店舗開業に必要な準備は?開業までの流れ・手続きを解説
「お店を作りたい!でも、どうすれば開業できるのかわからない…」
そのように考えているかたのための記事です。
店舗を開業するには、
- 資金の調達
- 届け出
- 物件探し
- 人材の採用
- 内装
- 外装
など、様々な準備が必要になってきます。
そうした準備を経て新しいお店ができても、数年で廃業してしまうケースは少なくありません。
その一つの原因として、そもそも準備がしっかりできていないことがあります。
まずはどんな準備が必要なのかを把握して、消費者から長く愛される店舗にしていきましょう!
店舗の開業前に準備することリスト
お店を開業する前に、まず準備すべきものがいくつかあります。
それが、
- その店舗をなぜ開業するのか
- 店舗のコンセプトはなにか
- 事業計画書の立案はできているか
- 店舗を開業するのに必要な資金はどれくらいか
- 店舗開業の資金を調達する方法
- 立地・周囲の競合はどうか
- 店舗を開業する物件の状況はどうか
の7つです。
ここからは店舗の開業前に準備することリストを、1つずつ見ていきましょう。
その店舗をなぜ開業するのか
これからお店を開業したいかたの中には、
- 「こんなお店がいいかも!」
- 「あんな商品を出したい!」
という、自分のアイデアがあるかたも多いでしょう。
しかし、理想だけでお店が作れるかというと、それは違います。
お店を作るには、想像を超える金額の資金、そして果てしないほどの時間が必要です。
しっかりとしたお店を作るためには「その店舗を自分が開業する理由は何か?」という、店舗開業の根幹になる部分を考えておかなければなりません。
店舗開業は、正直なところリスクが高い商売です。
開業したのにすぐ倒産してしまった…ということにならないためにも、お店を出す理由はよく考えておきましょう。
店舗のコンセプトはなにか
「自分のお店に顧客が訪れる理由」を考えたことはありますか?
そのお店に行きたいと思わせる、お店の魅力となる部分。それがコンセプトです。
お店のベースとも言えるコンセプトは、事業が成功するかどうかに大きく関わります。
- 自分のお店に顧客が訪れる理由(=お店の魅力)は何か
- お店の魅力は、ターゲットの性質とマッチしているか
- プロモーションの方法は、コンセプト・ターゲットに合っているか
このようなことを考えながら、店舗のコンセプトを固めていきましょう。
事業計画書の立案はできているか
資金調達で補助金や助成金、融資を受ける場合は、事業計画が特に大切です。
自己資金で開業するときでも、これからの店舗運営を見越した事業計画は作っておきたいですね。
時期としては、開業の「6~8ヶ月前」を目安に、事業計画を立案します。
開店してからは一定のスパンで事業計画を見直し、修正しながら経営を進めていけるとよいでしょう。
店舗を開業するのに必要な資金はどれくらいか
お店を開業するまでに、「いったいいくらかかるのか?」という資金計画を立てておきましょう。
目安は年商の50%です。年間で3000万円の売上を見込んでいるならば、1500万円の計算になります。
- 物件の取得にかかる費用
- 内装・外装の工事にかかる費用
- 設備にかかる費用
- 直近のランニングコスト(3ヶ月分が目安)
開業する前の資金として、最低限これらの項目は満たしているべきです。
この時点ですでにお金がかかりすぎる場合は、居抜き物件・中古設備の利用を考えてもよいでしょう。
店舗開業の資金を調達する方法
店舗を開業するときに、必要な資金を集めるには、
- 自己資金
- 家族・知人から集める
- 日本政策金融公庫からの融資
という3つが主な方法です。
民間の金融機関から借り入れるには、実績・ある程度の自己資金が必要で、現実味はやや薄いです。
また、補助金・助成金を利用するのも一つの手ですが、事業計画を作り込む必要があります。
立地・周囲の競合はどうか
ただテナントが空いていたからという理由で開業して、何の工夫もなくお店に人がやってくることはありません。
立地や周囲の競合店をリサーチしたうえで、自分の店舗で戦略を練る必要があります。
競合店があった場合は
- お店の雰囲気
- 来ている客層
- 接客の態度
- 商品ラインナップの種類・金額
- オペレーション
など、足を運んで自分の目で確かめましょう。
良いところは自分のお店に取り入れ、競合店よりも繁盛するお店づくりをしたいですね。
店舗を開業する物件の状況はどうか
物件選びは、お店の成功を大きく左右します。
それに、これから店舗を開業するかたであれば「こんな場所でお店を開きたい!」という具体的なイメージがあることでしょう。
- 立地
- 賃料
- 店内面積
など、様々な物件を見てチェックしていきます。
最も大切なのは「長いあいだ、安定して賃料を支払えるか」です。
業績に関わらず、毎月かならず発生する固定費なので、賃料については慎重に考える必要があります。
