生産管理システムの概要から目的別おすすめシステムまでを徹底解説
「生産管理システムって聞いたことあるけど、実際なんのことを指しているんだろう…。できれば自社に合ったシステムも知りたい。」
と感じている企業の方。
生産管理とは、原料の仕入れや生産プロセスの管理、製品の質や数の管理などです。売上や利益に直結する業務で、製造業には欠かせません。
そしてこれらは生産管理システムを使うと、業務の効率化やコスト削減、さらには売上アップも期待できます。
とはいえ、いきなりシステムを導入するのはハードルが高いですよね。
そこで今回は、
- 生産管理の考え方や導入のメリット
- おすすめの生産管理システム19選
- -手間や時間がかからず、柔軟に対応できる生産管理システム
- -特定業種などに特化した生産管理システム
- -低価格で導入できる生産管理システム
- -精度が高く、細かい管理ができる生産管理システム
- -多言語に対応している生産管理システム
- システム導入の失敗を防ぐための注意点
- まとめ:生産管理システムを導入して、ムダなく売上アップを!
を紹介します。「どのシステムを選べばいいのかわからない」と感じるかもしれませんが、特徴をつかむだけなら難しくありません。
まずは生産管理について、ざっくりと理解しましょう!
そもそも生産管理の考え方とは
生産管理とは、製造業に重要な業務の1つです。
例えば、
- 生産計画
- 原材料や資材の調達
- 生産工程
- 在庫
- 品質
- 原価
- 納期
などを管理します。
生産管理の目的は、必要なものを必要な分だけ、必要なときに納品すること。そのためにも、システムを使って全体像をつかむことが欠かせません。
次は、生産管理システムのメリットや導入することによる効果を解説します。
生産管理システムのメリット、導入効果
生産管理システムを導入するメリットは、以下3つです。
- 在庫のズレや余りが解消され、検品の手間が少なくなる
- 在庫切れを防止でき、販売チャンスを逃さない
- 現金を確保でき、資金繰りが安定する
これにより、
- 収益性アップ
- コスト削減
- 売上アップ
などの効果が期待できます。生産管理システムによってムダを減らすことにより、利益に直結する活動に集中できるので、結果として企業の経営改善にもつながるのです。
続いては、おすすめの生産管理システムを紹介します。
目的別、生産管理システムのおすすめ19選
ここでは、以下の目的別に19個のシステムを紹介します。
- 手間や時間がかからない
- 特定業種などに特化
- 低価格
- 精度が高い
- 多言語に対応
手間や時間がかからず、柔軟に対応できる生産管理システム
まずは手間や時間のかからないシステムとして、
- Aladdin Office
- Factory-ONE 電脳工場MF
- NetSuite
- iDempiere
- AMMIC/NetP
- SPENCER
- rBOM
の7つを紹介します。
Aladdin Office(アラジンオフィス):5000社以上のあらゆる業種に対応
- 5000社以上の業種に対応
- 必要な機能だけ追加できる
- 専属チームによるサポート
という特徴の生産管理システムです。どんな業種でもカスタムして合わせることができます。
Factory-ONE 電脳工場MF:会計ソフトと連携できる
- 3つのサーバモジュールと4つの製品を用意
- EXPLANNER/Ai会計とのデータ連携
- データを自由に加工できる
という特徴の生産管理システムです。EXPLANNER/Ai会計をはじめとする会計ソフトと連携できるため、生産管理から財務管理までをシームレスに実現します。
NetSuite(ネットスイート):複数言語や通貨に対応し、海外展開に強い
NetSuiteは、
- 顧客管理やECなどの業務をまとめることが可能
- 複数言語や通貨、各国の税制に対応
- クラウド上の管理のため、海外からでも利用可能
という特徴を持つ生産管理システムです。
株式会社アシックスなど、海外に事業を展開している企業が導入しています。
iDempiere(アイデンピエレ):一部の機能のみ使用もでき、コスト削減に
- 機能を部分的に使用できる
- グループ企業にも導入可能
- ライセンス費用は無料
という特徴の生産管理システムです。
「在庫管理だけ」「品質管理だけ」など一部の機能のみの使用もできるため、導入コストが最低限で済みます。
AMMIC/NetP:複数の工場を1つのシステムで管理できる
- 複数工場の購買や製造などを1つのシステムで管理
