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PB商品が増えている理由とは?PB商品の仕組みとメリット、NB商品との違いを解説

コンビニに置いてある商品を手に取ると、コンビニのロゴが入っているものがありますよね。また、大手スーパーや大手家電量販店にも独自のブランド商品が置いてあります。

これらの商品は、「プライベートブランド(英語:Private Brand, PB)」と呼ばれます。プライベートブランド商品(以下PB商品)は、小売店や卸業者が企画の段階から商品開発に参加し、独占的に商品を販売することができます。メーカーは表に出ない、OEM製品の場合もあります。

一方、PB商品以外の商品は「ナショナルブランド(英語:National Brand, NB)」と呼ばれます。ナショナルブランド商品(以下NB商品)は分かりやすく言うと、企業が様々な小売店に卸している通常の商品を指します。メーカー側が商品の企画~製造までを行っており、メーカーの企業ブランドが表に出ている商品です。

以下ではPB商品のしくみやメリット・デメリット、またNB商品について説明していきたいと思います。

目次

PB商品が増えている理由とは?PB商品の仕組みとメリット

コンビニに行くと棚に置いている商品のほとんどがPB商品ということもあるでしょう。最近は小売店とメーカーが共同で開発する商品も多く、クオリティにもなんら遜色のないPB商品が店頭に多く並んでいます。

なぜ小売店はPB商品を多く店頭に置くのでしょうか。
理由は3つあります。

1:PB商品はNB商品と比較して小売価格が低く抑えられる

商品を小売店で販売する場合、商品の小売価格には製造コスト以外にも広告費・物流費・人件費など細かく上げればキリがありませんが、これらのコストが上乗せされています。PB商品はこれらのコストを低く抑えることができます。

広告をせずとも商品のパッケージにロゴが印字されており、特別な広告を行う必要がないため広告費を低く抑えることができます。また製造元から直接商品を買い取ることができるため、中間業者を挟むことなく仕入れを行うことが可能。さらに、配送に関してもすでにある配送ネットワークを用いることで、配送にかかるコストも最小限に抑えることができます。

これらの理由で小売価格を抑えられることができ、また品質も高いとなればNB商品との価格競争に勝つことができます。

2:商品のブランディングが可能

PB商品は競合他社には商品を卸さないという選択ができます。PB商品の仕組みとは、商品開発の時点から小売店や卸売り業者が関わることにあります。PB商品の価値を高めることによって、ブランディングを行うことが可能です。

3:オリジナル商品の開発ができる

メーカーから商品を仕入れるということは、すでにある商品の中から選ばされている状態です。しかし、自社で売れそうなPB商品を開発・製造・販売し、商品がヒットすればそれだけ売り上げにつながることになります。

これらは小売店にとってのメリットですが、PB商品を製造するメーカーにもメリットがあります。一定量の注文があるため、売上を安定させることができる点や、閑散期に製造することも可能なため、生産効率が上がるといった利点があります。

補足:2020年4月完全施行の食品表示法では製造元を明記しなくてはならない

現在猶予期間の改正食品表示法(2020年4月に完全施行)では、PB商品の製造元を明記する必要があります。
これまで一見しただけでは製造元が分からなかったPB商品にも、製造元が表示されることで、消費者がより安心して購入することができるようになります。

たとえばイオンの「トップバリュ」ではこれまで製造所固有記号を記載し、パッケージだけでは具体的な製造元が分からないようになっていました。
製造元を開示していなかった理由としては「PB商品について最後までイオンが責任を持つ」ためということです。イオンではの考え方は変わらないものの、法律を順守する重要性も鑑みての対応ということでしょう。

セブン&アイホールディングスや西友でも、製造元の開示を進めており、2020年4月以降にはすべてのPB商品で製造元が明記されることになります。

PB商品のデメリット

PB商品はメリットだけしかないわけではありません。もちろんデメリットもあります。小売店、メーカー、消費者に分けてデメリットを挙げたいと思います。

小売店

PB商品のデメリットとして、一旦購入した商品は基本的に返品や転売ができません。商品が売り切れにならなければ小売店は赤字を出してしまうため、ある程度売れ筋の商品を仕入れなければいけません。また、商品に何か問題があった場合は小売側が責任を負うことになります。

