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APIエコノミーとは?基本情報と店舗で使える技術をご紹介

「もっと自社にIT技術を導入したいが、リソースが足りない」「人材不足に悩んでいる」とお悩みの方へ。

IT化が急速に進む中、多くの企業でITサービスが開発されています。そして開発したITサービスを他社サービスと連携させる、“APIエコノミー”という新しい概念が誕生しました。

企業を相互に助けるAPIの基本情報と、店舗で活用できるAPIの具体例をご紹介します。

【目次】

APIエコノミーは新しい経済圏

APIとは

APIとは「Application Programming Interface」の頭文字をとった言葉です。意味としては、元々違うソフト同士をつなげることで、新しいサービスを作る技術のことを指します。

今までは自社で欲しいと思ったサービスは、外注したり社内で開発したりすることが普通でした。

しかし今では、異なる企業が開発した異なるソフトウェアを連携させることが可能です。そうすることで、新しい価値を作り出せるというのがAPIの考え方です。

具体例としては、ECサイトやWebサービスを利用する時、TwitterやGoogleといったアカウントによるログイン認証があります。ログイン認証システムにもAPIが活用されており、ユーザーの利便性に貢献しているのです。

APIの市場規模について

APIは大きな市場に成長しています。IBMの試算によると、APIの市場規模は2018年の時点で250兆円になると予測されていました。

参照:IBM公式サイト IBMがAPIエコノミーをナビゲートするマッチメイキングテクノロジーを発表
https://www-03.ibm.com/press/us/en/pressrelease/48026.wss

APIについては2010年代中頃から急速に市場を拡大しており、海外を中心に「APIエコノミー」という動きまで起こっているのです。

国内のAPI事情を見ると、金融業界のAPI公開が活発になっています。金融とテクノロジーを掛け合わせたFinTech(フィンテック)は銀行のアプリに始まり、証券や資産運用、クレジットカードやキャッシュレス決済など金融業界に大きな変化を及ぼしています。

金融業界がAPIを公開すると、金融サービスの立ち上げにかかるコスト削減が可能です。デジタルに抵抗が少ないミレニアル世代を中心に、これからも金融アプリの開発はさらに加速していくでしょう。

APIエコノミーとは

APIエコノミーとは、他の企業が公開したAPIを自社のサービスと連携させることで広がる経済圏のことをいいます。

さまざまなサービスを自社で1から開発するのは、時間もコストもかかるものです。専門性が高い技術であるほど開発者の確保も難しく、IT業界はエンジニア不足が問題になっています。

しかし他社で開発したAPIを利用できれば、開発にかかる時間やコストを大幅に減らすことができるのです。時間やコストを無理なく抑え、自社サービスの新しい価値を作ることができます。

APIを公開する企業側にもメリットがあります。他のサービスと連携することで自社サービスの利用者が増えます。APIエコノミー圏内に入ることで、自社のターゲットではなかったユーザーの獲得も期待できるのです。

APIエコノミーは、企業同士が強みを掛け合わせることで、ともに成長できます。今までにない取り組みであり、デジタル化をさらに加速させる現象といえるでしょう。

代表的な技術といえばGoogle Map

APIの代表例といえば、Google Mapが挙げられます。位置情報の精度やストリートビュー、店舗レビューといった機能性の高さから、地図アプリといえばGoogle Mapというユーザーも多くいます。

Google MapもAPIを公開しており、様々な企業・店舗が導入しています。店舗や企業の公式サイトでアクセスマップのページを見ると、今ではほとんどのサイトがGoogle Mapを埋め込んでいます。

以前は、自社でアクセスマップのイラストを作っているケースも多く見かけました。しかしわかりにくい場合も多く、使い慣れているGoogle Mapのほうが見やすいと感じるユーザーのほうが多いでしょう。

Google MapのAPIを埋め込めるのは、GoogleがAPIをインターネット上で公開しているためです。仕組みについては、次で詳しく紹介します。

APIの仕組みや方法について

APIの仕組みを、Google Mapを例に挙げて解説します。

Googleは、Google Cloud上にGoogle Maps Platformを公開しています。Google MapsのAPIを利用するためには、このページの情報が必要となります。

