ソフトバンク・ヤフー・イオン3社がネット通販で提携へ
2018年2月、ソフトバンクと同社傘下のヤフー、イオンの3社が提携し、共同でネット通販事業を始める方向で検討していることが分かりました。
今回の提携はソフトバンクとヤフーが持つ顧客基盤やデータ分析のノウハウと、イオンが持つ豊富な品ぞろえや物流網を組み合わせて、競争力を高める狙いがあるものとみられます。
提携の詳細は検討中とのことですが、近く3社の首脳によって発表される見通しです。
米アマゾンへの危機感が業界再編を加速させる
2017年夏、通販大手の米アマゾン・ドット・コムが高級スーパー大手のホールフーズ・マーケットを買収したことを皮切りに、ネット企業と小売業の提携が加速しています。
日本では2017年11月にコンビニエンスストア最大手のセブン&アイ・ホールディングスが、ヤフー傘下のアスクルと生鮮宅配の新サービスを開始。2018年1月には、楽天がウォルマート傘下の西友とネットスーパーで提携することを表明しました。
今回提携するソフトバンクグループのヤフーは、個人や企業など約65万店が出店する「ヤフーショッピング」を運営しています。幅広い商品がある一方で、大手メーカーの定番商品の価格などについては、大量に仕入れて直販するアマゾンに遅れをとっている状態です。
イオンは食品や日用品、衣料など数百万品目を扱う自社グループの通販サイト「イオンドットコム」を運営していますが、グループ外の商品を広く販売するサイトは構築できていません。
一連の提携では、実店舗の消費行動や購買情報をITで把握し、店舗運営の効率化や需要予測に生かすなど、リアルとネットを融合することで互いの弱みを補完することが可能です。
日本の流通業界では、圧倒的な存在感を示す米アマゾンにいかに対抗していくかが共通の課題となっており、今回のIT及び流通グループによる提携は、それに対抗する新たな動きとして注目されています。
参考:対アマゾン 提携続々 イオン・ソフトバンク・ヤフーも 実店舗・ネット、弱み補完
https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=101&ng=DGKKZO26779310Z00C18A2EA6000