いつでもどこでもポイントが使える!ポイント共通化事例8選
「500円ごとに1ポイント、貯まると割引券になります」、「来店ごとにポイントを付与し、数に応じて粗品をプレゼントします」などといったポイントカードには、再来店や単価アップを促進する効果があります。
しかし、店ごとに発行されるポイントカードが財布にたくさん詰まっている、そんな人も多いのではないでしょうか。
カードが乱立した状態は店舗側、消費者側に多くのデメリットが生じるため、ポイント共通化の動きが広まっています。
今回は、店舗が実施している「ポイント共通化」について多くの事例と共に紹介します。
- ポイントカードは顧客情報を管理できる便利なツール
- ポイント共通化には2つのタイプがある
- -ポイント共通化はオンラインと実店舗の相互利用ができるタイプ・事例
- -複数店舗での一本化タイプ・事例
- 共通化によって来店数アップ、消費者の利便性アップが期待できる
ポイントカードは顧客情報を管理できる便利なツール
そもそもポイントカードを発行する目的は、次の5つが挙げられます。
- カード登録によって顧客情報を得る
- ポイントを貯めるための再来店を促す
- 親近感をもたせることで顧客を囲い込む
- 競合店と差別化をはかる
- ポイント付与の金額を設定することで客単価アップをはかる
ポイントカードの情報をデジタルで管理すれば、購入履歴や使った金額といった情報をそのままマーケティングやプロモーションに活用することができるため、ほとんどの小売業がポイントカードを導入しています。
複数枚のポイントカードによるデメリット
しかし、それぞれの店舗が別々のカードを発行するとその数は膨大になり、消費者の財布の中である種の競争が発生します。財布がカードでいっぱいになってしまうのを防ぐため、消費者がカードの選別をおこなうからです。
よく買い物をするスーパーのポイントカードは作るけれど、たまにしか訪れないアパレルショップのカードやポイント還元率の低いカードは処分するなど、使用頻度の低いものや使い勝手の良くないものはそもそも所持してもらえません。
消費者からすれば、ポイントカードそれぞれの使用期限や貯まったポイント数を把握するのは大変なことです。そのため、不要なポイントカードは作らないという主義の人も少なくありません。
クレジットカードやポイントカードを減らすことで不要なお金を使わなくなる、という節約術もあり、分化したポイントカードは作成すること自体に消極的になる人が一定数いると考えなければなりません。
共通化によって店舗、消費者双方が便利に
乱立しているポイントカードを一本化し、さまざまな店舗でポイントを貯めて使えるようにしようという動きが、今回紹介するポイントの共通化です。消費者はカード1枚で色々な店舗を訪れて買い物をすることができ、店舗側もポイントカードで顧客情報を得る機会を損失せずにすみます。
どのように共通化されているか、実例をチェックしてみましょう。
ポイント共通化には2つのタイプがある
ポイント共通化には、以下の2タイプがあります。
- オンライン通販と実店舗の両方でポイントを活用できるタイプ
- 複数店舗あるいは事業会社が同じポイント制度の下で運用されているタイプ
オンライン通販と実店舗の両方でポイントを活用できるタイプの事例紹介
まずは、1つの事業によるオンラインと実店舗のポイント共通化を紹介します。
事例1:ビックカメラ
ビックカメラでは、「ポイント共通利用」手続きをとることでビックカメラの実店舗とネット通販、両方でポイントを貯めて使うことができます。なお、ビックカメラではコジマとソフマップのお客様カード、ポイントカードで貯めたポイントをビックカメラのポイントに交換することもできます。
またスマホでカードのバーコードを表示させ、カードなしに活用することも可能です。
事例2:ヨドバシカメラ
ヨドバシカメラも、ビックカメラと同様に実店舗とネット通販のポイント共通利用ができます。共通化することで、実店舗での購入履歴、配達修理状況の確認がネットでできるようになります。
