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目的や用途に合わせて出店するポップアップストアとは?

いつも通る場所にいつの間にか新しいお店が出来ていて驚いた経験はありませんか?そして気づいたらそのお店がなくなっていたということもあります。

このような店舗は「ポップアップストア」と呼ばれます。
今回はこのポップアップストアについて詳しく解説していきたいと思います。

ポップアップストアの意味とは?

ポップアップストアの“pop-up”という単語は「突然起こる、突然現れる」という意味を持っています。ポップアップストアはまさにそのままの意味で、『突然現れ、短期間でなくなる店舗』を指します。

ゲリラ的に店舗を構えることで、多くの人の関心を引くことができます。ポップアップストアは出店すること自体が広告という側面も持っています。

ポップアップストアを出店するメリット

ポップアップストアは出店すること自体が広告のため、最大のメリットは人の関心を集めることです。

他に、ポップアップストアのメリットとしては次のようなものが挙げられます。

  • 人件費、店舗賃貸料などのランニングコストを低く抑える
  • 出店したエリアでの消費者の反応を確認することができる
  • 反応が良い場合、固定店舗にすることも可能
  • ブランドや新商品の宣伝に用いることができる
  • 実店舗を持たないECサイトの期間限定実店舗として機能

ポップアップストアは短期間の出店が前提のため、失敗したとしても撤退が容易であり、成功すれば固定店舗として運営を持続させることもできるという「お試し店舗」のような側面があるのです。

ポップアップストアの失敗例

ポップアップストアは実験的な意味合いもあるため、大きな失敗はそうないでしょう。もし目標に到達しなかった場合、撤退も素早くできるのがポップアップストアのメリットでもあるからです。

何をもって失敗とするかは「何を目標にするか」によります。
ポップアップストアの目標の例として次のようなものが挙げられます。

目標1. オフライン→オンラインへの流入を増やす

ECサイト(オンライン)の期間限定実店舗としてポップアップストア(オフライン)を作る場合、「オフラインからの流入によるECサイトの売上向上」が最終目的であればポップアップストアで売上が上がらなくても失敗ではありません。
ECサイトで思った以上の売上が上がらなければ、ポップアップストアの取り組みは失敗であったという結果になります。

ECサイトでのポップアップストアの取り組みについては、ポップアップストアでネットからリアルへ~ECサイト事業者が実店舗でチャレンジする意義~もあわせてご覧ください。

目標2. 固定店舗のためにポップアップストアでテスト運営

ポップアップストアで反応をうかがって固定店舗の設置を判断するという目的でも用いることができます。
ポップアップストアで売上目標を設定し、それを超えたら出店を計画するという方法をとることも可能です。売上未達の場合、ポップアップストアは失敗です。

このように、ポップアップストアはあくまでも短期集中の目的を達成するものです。明確な目標がない場合、ポップアップストアは開くべきではないでしょう。

ポップアップストアの業界別戦略

ポップアップストアを成功させるためには戦略が必要です。
業界別の戦略プランを立てる際に以下の点を参考にしてみてください。

アパレル分野

アパレル分野ではシーズンや新商品発売に合わせた出店や、ECサイトで販売している商品の色や質を確認するためのショールームとして出店すると効果が出やすいでしょう。

近年では来店客が実店舗ですぐには購入せず、色々な店舗を回ったりネットで比較したあとにより安い価格でECサイトから商品を購入するという「ショールーミング」 も一般的になっています。

アパレルの場合、ポップアップストアはデパートなど多くの集客が見込めるスペースの一角に出店することによってブランドの認知を高めることができます。

飲食分野

飲食分野においては、イベントに便乗した出店や季節に合わせた商品を売り出すことで売上を上げることができます。

バレンタインやクリスマスなどのイベントに便乗して一気に売るという手法が効果を上げやすいでしょう。同時に多店舗展開をして売上を上げることも可能です。

アパレル・飲食以外の小売分野

小売分野においては、テレビやネットなどのメディアで話題の商品をポップアップストアで販売すると短期的な売上増大を見込むことができます。話題の商品は一過性のものであるため、メディアに露出しているときを狙って効果的なプロモーションを用いて売上につなげることが可能です。

商品のリブランディングや、コンセプトを周知するマーケティングの手段としてポップアップストアを活用してもよいでしょう。

商品を購入する購買層をきちんと把握した上で、購買層が集まりそうな場所にポップアップストアを出店することで効果を期待することができます。

ポップアップストアにかかる費用は?

ポップアップストアにかかる費用はどれくらいなのでしょうか。

ポップアップストアはどの程度の規模の店舗を作りたいかによって費用が変わってきます。
目安ですが、以下のサイトに東京エリアのポップアップストアスペースをレンタルする際の費用について具体的な費用が掲載されています。こちらはスペースのみの利用料金のため、店舗設置にかかる費用などは別途発生します。

参考:shopcounter, 1日1万円以下の物販向け格安レンタルスペースまとめ
https://shopcounter.jp/library/145

ポップアップストアは東京など大阪など中心地に多い

ポップアップストアが頻繁に出店されるのが、東京や大阪などの大都市です。集客を多く見込めることもありますが、ポップアップストアのための貸店舗も多くあることも魅力です。
以下では、ポップアップストアの事例についてミュウミュウとナイキの例を取り上げたいと思います。

販売する商品ごとにポップアップストアを出店:ミュウミュウの新フレグランスの事例

女性に人気のブランド・ミュウミュウは2018年2月10日(土)から2月20日(火)の期間限定で表参道Rスタジオにポップアップストアをオープンしました。7日に新発売されたフレグランス、「ミュウミュウ ロー ロゼ オードトワレ」の販促のための出店です。

またこれとは別にミュウミュウは2018年2月7日(水)~13日(火)の期間限定で東京・新宿にある伊勢丹の1F/2Fでポップアップストアを同時出店しました。この出店では春夏をテーマにした商品のマーケティングをおこないました。

参考:VOGUE, ミュウミュウが2つのポップアップストアを伊勢丹新宿店に同時オープン。
https://www.vogue.co.jp/fashion/news/2018-02/04/miumiu

ミュウミュウの事例は、売り出す商品に合わせてポップアップストア出店の使い分けをしていることが伺えます。

渋谷にオープンしたナイキのポップアップストアの事例

もうひとつ事例を上げると、靴やスポーツウェア販売をおこなっているナイキは2011年8月20日(土)~28日(日)までの9日間で「ALWAYS ON」のコンセプトのもとにポップアップストアを出店しました。

このポップアップストアはイタリアのサッカーチーム:FCインテル・ミラノで活躍する長友選手の背番号55にちなんで「STUDIO55」という名前が付けられました。STUDIO55でしか購入できない限定商品や、高いデザイン性とテクノロジーが融合したHYPERFUSE COLLECTIONの展示販売をおこないました。

ナイキの事例からは、明確なコンセプトのもとにポップアップストアが出店されていることがわかります。

まとめ

以上、ポップアップストアについての解説でした。

ポップアッップストアは様々な目的に合わせて低い予算で出店をすることが可能なため、マーケティング戦略の一環やイベントを狙った一時的な店舗など、目的に応じてポップアップストアを使い分けましょう。

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