出典:https://cloud.google.com/maps-platform/?hl=ja

APIを使うためにはAPI専用のキーを取得するところからスタートします。Google Cloud Platform(https://cloud.google.com/)にアクセスして新規プロジェクトを立ち上げ、APIを有効にする設定を行います。
※取得にはGoogleアカウントが必要です。

上記の手順を踏めば、Google MapのAPIキーが取得できます。その後コーディングを行ってサイトに埋め込んでいくというのが、主な開発の流れです。

APIのメリットと課題

開発費用を大幅に抑えられる

APIのほとんどは無料で公開されています。つまり、GoogleやFacebookといった世界的なIT企業のサービスを、開発費をかけずに自社で活用できるのです。

認証システムもマップ情報も開発にコストがかかりますが、APIを活用すると開発に費用がかかりません。

もちろん自社サイトに組み込むためのコーディングといった作業は必要ですが、1から開発することと比べると費用を大きく抑えられます。

ECサイトなら会員登録が必要ですが、この部分もAPIを利用できます。SNSのログインAPIを連携させることで、セキュリティ性の高い機能を実装できるのです。

最新技術の導入でも手間とコストを抑えられる

ITやWebの技術進化はめざましく、次々と最新技術が登場しています。自社で最新技術を導入したWebマーケティングを行うためには、エンジニアがその技術について勉強しなくてはいけません。場合によっては、専門知識をもったエンジニアを新たに雇用する必要もあるでしょう。

日進月歩のインターネット業界において、常に最新技術を勉強することは簡単ではありません。最新技術を導入したくても、社内のリソースの調達が間に合わず実現しないケースも少なくありません。

しかしPIエコノミーなら、社内で知識や経験を積まなくても最新技術を利用できます。

API技術に不具合があっても自社で対応できない

APIのデメリットは、APIサービスが終わってしまう可能性がある点や、バグ(不具合)があった際自社で直せないという点があります。

他社の便利な技術を導入できるのはメリットが大きい反面、自社でコントロールできない部分が発生することになります。APIを導入した部分に不具合があれば、直るまで社内では対処できません。予告なく仕様が変更される可能性もあるでしょう。

また総務省の調べによると、日本に限らず世界中で課題とされているのがセキュリティの担保です。APIを公開することでなりすましやハッキングの脅威が増え、外部攻撃に遭うと危険視する見方も強くあります。

参照:総務省30年版白書 「API公開の効果と課題」
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd133120.html

APIの導入に当たっては、監視システムを強化するといったセキュリティ対策も併せて検討することをおすすめします。

API技術ならデジタルトランスフォーメーションに対応できる

デジタルトランスフォーメーションは国が推進する政策

変形や変換という意味を持つトランスフォーメーションとデジタルを合わせた、デジタルトランスフォーメーション。国が政策を進めているデジタル施策の1つです。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の概要は、以下のようにまとめられています。

企業は、既存のビジネスから脱却して、新しいデジタル技術を活用することによって、新たな価値を生み出していくことが求められている。
引用元:経済産業省資料 デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/digital_transformation/pdf/001_haifu.pdf

国としてはもっと先進的なIT技術を取り入れ、新しい価値を生み出したいと思っています。しかし日本ではデジタルトランスフォーメーションを進めるにあたっての課題があり、なかなか技術革新が進んでいません。

そこで活用できるのがAPIです。APIエコノミーで企業同士が協力しあうことで技術革新を進めれば、新しいビジネスモデルの確立が狙えます。

現在ITシステムに関わる費用の80%は“現状維持”に使われている

日本でも急速にIT化が進んでいて、どの企業もシステム化に多くの資金を投じていると思われています。しかし国の調べによると、IT関連に使う費用の80%は現行システムの維持管理に使われているという結果が出ました。

維持管理とは、老朽化したシステムの一部を入れ替えるといった短期的なシステム改修の事です。現状維持に8割もの費用を使うと、長期的な観点では運用費が高くなってしまいます。

その結果、デジタルトランスフォーメーションが進まず、先進的なIT革命ができていないのです。

古いシステムの維持費が高くなることを、国の資料では「技術的負債」と呼んでいます。この古いシステムこそが企業の“足かせ”となり、デジタルトランスフォーメーション推進の妨げになっています。