また、ポイントカードアプリを使ったり、おサイフケータイ機能でポイントを使うことも可能です。
複数店舗あるいは事業会社が同じポイント制度の下で運用されているタイプの事例紹介
次に、複数店舗や事業が1つのポイントシステムを活用する事例について紹介します。
事例3:TSUTAYAのTカード
TSUTAYAのTカードは、Yahoo! JAPANとの連携によって豊富な提携先を確保したポイントカードです。クレジット機能や金融機能付き、キャラクター柄のカードなど数種類が発行されています。また、Tポイントアプリでポイントを貯めたり使ったりすることも可能です。
TSUTAYAや蔦屋書店だけでなく、ネットサービス各種やホテル、コンビニ、スーパー、ドラッグストア、ホームセンター、飲食店など、多くの店舗でポイントを貯めて利用することができます。
事例4:イオンのワオンポイントカード
WAON POINT(ワオン・ポイント)カードは、40万ヶ所の提携先でポイントを貯めて使えるポイントカードです。イオングループをはじめとして、ダイエー、カスミなどのスーパー、コンビニ、ドラッグストア、空港などでポイントを貯める、あるいは支払いにポイントを使うことができます。また、現金をチャージして電子マネーとして支払いに使うこともできます。
事例5:JR東日本のJRE POINT
JRE POINTは、カードの提示や登録したSuicaの利用、クレジット決済などでポイントを貯め、そのポイントを駅ビルでの買い物やSuicaのチャージに利用できるポイントカードです。ポイント共通化以前には、アトレ、グランデュオといった施設ごとにポイント制度があり、駅ビルだけで20種のカードが発行されていました。これらのカードを統合、共通化したことで消費者の利便性を高めるとともに、駅ビル利用の促進がなされるようになりました。アプリからもポイントの利用ができます。
事例6:楽天ポイント
楽天ポイントは、マクドナルドや出光、ミスタードーナツ、くら寿司、コンビニなどの利用でポイントを貯められるポイントカードです。貯めたポイントは、楽天グループで1ポイント1円として使うことができます。提携していてもポイントは貯めるのみで、支払いは不可という実店舗もあります。また、ポイント履歴をチェックするにはRakuten Point Clubへのログインが必要です。アプリでは、起動するとポイントが付与されるサービスを実施しています。
事例7:NTTドコモのdポイント
NTTドコモからは、ローソンやマクドナルド、イオンシネマ、AOKIなどでポイントを貯めて使えるdポイントカードが発行されています。「モバイルdポイントカード」というアプリもあり、登録すればバーコードを提示して利用できます。
このdポイントは、次に紹介するPontaカードのPontaポイントとも相互交換が可能です。さらに2018年5月から「dポイントクラブ」をリニューアルし、「ポイント共有グループ」サービスがスタートしました。これは、支払いが別々の家族や、ドコモ回線を使用していない家族ともdポイントを共有できるシステムです。
事例8:PontaカードのPontaポイント
株式会社ロイヤリティ・マーケティングのPontaカードでは、ケンタッキーフライドチキンやローソン、ゲオ、昭和シェル石油などの買い物でポイントを貯めることができます。
リクルートホールディングスと資本・業務提携を結んだことで、2016年から「リクルートポイント」とも交換できるようになりました。また、リクルートのポイントサービスであるHOT PEPPER Beautyを介してのサロン予約、じゃらんの旅行予約でもPontaポイントを利用できます。「Pontaカードアプリ」でもポイントを貯めて、使うことができます。
共通化によって来店数アップ、消費者の利便性アップが期待できる
事例で挙げた各ポイントカードは、提携先が重複しているところもあり、今後さらに統合を繰り返していく可能性もあります。顧客情報を管理しやすく、再来店を促進できる便利なツールとして、これらから共通化を視野に入れたポイントカード作りや、システム整備が必要になってくるのではないでしょうか。