- アラート機能で納期の遅れを防ぐ
- 業界ごとに必要な機能を搭載
という特徴の生産管理システムで、納期の遅れなどを防止できます。複数工場の管理をまとめてしたい企業様におすすめです。
SPENCER:エクセルのような操作感ですぐに慣れる
SPENCERは、
- エクセルと操作感が同じ
- 必要最低限の機能を組み合わせることができる
を特徴に持ちます。エクセルに似ていて導入がスムーズなため、社内で誰もが使えるようにしたい企業様におすすめです。
rBOM:企業に合わせたカスタマイズに対応
rBOMは、
- 業務コンサルティングのもとカスタマイズ
- すべての情報をリアルタイムで共有
が特徴の生産管理システムで、コンサルティングをもとにしたカスタマイズが可能です。また本稼働までサポートがあるため、安心してスタートできます。
特定業種などに特化した生産管理システム
続いては特定業種に特化した、
- ASPAC-生産管理
- FutureStage 製造業向け生産管理システム
- TECHS-S
- GoQSystem
- FlexProcess
- ERP mini
を紹介します。
ASPAC-生産管理:中堅・中小製造業向きのシステム
ASPAC-生産管理は、電子部品や機械部品、化粧品容器、部品加工業などに特化した生産管理システムです。
- 金属加工業や組立業、化学品製造などの中堅・中小製造業向き
- 製品在庫引当で納期遅れを防止
- 生産計画引当と組み合わせて過剰在庫を防ぐ
という特徴を持ち、中堅・中小企業の課題解決に必要なシステムが充実しています。
FutureStage 製造業向け生産管理システム:業種別のテンプレートを用意
FutureStage 製造業向け生産管理システムは、製造業に向いているシステムです。
自動車部品、金属加工製造業、一般機械製造業であればテンプレートが用意されているため、業態に合ったものを選ぶだけで使用できます。
TECHS-S:過去の類似例から原価を参照し、正確な見積もりが可能
TECHS-Sは、
- 個別受注型の機械業や装置業向け
- 類似例の原価を参照して、正確な見積りを算出
- 納期や進捗の管理も徹底
という特徴の生産管理システム。進捗管理も徹底できるため、納期に遅れが発生しにくいのも嬉しいポイントです。
GoQSystem:通販業務に特化し、繁忙期だけの利用も可能
- 通販業務に特化
- 最低3カ月の短期利用も可能
- 20日間の無料お試し期間あり
という特徴のシステムです。無料お試しや短期での利用もできるため、繁忙期のみ使うなどもできます。
FlexProcess:食品や化学、素材製造業の在庫を見える化
- 食品や化学、素材製造業向け
- 特に在庫、生産、原価管理が強み
- 在庫受払の記録や在庫検索でムダな在庫が発生しない
という特徴を持った在庫管理システムです。データの見える化に力を入れており、「見たいときに見たい情報を探す」ことができます。
ERP mini:中国での運用に特化したクラウド上で管理するシステム
ERP miniは、
- 中国での運用に特化
- 受注や発注、在庫管理システムなど単体での導入も可能
- サーバーの導入は必要なし
という特徴の生産管理システムです。。またクラウド上で動いておりインターネットさえあればどこからでも利用できるので、社外からシステムを参照したい企業様は導入を検討してみてください。
低価格で導入できる生産管理システム
続いては低価格で導入できるものとして、
- FutureStage
- Kit3
を紹介します。
FutureStage:クラウド型なら低コスト利用可能
- クラウド型なら月額8万4750円と低コスト
- 最短10日のみの利用もできる
- 製造業や卸売業、小売業に対応
を特徴に持つ生産管理システムです。クラウド型でも機能は導入型と変わりません。低コストですが、業務の効率アップなど、効果はてきめんです。
Kit3:軽減税率補助金が支給される可能性あり
Kit3は、
- 軽減税率の対象商品のため、最大で1000万円の補助金
- 操作がわかりやすく、短期間で慣れる
が特徴のシステムです。
軽減税率の対象とされており、申請が通れば最大で1000万円の補助が支給。大幅なコスト削減につながるので、生産管理システムの費用にボトルネックを感じている企業様におすすめです。
精度が高く、細かい管理ができる生産管理システム
続いては精度が高い、
- R-PiCS V4
- J WALD(ジェイ バルト)
を紹介します。
R-PiCS V4:ユーザーごとのメニューや機能画面のカスタマイズができる
