大丸松坂屋百貨店に導入!モバイルオーダー&ペイプラットフォーム「O:der」
- 「O:der」は株式会社Showcase Gigが提供するモバイルオーダー&ペイプラットフォーム
- 「O:der」の事前注文と事前決済で、キャッシュレス&待ち時間ゼロの商品提供が可能に
- 店舗は商品提供オペレーション最適化、消費者はスムーズな買い物というメリットがある
- 販売のオンライン化に向けたBOPISサービスへ向けた動向は、今後も強まっていく
待ち時間なし混雑なしを実現する「O:der」
「O:der」とは
「O:der Apps(オーダーアップス)」は株式会社Showcase Gigが提供するモバイルオーダー&ペイプラットフォームです。「O:der」は、スマートフォンのアプリを利用して、来店前に注文と決済をおこなうことができます。
これにより、店舗は商品提供オペレーションの最適化を実現でき、またエンドユーザーである消費者は、列に並んだり待たされたりすることなく商品を手にすることができます。
注文と受け取りをスムーズにする「お弁当WEB予約決済サービス」
株式会社大丸松坂屋百貨店はこのプラットフォームを使って、2018年6月26日より「お弁当WEB予約決済サービス」をスタートさせています。
「お弁当WEB予約決済サービス」は、大丸東京に出店しているなだ万厨房、ポールボキューズ・デリ、上海デリ、柿安ダイニングといった和洋中の店舗にスマホから事前注文&決済をおこなうことにより、待ち時間なく注文から最短2時間でお弁当を受け取ることができます。
現在、対象店舗は大丸東京店地下一階「ほっぺタウン」に出店しているうちの21店舗ですが、今後は対象の店舗を拡大していく予定とのことです。
「O:der」利用の流れ
「O:der」を活用した予約受け取りの手順は、次のとおりです。
- PCやスマホから「お弁当WEB予約決済サービス」にアクセスする
- 店舗と商品を選択し、受け取り日時を指定
- 注文初回のみ、クレジットカード情報を登録する
- 大丸東京地下一階「ほっぺタウン」の弁当ご予約承り所で注文品を受け取る
注文だけでなく、アプリに登録したクレジットカードで事前決済をもおこなうことで、専用カウンターのみで受け渡しが完結するようになっているのがポイントです。
導入の背景とBOPISサービスへの動き
このサービスは、東京駅周辺企業における弁当宅配ニーズの高まりや、東京駅利用者の増加といった理由から導入が検討されました。
大丸東京店の弁当は、月の販売数が30万食を記録しています。今回「O:der」を導入したのは、店舗業務を効率化して手際よく販売をおこない、顧客がさらに食品フロアを利用しやすくなるようにという目的のためと発表されています。
また、百貨店業態の全体的な動向が「BOPIS」サービスへシフトしているというのも、「O:der」導入の大きな理由のひとつです。
「BOPIS」とは米国で主にとられている購買方法で、「Buy Online, Pick up In-store」の略称です。つまり、配送コストの高いデリバリーを利用するのではなく、オンラインで注文して店舗で受け取るという購入方法をさします。
生活圏内に店舗がある場合は、宅配に頼らない方がスムーズに買い物をすることができるので、これは理にかなった方法といえるでしょう。
大丸松坂屋百貨店では、2018年5月から婦人靴のWEB試着予約サービスをスタートさせるなど、オンラインを購買の起点とする動きを活発化させています。
「O:der」の弁当受け取りサービスも、百貨店のオンライン化という大きな流れの一施策といえそうです。
モバイルオーダー&ペイプラットフォームの事例
米国では主流となりつつある事前注文は、なかなか日本に浸透せず遅れをとっているといわれた時期もありましたが、現在では大丸松坂屋百貨店だけでなく、さまざまな企業が導入を開始、運用しています。その一部を次に挙げました。
ほっともっとお弁当事前予約サービス「Netto Motto」
持ち帰り弁当のチェーン店であるほっともっとも、事前に予約と決済をすることで、希望の日時にお弁当を受け取ることができるサービス「Netto Motto」を提供しています。
また姉妹サービスとして企業や団体向けの「Netto Motto for Biz」も運用されています。これは、定期的にお弁当を注文する企業などに向けた専用のサービスです。配達か店舗受け取りかを選択可能で、不要な日のパスができるほか掛け売り可など大人数に特化した対応が特徴です。
三菱地所社内カフェ「SPARKLE」デリバリーシステム
三菱地所株式会社の本社にあるカフェ「SPARKLE」にも、「O:der」が使われています。
スマホアプリを使って、会議室などからドリンク注文ができるほか、カフェ側の注文管理システムにも「O:der」の技術を反映させ、スムーズな商品提供を可能にしています。
「O:der」とOESを併用する豚屋とん一
2017年から「O:der」を導入している「豚屋とん一」は、iPadによるOES(オーダーエントリーシステム)を併用することで、商品提供までの時間を大幅に短縮することに成功しています。
「豚屋とんー」は子育て世代が多く利用するモール型店舗のフードコートに多く出店しており、スマホ一つで注文、決済ができるこのシステムは、乳児や幼児を連れた家族から利用しやすいという声が上がっているようです。
事例からみるモバイルオーダー&ペイプラットフォームのメリット
大丸松坂屋百貨店およびそのほかの店舗の事例をみると、モバイルオーダー&ペイプラットフォームには次のようなメリットがあると考えられます。
デバイス一つで注文が完結
利用者にとってPC、タブレット、スマホなど身近なデバイス一つで予約注文と決済ができるのは大きなメリットといえます。
また、デバイスからなら焦らなくてもゆっくり時間をかけてメニューを選ぶことができ、なおかつ事前にクレジットカードなどで決済しておけば受け取りも簡単です。
キャッシュレス&待ち時間ゼロは、ユーザーが食事場所の選択肢を検討する際、大きなプラスになると考えられます。
注文管理がスムーズ
事前注文は、顧客が訪れるより前に注文を知ることができるので、店舗側にとって商品提供がしやすいというメリットがあります。また、受け取り時間は指定されるので、時間に合わせて出来立て熱々を提供するといったサービスも可能です。
モバイルオーダー&ペイプラットフォーム内で注文履歴の管理もおこなえば、売上予測や注文データの分析もかんたんです。
商品提供までの時間が短縮され売上アップ
事前注文と事前決済により、待ち時間ゼロ、キャッシュレスの商品提供が可能になると、一件あたりの商品提供時間は大幅に短縮されます。短縮した分だけ多くの注文を受けられることになり、売上アップも期待できます。
アプリでポイント併用などプロモーションもスムーズに
事前注文と事前決済ができるアプリを使えば、ポイント付与なども一括で管理できます。アプリの機能を使って事前注文のみに使えるクーポンを発行したり、特別なキャンペーンを案内したり、プロモーション利用もしやすいのがこうしたモバイルオーダー&ペイプラットフォームアプリの強みといえます。
まとめ
大手百貨店がモバイルオーダー&ペイプラットフォームを導入したことにより、販売におけるオンライン化は加速度的に進化することが考えられます。
大丸松坂屋百貨店は「O:der」のシステムに加盟する店舗を拡大させていく方針とのことなので、今後にも要注目です。