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【体験レポート】無人コンビニ「ロボットマート」の商品認識精度が抜群だった

コンビニやスーパーなどの小売業界では、AI・IoTの進化とともに世界的に無人化・省人化へと向かう大きなウネリが起きていることを実感する今日この頃。ここ日本でもセブンイレブンの省人化店舗が話題になっていたり、JR赤羽駅のKIOSKで実証実験営業が始まったりと、まさに「普及前夜」の様相を呈しています。

そんな無人コンビニのひとつ、日本橋に店舗を構える「ロボットマート」で実際に買い物を体験してきました。

【目次】

無人コンビニ「ロボットマート」とは

「ロボットマート」は、株式会社ロボットセキュリティポリスが運営する、路面店としては日本初の無人コンビニです。「ロボットによる接客」「遠隔での監視」「QRコードによる決済」をキーワードに、2018年9月29日にプレオープンしました。

参考:http://robot-sp.com/official/

ロボットマートでは話題の「PayPay」で決済

そして約2ヵ月の実証実験結果のフィードバックをもとに、今何かと話題の決済システム「PayPay」との提携が決まり、実証実験第2弾として11月29日にリニューアルオープンしたというわけです。

現状、使えるのはPayPayのみですが、今後は仮想通貨にも対応していく予定とのこと。

筆者はこれまでPayPayを使っていなかったのですが、今回の取材のために慌ててアプリをDLしました。しかし、なぜかメインバンクとしている三菱UFJ銀行だけ「現在PayPay残高のチャージにはご利用いただけません」の表示が。

PayPayでは使用できるクレジットカードについても筆者が所持していないYahoo! Japanカードに限られるため、今回は致し方なくPayPayに登録した時点でもらえる500円分のポイントのみで買い物に挑みます。取材先が商品単価の安いコンビニで助かりました。

ロボットマートを体験!品揃えはまだ薄い


「ロボットマート」は、茅場町から徒歩5分程度の場所にあります。ビジネス街ではありますが、そこまで人通りのない場所。筆者が訪れた時、店舗内には客の姿もなく、まさに完全に無人でした。


入口をくぐると、「モスペンくん」と「ペッパーくん」が出迎えて?くれます。まさにロボットマートといった感じ。


ペッパーくんが首を回してこちらをじっと見つめてくるのが、万引きの抑止力になっていそうです。

10坪程度でしょうか、通常のコンビニの半分程度のスペースに、缶コーヒーやお茶などのソフトドリンク、お菓子類、カップ麺、箱ティッシュなどが整然と陳列されています。取扱商品の種類が限られているのは実証実験中だからでしょうか。ビジネスマンのニーズが多そうなガムやミント類が置いていないのはちょっと残念な気がしました。

とはいえ、メジャーブランドのものではないソフトドリンクやカップ麺は100円で販売されていたりするので、お得に買い物できるという利点もあります。

店内を一通り物色しつつも、残高が心もとないので、とりあえず「きのこの山」のみを手に取り、いよいよ会計へ。

会計を実行する台にはテープで枠線がつけられています。手作り感満載です。実証実験が終われば、このあたりもデザインされていくのでしょう。

この枠線の中に購入したいものを置くと上部に設置されたカメラで商品を識別してくれるようです。

「きのこの山」をそっと置くと……


台の右側のモニターにしっかりと金額が表示されました。

スマホでPayPayのアプリを起動し、「スキャン支払い」を選択し、モニター横のQRコードを読み取ります。

さあ、これで決済完了……かと思いきや、読み取ったページに遷移したあと、支払金額を手入力する必要がありました。

うーん、ワガママな消費者としては、何かしら読み取ったりかざしたりするアクションだけで決済完了してほしいな、というのが正直な気持ちです。せっかくの「ロボットマート」ですし。

とはいえ、なんの問題もなく買い物ができたことですし、これで体験レポートは終了

……とはいきません。

商品認識の限界にチャレンジ

ココを訪れるのは、筆者のようにお菓子を一つだけ買う人や、丁寧に商品を扱う人ばかりではないはずです。中には大勢に頼まれて大量に商品を買い出しする人や、会計の途中で「やっぱこれ買うのやめた」という人、めちゃくちゃ急いで雑になる人なんかもいるでしょう。ロボットマートはそんなシチュエーションにも耐えうるのだろうか?

いまだ店内が無人なのをいいことに(当然防犯カメラには映っているのですが)、ロボットマートの精度を試してみました。

まず、大量に商品を購入しようとした場合。すべて100円の商品を8点です。

うん、この程度ならまったく問題なく認識するようですね。

続いて、「すごい急いでいる人」もしくは「雑な人」風。

「商品のパッケージを上に向けて置いてください」という指示を無視して、商品を裏にして乱雑に置いてみます。


こちらも難なくクリア。

続いて、週末のまとめ買いパターンを再現してみましょう……

大量のカップヌードルの中に、1点だけ別のカップ麺が。

カップヌードル150円×8個=1200円に天ぷらそば100円ですから、合計1300円。きっちり認識しています。

それではこれはどうでしょう。

箱ティッシュの5個パッケージ(300円)の上に、種類の違う高級ティッシュ1箱(100円)を重ねて置きます。

これも瞬殺ですね。まあ、考えてみればカメラで認識している以上、これでだまされるワケないのですけれど……。

しかし、この枠線を無視したらさすがに認識できないのでは?
枠線にちょっとだけ商品がかかっている状態。柔道であればこれでも技は有効とみなされます。

ロボットマートでもこれは有効でした!

もっとカメラで認識しづらい小さな商品が枠ギリギリな場合はどうでしょう。


これでも認識できました。すごい!

今回唯一ロボットが認識できなかったのは、下の写真のように「商品のパッケージが下を向き、かつ乱雑に重なっている状態」のみでした。

よっぽど意図しない限りこのように置く方が逆に難しいと思うので、商品を認識する精度はかなり高いのではないでしょうか。

体験してみて

再度、ロボットマートで買い物した感想をまとめると……

  • PayPay以外の決済方法も欲しい
  • せめてクレジットカードはどこのものでも使えるようにしてほしい
  • 店舗空間のデザインや品揃えは今後に期待
  • 会計のアクションがもっとシンプルになったら嬉しい
  • 商品を認識する精度はめちゃくちゃ高い

と、いった感じでしょうか。

前述のとおり、現状はあくまで「実証実験」としての営業という位置づけなので、近い将来さらに便利で快適になることでしょう。無人であることによって抑えられたコストが商品の販売価格にも反映されるのであれば、消費者としては、このようなお店がどんどん増えてほしいところです。

無人化店舗は今後間違いなくトレンドとなっていくので、ロボットマートの進化にも要注目ですね。

この記事を書いた人
池 有生

広告会社コピーライター、ウェブメディアライター等を経てエスキュービズム入社。趣味はサーフィン。3姉妹の父。ワーク・サーフ・ライフバランスの最適化を模索中。

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