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コード決済もDX化促進のツール。コード決済利用増にみるマルチ決済の可能性

QRコード*やバーコードを使う「コード決済」は、非接触で決済できることからコロナ禍で急速にニーズが高まりました。

コード決済事業者は、加盟店に対して期限付きで手数料を無料にしたり、利用者にポイント還元などのインセンティブを付与したりという戦略を展開したことで少しずつサービスの拡大を行ってきました。

コロナウイルスによってあらゆるシーンで接触を避けることが推奨された状況も、コード決済の利用を大きく後押しとしたといえるでしょう。

2025年度には12兆円以上の取り扱い高ベースになると予測されるコード決済に対応するためには、クレジットカード、電子マネー決済などあらゆる決済方法に対応できるマルチ決済端末の必要性がますます高まっていきます。

本記事では、コード決済の普及状況や普及の背景について解説しています。

また、コード決済やそれに伴うマルチ決済の普及が実店舗に与えるDX化促進の可能性と、顧客の決済ニーズを読み解く重要性についても紹介しています。

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コード決済の普及状況

日本でコード決済サービスが本格的に始まったのは、2018年以降のことです。このわずか2〜3年の間に、2020年度6兆円以上という取り扱い高を記録しました。そして、今後も利用高が増加していくと予想されています。

現金以外の決済方法といえば、クレジットカード決済がオーソドックスな存在でしたが、今後はコード決済が現金やクレカよりも身近な決済方法となるかもしれません。

2020年度国内コード決済の市場規模

2020年度のコード決済取り扱い高ベースは、6兆1,216億円と推計されています。

また、将来的な期待も大きく、2025年度には2020年度のおよそ2倍に相当する 12兆3,976億円に達するという予測が出ています。

日本経済新聞は、2020年6月に日本人の個人消費に占めるキャッシュレス決済の割合についてデータを発表しました。

それによると、個人消費におけるキャッシュレス決済の割合は前年比2.9ポイント増加の29.7%で、この伸び率は過去最高の記録となっています。

この増加についてはコロナ禍の影響もあり、ステイホームの影響によるオンラインショッピングの増加、デリバリーサービスの周知などが関係していると考えられます。

また、お金に触らずに支払える非接触型の支払い方法であること、日常の欠かせないツールとなっているスマホで支払えるという手軽さが多くの消費者に認知されたためでもあるでしょう。

ゆえにアフターコロナとなっても、高度にデジタル化した社会は元に戻ることはなくコード決済はその地位を確立し、今後も広く普及していくと想定されます。

QRコード決済普及の背景

QRコード決済が普及した背景として、QRコード決済事業者が実店舗側と消費者側の双方に「利用するメリット」を提供したことが挙げられます。

多くのコード決済事業者は、決済手数料無料期間を設けて、一定期間無料でコード決済を利用できるようにしました。

また、コード決済アプリを通じて特典クーポンを配布する、加盟店からのメッセージをユーザーに送る、といった施策を講じることで、リアル店舗への送客という役割も担っています。これをメリットと感じた実店舗は、QRコード決済の手数料無料期間が終了しても、コード決済を利用し続ける理由ができます。

一方で、決済事業者は消費者であるユーザーにもポイント付与やキャッシュバックキャンペーンなどを実施して、使うメリットをアピールしています。スマホにクーポンが配布されたり、お得なメッセージを受け取れたりという点に利便性を見出してコードアプリを利用しているユーザーも多いでしょう。

マルチ決済普及が店舗経営に与える影響

マルチ決済とは決済システムの一つです。導入することで、クレジットカード/デビットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済をすべて1つの端末で扱えるようになります。

現在は事業者ごとに多くのQRコード決済が提供されていますが、マルチ決済端末なら、決済サービスごとに端末を揃えなくても、多様なQRコードに対応することができます。

端末には有線接続してレジ横に置いて使う「据え置き型」とスマホやタブレットを端末として使う「モバイル型」があり、店舗に合った型を導入することで、接客と売上金把握の効率化が見込めます。

現行のマルチ決済システムにはいくつか種類がありますが、決済代行会社に加盟するという方法がもっともオーソドックスな形になっています。

加盟しない場合はカード会社ごとに都度管理が必要になるため、効率化を目標のひとつにするなら決済代行会社に加盟する方が良いでしょう。

マルチ決済を利用した顧客の支払い情報および支払金は、一旦決済代行会社を介してから指定の日に店舗口座へと支払われます。このようなマルチ決済がリアル店舗で当たり前になる、それはどんな未来をもたらすのでしょうか。

効率化と店舗DX推進

マルチ決済端末を導入することで、決済方法ごとに必要だった端末を1台にまとめることができます。

これによって、実際に操作する従業員の手間は少なくなるでしょう。利用者の差し出すQRコードによって端末を変える必要がなくなるため、マニュアルの簡略化も充分見込めます。

また、端末を複数台購入する必要がないのでキャッシュレス決済関連の初期費用を削減することができます。特に、モバイル型(ポータブル型)と呼ばれるスマホやタブレットを操作するタイプのマルチ決済端末は、レジ横に置いて使う据え置き型よりも導入コストが安価で、従業員が手に持って店外でも使用できるなどの利点があります。

月額の使用料金と決済手数料も1つの会社に支払えば良いので、長期的に見てランニングコストを減らせる可能性があります。また、マルチ決済であれば入金日が統一されるため、出入金の管理もスムーズです。売上金を把握しやすくなり、経営計画が立てやすくなるという効果も期待できるでしょう。

