AIビジネスが店舗運営を革新的に変える
最近では様々な業界でAIという言葉が聞かれるようになりました。
AI、つまり人工知能をハードウェアに搭載することで、自動運転可能な車や、人間と会話してくれるAIスピーカーが生まれています。
革新的な技術であるAIは社会の仕組みを大きく変えつつあります。
- AI活用のカギはハードウェアにある
- 情報収集、無人店舗、販促はすべてAIにかかっている
- ドン・キホーテやファミリーマートもAI活用に積極的である
- 店舗運営に置いて日本には優れたAI技術を提供する企業がある
- AIは世界の仕組みを変える革新的技術である
AIの仕組み
AIとは人工的にコンピュータ上で人間と同様の知能を実現する技術を言います。
AIは自らの学習機能を使って自動で答えを出してくれるので、AIを組み込むことで作業の完全なオートメーション化が実現できます。
特に最近ではディープラーニング技術の高まりによってAI自身が自己学習をすることでさらに質の高いAIが生まれ始めています。
参考
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E7%9F%A5%E8%83%BD
ハードウェアが情報を取得
それでは、店舗運営においてAIはどのように活用されていくのでしょうか。AI導入と店舗運営について考察していきます。
まずはAIによる店舗運営を実現するためにカギとなるのはハードウェアです。もちろん、ウェブサービスなどでもAIは活用されていますが、店舗運営というジャンルに絞ればハードウェアが極めて重要な役割を担います。
特に顧客の情報収集や顧客とのコミュニケーションにはAI搭載ハードウェアが欠かせません。
代表的なAI搭載ハードウェアを見ていきましょう。
AI搭載カメラ
店舗内にカメラがあればAIをより効率的に活かすことができます。今は画像処理技術が発達していて、カメラに映った来店客の情報を瞬時に取得、判断します。
顔や体の作りから性別やある程度の年齢を判断でき、さらに店内での行動パターンまでもが習得できます。
AI搭載ロボット
AI搭載ロボットはお客様とやり取りをするための役割を担ってくれます。店頭にロボットを置けば、来客対応はロボットがやってくれますので、人件費削減には大いに役に立ちます。
AI搭載ハードウェアはさまざまな情報を取得し、その情報を店舗運営に繋げてくれますし、人間と同じように労働もしてくれます。AI搭載カメラやAI搭載ロボットを使えば以下のようなことが店舗運営で実現できるようになります。
AIで顧客情報分析
AIを導入すれば、顧客ごとのカスタマイズなマーケティングの実現が可能になります。
人間だけでは到底補えなかったマーケティングをAIが担うようになれば、売上アップに貢献できるかもしれません。
たとえばカメラを店舗入り口に設置しておいて顔認証システムで来客者の年齢、性別などを判断します。
そして、その顧客が店内に設置したデジタルサイネージの前を通る時にその顧客層に人気な商品を表示すれば、購入確率はアップします。
支払レジでは顧客がポイントカードを提示すれば、入店時に撮影した画像とポイントカードに登録済みの個人情報が紐づくので、データ精度は高まります。
さらに認証技術が進んで顧客着用の洋服やカバンのブランドが判断できれば、顧客の収入や関心が推測できるようになります。
こうした技術の組み合わせによって、実現しつつあるのが無人店舗です。
POSやロボットと組み合わせれば無人店舗が出来上がる
AIをPOSシステムやロボットと組み合わせれば完全な無人店舗が実現します。
例えばコンビニの場合、在庫が減れば、その情報が自動で工場に送られて、必要な分の出荷手続きができます。
そして、店舗に商品が届くと商品のコード情報を参考にロボットが所定の位置に陳列します。決済はすべてPOSシステムで顧客主導型にすれば、従業員は不要となります。
人間不在によるオートメーション化が実現できるのです。これは未来のような話に聞こえますが、実はすぐそこまで来ています。
日本のような人口減少が著しい国にとっては、無人店舗はこれからの店舗運営において考える必要性の高い技術といえます。