最低でも10件は、自分の店舗に適していそうな物件を見ていきます。
店舗を開業するまでの大まかな流れ
開業前の準備として、
- その店舗をなぜ開業するのか
- 店舗のコンセプトはなにか
- 事業計画書の立案はできているか
- 店舗を開業するのに必要な資金はどれくらいか
- 店舗開業の資金を調達する方法
- 立地・周囲の競合はどうか
- 店舗を開業する物件の状況はどうか
が出来たら、実際の開業へと進めていきます。
店舗を開業するまでの大まかな流れは、
- 出店する場所を決定する
- 商品の仕入先を探す
- 店舗をオープンする準備をはじめる
- オープン前から店舗の情報発信をする
- 開業の届け出をする
- 本番のオペレーションを確認
の6つです。
それでは、それぞれを詳しく見ていきましょう。
1. 出店する場所を決定する
立地や周囲の競合を見た上で、出店する場所を決めます。
流れとしては、
- 出店地を決める
- 商圏調査を行なう
- 店舗を確保する(物件契約)
の順で行うのがよいでしょう。
具体的に言えば、
- 商圏内の人口が多い、また将来的に人口が増えるであろう地域
- お店のターゲット層が多い商圏
- 購買力の高い(お金に余裕のある)人が多い商圏
- 交通が発達しており、人が集まりやすい地域
- 付近に人が集まる施設がある商圏
- 競合が少ない地域
がおすすめです。
具体的な出店場所が決まったら、内装・外装の施工にも入ってしまうとよいでしょう。
2. 商品の仕入先を探す
具体的な出店場所が決まったら、飲食店、雑貨屋など、業種に合った商品の仕入先を探しましょう。
フローとしては、
- メーカーと直接取り引き
- 問屋で仕入れる
- インターネットで仕入れる
という順序がセオリーです。
3. 店舗をオープンする準備をはじめる
次は、いよいよ店舗オープンのための準備をしていきます。
- 内装・外装の施工
- 人材採用
- 商品・備品を揃える
この3つを行って、より店舗としての形を整えます。
お店の外観・内観はもちろんのこと、スタッフの採用をどうするかもこの時点で決めましょう。
4. オープン前から店舗の情報発信をする
店舗の情報発信は、オープンしてからでは遅いです。
看板・広告・チラシなど、予算に応じた情報発信ツールを策定しておきましょう。
- SNS
- 手書きのチラシ
- オープン告知のはり紙
など、お金をかけない宣伝はいくらでもできます。
地道にお店の情報を発信して、開店前からファンを作る意気込みで宣伝していきたいところです。
5. 開業の届け出をする
店舗の見た目において準備を進めながら、事務的な準備もこなしていく必要があります。
- 開業届
- 内装・食品衛生責任者の届け出
- 防火管理者選任届
- 深夜に酒類を提供する場合の届け出
など、店舗開業届出を筆頭に、業種・業態に応じた届け出を行わなければなりません。
開業届に関しては、開業後1ヶ月以内に提出すればよいです。
ただ、事業へのモチベーションアップとして考えれば、開業前に提出することをおすすめします。
6. 本番のオペレーションを確認
開業届も出して、さあ開店!と言いたいところですが、ここで一旦プレオープンの期間をはさむのがおすすめです。
友人や知り合い、また周辺住民の方を招待して、プレオープン期間やオープンイベントを検討したいですね。
頭の中では、運営のシュミレーションを何度もしているかもしれません。
ただ、実際にオペレーションしたら全く違っていたということも、往々にしてあります。
正式オープンの前に、本番のオペレーションを確認して致命的な問題を回避し、よりよいお店として開店できるようにしましょう。
流れ・手続きを理解して、スムーズに店舗を開業しよう
店舗開業までの大まかな流れ・手続きを紹介しました。
- 資金の調達
- 届け出
- 物件探し
- 人材の採用
- 内装
- 外装
など、お店をオープンさせるには、様々なことをやる必要があります。
お店の開業までの流れは、
- その店舗をなぜ開業するのか
- 店舗のコンセプトはなにか
- 事業計画書の立案はできているか
- 店舗を開業するのに必要な資金はどれくらいか
- 店舗開業の資金を調達する方法
- 立地・周囲の競合はどうか
- 店舗を開業する物件の状況はどうか
の7つからはじまります。
具体的な行動としては
- 出店する場所を決定する
- 商品の仕入先を探す
- 店舗をオープンする準備をはじめる
- オープン前から店舗の情報発信をする
- 開業の届け出をする
- 本番のオペレーションを確認
の6つを行うことで、店舗の開業がようやく実現します。
消費者から長く愛される店舗にするためにも、周到な準備をしていきましょう!
この記事を書いた人
黒田剛司
大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。