また、決済システムと在庫管理システムを連携させることで、多店舗の動向を把握することがより簡単になる、収集した顧客データをより縦横に分析できるなど可能性が広がります。

とはいえ、マルチ決済端末は単一のコード決済端末と比較すると手数料が若干高いこともあり、適切にシステムを導入しないと却って割高になったり効率化できなかったりします。

マルチ端末を導入する際は、DX化推進のための構造も念頭において効率を高めるシステムを構築していくと良いでしょう。

少額決済を身近にしたICカード系電子マネーの今後

テレワークで利用高が減っているとされるSuicaなどの交通系IC決済ですが、それまで「高額決済」のイメージがあった現金以外の支払い方法に「少額決済」という価値観を定着させた存在として無視することはできません。

従来は、一度に払いきれない高額な支払いをクレカなどの現金以外で払うという風潮がありましたが、現在は数百円の金額をQRコードやICカード、クレカ払いにする人は少なくありません。交通系ICカードは、こうした支払い方法の定着における一つの立役者とみることができます。

一方で、コード決済事業者の大々的なポイントキャンペーンや政府によるマイナポイント施策によって、カード払い以外のキャッシュレス決済もかなり身近な存在になってきました。

数年前までは、キャッシュレス決済の少額利用といえば交通系ICカードがメインという風潮がありましたが、今後はキャンペーンなどの普及効果によってその構図にも変化が出てくると考えてよさそうです。

またこうした動きと並行して、在宅ワークが増えてきたことや外出を控える動きが高まったことにより、交通系ICカードの存在感が薄くなったと感じている人もいます。

現金以外の決済手段を見ると依然としてクレジットカードのシェアは大きいですが、時代と共に変わっていく価値観を見据え、常に消費者の動向を一歩先に理解しておく姿勢が重要になるでしょう。

顧客ニーズをいかに獲得するか

購買行動の把握には、顧客のニーズを分析することが重要です。

顧客のニーズというと、どのような商品・サービスを求めているか、リアルとオンラインでどのような接客をするかといった点にばかり注目しがちですが、実は決済についてのニーズを探ることも重要です。

決済にも顧客ニーズがある

近年、特に注目されているのはスマホ決済で、ガラパゴス化していた決済サービスもソフトバンク(PayPay)、NTTドコモ(d払い、メルペイ)、楽天グループ(楽天ペイ)、KDDI(au PAY)が4強状態となっています。2021年10月時点で一つ抜きん出ているのは登録者数、加盟店数、決済回数共に数を伸ばしているPayPayですが、PayPayでさえ交通系ICカード、クレジットカードにはまだ利用者数が追いついていない状況です。

ただし、スマホ決済にはまだ伸びしろがあると考えるのが妥当で、これはあくまで現在の動向に過ぎません。キャッシュレス決済について、店舗として何らかの対策を講じておくことは必要でしょう。決済サービス事業者も、店舗、利用者双方にとってメリットのある施策を講じてスマホ決済の取扱高アップを目指していくことは間違いないからです。

いずれかのコード決済のみにしか対応していない端末や決済システムだと、新しいサービスが台頭した時には新たな端末を導入する必要が出てきます。ですが前述したマルチ決済端末は、アップデートによって新たなキャッシュレス決済法を加えることが可能です。

2020年はコロナウイルスという予測し得ない大きな出来事が起こり、経済がどのように戻っていくのかは未知数です。こうした不確定要素を加味しつつ、政府も推奨するキャッシュレス決済をどのように取り入れていくかを考えていく必要がありそうです。

チャージ不要で使える手軽さも一つの魅力に

顧客ニーズの一つに、チャージ不要で使える決済システムがあります。QRコード決済や交通系ICカードの場合、あらかじめ現金をチャージ(入金)しないと使えないサービスがありますが、なかにはクレジットカードと紐づけることでチャージ不要で使える決済サービスもあります。

消費者にとって使い過ぎる心配はありますが、現金をチャージしたかどうかを気にすることなくコード決済を使えるのは大きなメリットといえるでしょう。

こうしたオートチャージのようなスタイルも、決済にまつわる顧客のニーズの一要素といえます。

世界で拡大する「後払い」は日本でも広がるか

後払いシステムは「Buy Now, Pay Later」の頭文字をとってBNPLといわれています。後払いシステムは米国をはじめ、ヨーロッパやアジアでも急速に普及し始めていて、国内でもさまざまな後払いサービスがリリースされています。

後払いの基本的な考え方は、ユーザーのアカウントにあらかじめ与信枠が設定されており、その枠の中で買い物をして後から支払いをする、というものです。スマホアプリは個人のアカウントを管理しやすく、また利用するのもスムーズなため、消費者としても利便性が高いと想定されます。

国内では、後払い決済サービスを提供する企業が、企業価値10億ドル以上の未上場企業いわゆるユニコーン企業に選出されるなど、注目が集まっています。

また、店舗や企業にとっても、こうした後払いシステムは顧客の行動データをより詳細に得られるという利点があります。何を購入したか、どれくらいのスパンでどの程度の金額を支払っているかなど中期的なデータを取得できるため、運営戦略の分析材料として新たな視点を獲得できる可能性があります。

こうしたシステムも、DX化や顧客データ収集において大きな力を発揮する一つのテクノロジーです。

*「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

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