そして無視できないのがIT技術を持った人材が不足している点です。現在第一線で活動している技術者の高齢化もあり、IT業界は人材部門でも課題が残ります。

自社でも同じ現象が起きているなら、APIも取り入れたシステムの変革を検討するとよいでしょう。

APIエコノミーをデジタルトランスフォーメーションに活用する方法

早急にデジタルトランスフォーメーションを進めたい企業にこそ、APIエコノミーの活用がおすすめです。

API活用事例:タクシー配車サービス「Uber」

APIの活用事例として、アメリカのタクシー配車サービス「Uber」が有名です。日本ではデリバリーサービス「ウーバーイーツ」のほうが有名になっていますが、運営会社はアメリカのUberです。

Uberはタクシー業界に大きな変化を与えました。利用者はタクシーを探す必要がなくなり、車内での清算も必要ありません。アメリカでは類似サービスの普及で、地元のタクシー会社が倒産するほどの影響が出ています。

そこまで市場を動かしたUberも、APIエコノミーでデジタルトランスフォーメーションしています。Uberでは手配したタクシーの現在地を、地図上でリアルタイムに確認できます。この地図アプリには、Google MapのAPIを使っているのです。

出典:https://www.uber.com/jp/ja/

API活用事例:JR西日本ソリューションズ「Pepper」

国内でもAPIによるデジタルトランスフォーメーションの事例があります。JR西日本ソリューションズでは、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」を導入しました。

整理券やお土産、観光地の案内をPepperが行うことで、駅員の負担軽減につなげています。APIを活用することで、列車のリアルタイムの運行状況も実装。今ではPepperが最新の運行状況を案内するまでに活用されています。

参照:IBM公式サイト API導入事例「株式会社JR西日本ITソリューションズ」
https://www.ibm.com/jp-ja/case-studies/j-wits

まずは上記のようなAPIの導入事例を知ることが第一歩です。公開済のAPIについて知識を集めることで、自社のサービスと連携できるAPIが見つかるかもしれません。

店舗運営で活用できるAPI技術

ECサイトで活用できるAPI

すでに運営しているECサイトで活用できるAPIといえば、決済技術があります。オンライン決済はECサイトで必須といえる機能ですが、国内では決済方法が乱立しており、すべてに対応するのは難しい状態です。

プログラミングの知識が必要ですが、公開されているAPIを使うとコストを抑えて決済方法を増やすことができます。お客様にとって決済方法が増えることは利点の1つとなり、ECサイトの価値を上げる1つの方法です。

APIによるオンライン決済のもう1つのメリットは、クレジットカード情報の管理までAPIを提供する企業が行ってくれる点です。導入も管理も工数を抑えられるため、APIの導入は効率的といえます。

オンライン決済のAPIは、以下の技術があります。

SB Payment Service

幅広い決済手段に対応しており、20種類を超えるオンライン決済が可能です。お客様側から見ると、Soft Bankが運営しているという安心感もあるでしょう。

お客様のクレジットカードが不正利用された場合は、ECサイト運営者はチャージバックで売上金を取り消される場合があります。SB Payment Serviceなら、チャージバックに対して年間10万円の無償保証が付いているので安心です。

参照:SB Payment Service API型
https://www.sbpayment.jp/service/connection/api_system/

PayPal API決済

アメリカ発祥のPayPalは、個人間での取引にも使えるなどのメリットで日本でも人気の決済方法です。相手のメールアドレスだけで支払い可能で、アクティブアカウントは世界中で1億を超えるともいわれています。

そんなPayPalは、エクスプレスチェックアウトという製品名でAPI決済サービスを提供しています。PayPalアカウントに紐づいたクレジットカード情報で決済が可能ですし、画面遷移が少なくカゴ落ち率が減少するというメリットもあります。

参照:PayPal API決済
https://www.paypal.com/jp/webapps/mpp/developer/api

実店舗で活用できるAPI技術

実店舗を構えている場合は、まずGoogle MapのAPIを導入するのがおすすめです。公式サイトに設置してあるアクセスページにGoogle MapのAPIを組み込めば、ユーザーの来店率が上がるかもしれません。

さいごに

APIエコノミーと、その中心にあるAPIについてご紹介しました。自社のリソースが足りず実装できないWebサービスがあるなら、他社のAPIを使ってデジタルトランスフォーメーションを行いましょう。

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