- ユーザーごとにメニューや機能画面をカスタマイズできる
- 受注生産と計画生産を併用できるため、短納期の生産計画も可能
という特徴を持った生産管理システムです。
ホームページには生産管理に役立つコラムも掲載されているので、こちらもぜひチェックしてみてください。
J WALD(ジェイ バルト):AIやloTによる自動化でミスが少ない
- AIによる自動計算や最適化でミスが少ない
- loTによる実績データ収集などの自動化
- 細かい単位ごとの在庫確認や検索などが実現
という特徴の生産管理システムです。
AIによる自動計算や最適化に対応しているため、計算ミスなどがほとんどありません。作業のムダを省き、正確なデータをつかむことができます。
多言語に対応している生産管理システム
最後に多言語に対応しているシステムとして、
- Infor SyteLine
- Smart生産管理システム
を紹介します。
Infor SyteLine:20言語以上に対応し、全世界の6000拠点で導入
- 日本語や英語、中国語など20言語以上に対応
- 使用通貨にも制限なし
という特徴がある生産管理システムです。20言語以上に対応しているため、世界へ展開している企業様は導入を検討してみてください。
Smart生産管理システム:多言語から税率の切り替えまで対応
- 日本語、英語、中国語の3カ国語に対応
- 税種ごとの税率の切り替えも設定すれば可能
という特徴の生産管理システムです。ウェブ型のシステムのため、インターネットがあればどこでも利用できます。
ここまでおすすめのシステムを紹介しました。
最後に、生産管理システムの導入で失敗しないために、注意点をお伝えします。
【注意点】生産管理システム導入で失敗しないために
生産管理システムの導入に失敗しないために、注意点をまとめました。
社内ニーズを満たすシステムを選ぶ
生産管理システムを導入する前に、まずは自社が今かかえている問題点や課題点を洗い出しましょう。
在庫の管理ミスを減らしたいのか、人件費を削減したいのか、解決したいことによって選ぶべきシステムは大きく変わります。
導入の目的に合うシステムを
洗い出した課題を確実に解決できるシステムを選びましょう。
システム紹介でカテゴリーに分けた特徴を参考にしてみてください。また、詳しい情報はしっかりと提供元に問い合わせるのもおすすめです。
生産形態に合ったシステムを用意
生産形態に合ったシステムを用意しましょう。なぜなら自社に合わないシステムを使っても力をうまく発揮できず、結果として業務の効率化などの効果が薄くなってしまうからです。
まずは無料トライアルで試すと、自社に合うかどうかをしっかり判断できます。
クラウド型ではセキュリティに注意
クラウド型は費用が安く、かつどこからでもシステムにアクセスできるのがメリット。とはいえ、情報漏えいに注意が必要です。
クラウドに不安を感じる方は、自社でサーバーを用意するオンプレミス型のシステムがおすすめ。自社に合ったタイプのシステムを入れて、業務を効率アップしたいところです。
生産管理システムを導入して、ムダなく売上アップを!
ここまで、生産管理システムについて概要からおすすめシステムまで紹介しました。
おさらいすると生産管理とは、原料の仕入れや在庫管理、品質管理などをすることです。これらをシステムで管理することで、業務の効率化やコスト削減が期待できます。
そしておすすめシステムとして、以下の19個を紹介しました。
【手間や時間がかからない】
- Aladdin Office(アラジンオフィス)
- Factory-ONE 電脳工場MF
- NetSuite(ネットスイート)
- iDempiere(アイデンピエレ)
- AMMIC/NetP
- SPENCER
- rBOM
【特定業種などに特化】
- ASPAC-生産管理
- FutureStage 製造業向け生産管理システム
- TECHS-S
- GoQSystem
- FlexProcess
- ERP mini
【低価格】
- FutureStage
- Kit3
【精度が高い】
- R-PiCS V4
- J WALD(ジェイ バルト)
【多言語に対応】
- Infor SyteLine
- Smart生産管理システム
導入に失敗しないための注意点を参考にしつつ、自社に合ったシステムを選んでみてください。
この記事を書いた人
黒田剛司
大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。