経産省が「電子レシート」化へ向けた実証実験を町田市で実施
経済産業省は2018年2月13日より、電子化された買物レシート(電子レシート)の標準仕様を検証する実験を東京都町田市で行っています。
実験の目的は、様々な業態の店舗から電子レシートを発行してアプリケーションにつなげ、個人を起点とした購買履歴データ活用の環境整備を進めることです。
実験は、町田市のコンビニエンスストアやスーパーなど、27店舗で28日まで実施されます。
電子レシート普及にはユーザーの利便性が必要
この実証実験は、経産省とNEDOの「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業」の一環として、東芝テックが委託事業者として行うものです。
電子レシートは、これまで店頭で紙で受け取っていたレシートが、アプリケーションを介することでデータとして記録され、取得することができます。
電子レシートを受け取るには、まず会計の際にスマホにダウンロードしたアプリを立ち上げ、バーコード画面を表示します。そして、そのバーコードをお店側に読み取ってもらうことで、電子レシートが発行される仕組みです。
ユーザー側のメリットは、電子レシートが家計簿アプリの「マネーフォワード」や「レシーピ!」、経費精算の「ステイプル」と連携しており、複数の店舗で買ったものを一元管理できる点があげられます。
企業側のメリットは、ユーザーデータが取得できることにより、
- どんな属性の人物が
- どのような業種・業態の店をどの程度利用し
- どんな商品を購入しているか
を把握することができ、商品開発や品ぞろえの拡充に役立てることが可能です。
経産省は販売記録をビッグデータとして整備し、小売り事業者が新たな商品やサービスの開発につなげられるよう促したいと考えています。町田市で開かれた記者会見で、経産省の担当者は「購入情報は宝の山だ」と強調し、「レシートを電子化して分析することで、小売業に新たな革新を期待できる」と訴えました。
官民共同で進められるIoT技術を用いたサービスが根付くかは、ユーザーにとっての利便性がどこまで実現されているかが鍵となるでしょう。
参考:「電子レシート」化へ実証実験 経産省、小売業にデータ活用促す
http://kyoto-np.co.jp/economy/article/20180213000123