メーカー

またPB商品をよく見ると、すでにメーカーが販売している商品に形や味が似た商品を見かけると思います。これはメーカーがNB商品として市場に出回っている商品をPB商品として販売しているからです。NB商品よりはPB商品の販売価格が低いことがほとんどなので、こうなるとNB商品がPB商品に価格面で負けてしまいます。PB商品の売上に期待をしていると、注文が少なくなった場合や打ち切りになった場合にメーカー側が大打撃を負ってしまうことになります。

消費者

あまりにもPB商品ばかり店頭に並んでいると、どれも代わり映えがしない印象で選択肢が狭まっているように感じます。また、どうしても欲しいNB商品があったとしても、代替のPB商品しか手に入らない場合もあります。
しかし、消費者にとってデメリットはさほどないと言っていいでしょう。

ヒットしたPB商品の例

PB商品は時としてヒットする商品もあります。

PB商品売上が1兆円を超えたセブン&アイホールディングス。2007年からPB商品の販売を始め、好調に売上を伸ばしてきました。今ではPB商品の売上げ額でいうと、他の小売企業と比べてもトップの売上を誇っています。

参考:ITメディアビジネス 売り上げ1兆円突破「セブンプレミアム」、生鮮品に進出
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1703/10/news078.html

Business Insiderの記事によると、セブンイレブンで一番売れた商品について以下のように書かれています。

セブンプレミアム ヒット商品「ベスト5」
1位 カフェラテ(136円)
年間売上本数9200万本、売上高125億円
リピート率高し。甘さを抑えたビターなラテ

また、2位はサラダチキン、3位は牛乳、4位はサントリーと共同開発したビールThe Brew、5位はバニラアイスとなっています。

参考・出典:Business Insider 10年で1兆1500億円 —— セブンプレミアムという巨大市場。売り上げベスト5商品には意外なものも
https://www.businessinsider.jp/post-1287

以上のようなPB商品は、安価なため気軽に購入することができ、日常的に消費する商品であることがポイントだと言っていいでしょう。ランキングに入っている商品を見ると、シンプルで飽きがこないような味も好調な売上の一因かもしれません。

NB商品の例

NB商品はPB商品以外の商品と説明しましたが、イメージが湧きづらいかもしれません。

例としてあげるなら、このようなものがNB商品と言われます。

  • 明治/おいしい牛乳
  • 花王/メリット
  • シャープ/AQUOS

これらはあくまでも一例ですが、一般的にメーカーが商品として卸・小売に販売しているものを指します。NB商品と呼ばれるのは、PB商品と区別されるときです。
NB商品はメーカーが商品開発から製造までを行いますが、その後の販売においては卸業者を挟むか直接小売店が買い取りを行うかのふた通りがあります。卸業者は様々なメーカーから仕入れた商品を扱っているので小売店は欲しい商品を発注するだけで済みますが、卸業者へ支払うコストがかかります。

NB商品とPB商品の違い

PB商品との違いは以下です。

  1. 商品の広告はメーカー側が行う
  2. 商品はどの小売業者も購入可能
  3. 商品の品質保証はメーカー側が負う

メーカーは商品をより多く販売するために、消費者に宣伝を行わなければいけません。宣伝が成功すれば、商品の売れ行きが良くなることで小売業者からの注文が多くなります。
またPB商品と違い販売する小売業者の縛りがないので、どの小売業者でもメーカーから商品を購入することができます。

商品にもし欠陥が発見された場合、消費者が問い合わせを行うのはメーカー側になります。

まとめ

PB商品とNB商品の違いやしくみ、メリット・デメリットはお分かりいただけたでしょうか。

セブンイレブンをはじめとしたセブン&アイグループのセブンプレミアム、ファミリーマートのFamily Mart Collection、ローソンのローソンセレクトなど、コンビニ各社のPB商品は定番の商品はもちろん新商品の開発も頻繁に行われています。イオンのトップバリュや西友など大手スーパーでも食品に限らず様々なPB商品が販売されています。

消費者からすれば安価で商品を購入できる点は嬉しいですね。
これからもPB商品はコンビニやスーパーをはじめとした小売店にとって欠かせないものであるのに変わりはないでしょう。

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