取得したデータを分析して、販促を実現する
AIは情報を取得するだけではなく、そのデータをもとに独自に分析して販促までしてくれます。
詳細な分析ができるので、顧客ごとのカスタマイズされたマーケティングを実施できます。
AI導入以前であれば、キャンペーン情報やセール情報を同じ内容で一斉送信していたのが、AI導入により、顧客ごとに異なる内容の情報を自動で生成して送信できるようになります。
AI導入前でも実現しようと思えばできますが、費やす時間を考えるととても人間ではできません。
AI導入によってカスタマイズマーケティングが実現します。
ドン・キホーテの例
安売りの殿堂で知られているドン・キホーテは、AIを店舗運営に導入する計画を持っています。
ドン・キホーテはポイントが使える独自の電子マネーサービス「majica」をサービスとして提供しています。このmajicaアプリをインストールしたスマートフォンを持って来店したお客様に対して、おすすめ商品の通知や顧客ごとの独自クーポンを発行して来店を促す仕組みを計画しています。
ファミリーマートの例
ファミリーマートはLINEと業務提携をしてAIを積極的に活用する方針を打ち出しています。
詳細は未定ではあるものの、ファミリーマートが持っている顧客の購買データをLINEとNAVERで開発したAIプラットフォームの「Clova」で分析し、LINEアプリのメッセージング機能で顧客ごとにマッチしたクーポンを送付する取り組みを行うと考えられています。
日本にも優れたAI技術がある
このようにAIを店舗運営に組み込む試みは続々と始まっています。
そして日本にはAIを店舗運営に組み込むのに十分な技術を提供している企業が多く存在します。IT、特にウェブサービスの世界では後塵を拝していた日本ですが、AIの技術では存在感を強めています。
preferred network
根本的なAI技術の開発という上では大変期待されている企業がpreferred networkです。
2006年創業のベンチャー企業でありながら、ディープラーニングを中心としたAI技術の活用を推進している会社でトヨタ自動車やマイクロソフト、インテルといった世界的企業と協業を進めています。
このようなAIの基礎技術こそがすべてのAIビジネスの礎となります。店舗運営には直接関係ありませんが、AI技術としては世界的に優れた企業です。
ABEJA
ABEJAはAIを活用した店舗解析プラットフォームを提供している企業です。ABEJAが提供するサービスは、店内にカメラを設置するだけで顧客数や顧客の特徴などのデータを集めて、そのデータをもとに入店率や買い上げ率などの分析してくれます。
NEC
AIは新しい分野なので、大手の参入は弱いのですが、NECは別です。NECは「ウォークスルー顔認証」という仕組みを使ってお客様の情報を検知します。そしてお客様の通販サイトの購買履歴や閲覧していた商品などからお客様が欲しそうな商品を提案します。
NECはAI技術のビジネス活用を積極的に行う大手企業の1社です。
AIで世界は大きく変わっていく
AIビジネスは店舗運営の世界に続々と参入しています。
店舗運営は体力が必要なシーンも多いため、これから若年層の人口が減っていく日本において、今のままの店舗運営、経営のやり方を持続していくのが難しいのは分かりきっています。
たとえば、24時間営業を見直す、様々な技術を結集して作業効率を上げるなど、大手小売企業では既に店舗運営改革を始めているところもあります。
AIという新しい技術を店舗運営に導入するのは、リスクが当然発生することもあるでしょう。プロジェクトがうまくいかない可能性もあります。
しかし将来的な状況を考えると、人材依存型の店舗運営では確実に持続できません。
リスクはあるかもしれませんが、AIという革命的な技術を活用することで人材の悩みは減りますし、顧客データの可視化が可能になります。
このようにAIはマイナスな部分を補うだけでなく、プラスな部分も付け加えてくれると考えられます。
人材依存型から、AI共存型の店舗運営へと、今後シフトする企業も多くなっていくでしょう。