する世間からの厳しい目もあるため、社員の満足度、世間へのアピールも含めて勤怠管理は重要な分野になっています。
勤怠管理は直接給与に反映することから、ミスが許されません。正確な労働に対して正確な支払いを行うためにITシステムを活用する企業は多いです。
販売されているシステムのタイプは2つある
販売するシステムはフルスクラッチとパッケージで大きく2分されます。目的とすべきシステム概要は似ていたとしても、使い勝手や拡張性は異なるため購入する側はしっかりと吟味したうえで契約の検討をしてください。
フルスクラッチ
フルスクラッチとは、ゼロの状態から企業に合ったシステムをカスタマイズ設計で構築することです。企業の要望をヒアリングして、基本設計、コーディング、テストまですべてを一から作るので、要望にぴったりのシステムが完成します。
また、仕様変更やシステム拡張にも対応しやすいといった面もあります。一方で工数がかかり、汎用性が低いためコストは高くなります。
パッケージ
パッケージとは企業別にシステム構築せず、どの企業でも平均的に利用できるように構築した汎用性の高いシステムです。
例えば経理システムにしても販売管理システムにしても、企業ごとに細かい違いはあっても大枠は同じです。そのため細かい仕様や拡張には不向きですが、フルスクラッチと比べるとコストは抑えめにすることができます。
販売する営業マンに求められる能力
システムを売るためには表面の情報やコミュニケーション能力だけでは足りません。システム販売の営業マンには専門的な知識が求められます。
システム構築のための技術的な知識
営業マンが相手にするのは様々で、情報システム部門など比較的知識を持ったお客様もいれば、全くIT知識のないお客様もいます。営業マンはどちらにも対応せねばなりません。
知識を持ったお客様はプログラム言語や用意すべきハードウェア、システム開発の流れなど細かい質問があるでしょうし、一方で知識に乏しいお客様は的はずれな質問が多いです。そのため営業マンは細かく技術的な話をするときもあれば、分かりやすく噛み砕いて話をするときもあります。相手のレベルに合わせて話さねばなりませんので、どちらにも対応できる技術的な知識が必要です。
総合的なシステムの知識
システム開発はソフトウェア的な知識だけでなく、ハードウェア的な知識も必要です。特にアプリケーションサーバーとデータベースサーバーの相性や企業様が使っている端末(ブラウザなど含めて)と相性が良いのかなども事前に把握しておく必要があります。システム販売の営業マンは広域な知識習得が求められます。
システムは一度使ってもらえれば末永いお付き合いができる
システムは一度導入したら根本的にずっと使い続けます。そのためシステムは一度使ってもらえれば、末永いお付き合いができます。
一方でお客様からすると長く使っているからこそ、ある程度融通を通すように求められる場面もしばしあります。
安定的な売り上げは担保できますが、無理な要望を受け続けてしまうと赤字にもなりかねませんので、販売者はその見極め、線引きをしっかりとしておくべきです。
一度引き受けてしまうとお客様はクセになって何でもやってくれると誤解してしまうので、安定した売り上げをなくすリスクを背負ってでも、お客様に伝えるべき時はしっかり伝えてください。