社内wikiとは?概要からツール比較まで徹底解説【事例あり】
「社内wikiってなんだろう。導入するならどのツールがいいのか知りたい。」
と思っている方のために記事を書きました。
現在、社内情報の共有が課題となっている企業が多く、そのツールとして社内wikiが注目されています。
この記事では、概要や導入によるメリットを、導入事例も含めて解説します。
記事を読めば社内wikiの導入メリットおよび各ツールの違いについて知ることができます。
そもそも「社内wiki」とは
社内wikiとは、社内の知識や情報をストックする情報共有ツールです。
また、情報を共有することで情報伝達がスムーズになり、コミュニケーションツールとしても活用されています。
共有する情報は、議事録や報告書、個人の気づきなど、活用する企業やプロジェクトによって異なります。
社内wiki用のツールは、高機能で有料のものからオープンソースで無料で使えるものまでさまざまです。
社内wikiのメリット
ここでは社内wikiを導入するメリットについて、
- はっきりと文章化された情報を1つの場所に集約できる
- 欲しい情報を検索してすぐチェックできる
- すでに共有された情報でも簡単に編集、更新できる
の順に解説します。
1. はっきりと文章化された情報を1つの場所に集約できる
社内wikiを使うことで一部の部署や個人しか知らなかった情報を1つの場所に集約でき、社内全体での情報共有が実現します。
いままでは人に聞かなければ分からなかった情報もすぐに確認でき、時間の短縮にも繋がります。
2. 欲しい情報を検索してすぐチェックできる
社内wikiに情報がストックされていると、検索することで必要な情報をすぐに見つけ出すことが可能です。
業務のやり方が分からないときなど、社内wikiで検索するだけで解決に繋がることもあります。
3. すでに共有された情報でも簡単に編集、更新できる
社内wikiを使うことで、すでに共有された情報でも簡単に編集、更新することが可能です。
紙で情報を管理している場合、その情報を編集するには時間も手間もかかります。これが社内wikiだと編集してすぐ新しい情報を全社に共有できるのです。
続いては社内wikiのツールを事例を含めて解説します。
社内wikiのツール比較13選【導入事例あり】
ここからは社内wikiのツールを比較します。
導入事例もあるので「うちはどんな社内ツールを導入したらいいんだろう…」と思っている方もぜひご覧ください。
Crowi:コミュニケーションツールとしてシンプルに活用できるwikiツール
Crowiは、コミュニケーションツールとしての設計思想で、シンプルであることを重視したオープンソースのwikiツールです。
特徴は以下の通り。
- Markdownでの編集
- 見た人機能やいいね機能
- すべての形式のファイルがアップロード可能
動作が軽くシンプルで見やすいデザインなので、気軽にwikiツールを活用したい方に向いています。
社内wiki「Crowi」の活用事例:メルカリ
メルカリでは、もともと部署やプロジェクトごとで情報共有ツールが異なっていたため、2016年に「Crowi」を導入し情報共有の一本化を行なっています。
「Crowi」の定着のため、各部署のリーダークラス10名程度をキーマンを指名。
各部署のニーズを満たしながら情報入力を進めたことで、「Crowi」への情報共有が定着しました。
現在は、情報の整理に課題はあるものの、社内のほとんどの情報が「Crowi」に保管されています。
Confluence:あらゆるコンテンツを作成できる高機能wikiツール
Confluenceは、議事録からプロジェクト計画書、製品要件書まであらゆるコンテンツを作成できるwikiツールです。
特徴は以下の通り。
- 動画や画像、動的なデータもサポート
- 豊富なアドオンでカスタマイズ可能
- モバイル対応済み
あらゆるファイルを共有でき高機能であることから企業での活用に向いています。
社内wiki「Confluence」の活用事例:Yahoo!Japan
Yahoo!Japnaでは、社内標準の情報共有システムとして「Confluence」が活用されています。
それ以外にも社内情報の多くが「Confluuence」に蓄積されているので、分からないことがあればまず社内wikiを検索することが習慣化されています。
情報登録が気軽にできることと検索性が良いことから、多くの情報が登録・共有されています。
新入社員には必ず「Confluuence」のアカウントが付与され、それがないと仕事にならないほどです。
Guru:Slack上で利用できるwikiツール
Guruは、Slackと連携できるwikiツールです。
特徴は以下の通り。
- Slackがあればすぐに使える
- Slack上から社内wikiを参照・編集ができる
- 豊富なアプリケーションと連携可能
コミュニケーションツールとしてSlackをすでに使っている企業に向いています。
NotePM:様々なドキュメントをWeb上で効率的に管理する情報共有ツール
NotePMは、様々なドキュメントをWebで効率的に管理する、ドキュメント専用の情報共有ツールです。
特徴は以下の通り。
- Webで文章作成し気軽に情報共有が可能
- 柔軟なアクセス権限設定
- チャットサービス「Slack」「HipChat」「ChatWork」と連携
議事録や設計書、社内マニュアルやノウハウ集など、ドキュメントを効率的に管理したい方に向いています。
Kibela:個人の発信にフォーカスした情報共有ツール
Kibelaは、「個人の発信を組織の力にする情報共有ツール」という考えて作られた社内wikiです。
特徴は以下の通り。
- Markdownで編集可能
- 豊富なテンプレート機能
- 個人的なメモや考えを共有できるblog機能
スタートアップから大企業まで組織の規模に応じて、適切な人に適切な情報を届けられるツールです。
DocBase:様々な角度からセキュリティ対策を実施している安全性に優れたwikiツール
DocBaseは、様々な角度からセキュリティ対策・運用を実施しており、安全性の高いwikiツールです。
特徴は以下の通り。
- アクセス制限/2段階認証/操作履歴の保存などの高い安全性を実現
- 柔軟な権限設定が可能
- ドキュメントをまとめやすい設計
さまざまな人やツールに散らばった情報を安全に共有したい企業/プロジェクトに向いています。
iQube:無料でスタートできるクラウド型のwikiツール
iQubeは、無料でスタートできるクラウド型グループウェアです。その中のアプリケーションのひとつに社内wikiが含まれています。
特徴は以下の通り。
- 情報が見やすいUI設計
- 詳細な閲覧・編集権限の設定が可能
- 記事の閲覧状況も把握できる
9,000社の導入実績があり、低コストで導入したい方に向いています。
GitHub Wiki:GitHub内でwikiを作成できる便利機能
GitHub Wikiは、バージョン管理ツールGitHub内でwikiを作成できる機能です。
特徴は以下の通り。
- Markdownに対応
- GitHubのリポジトリ内で管理
- サイドバーとフッターは自作可能
GitHubを使った情報共有が多いチームに向いている機能です。
Qiita:Team:チームの情報共有を推進し生産性を上げるwikiツール
Qiita:Teamは、チームの情報共有を進めて生産性を上げることに適したwikiツールです。
特徴は以下の通り。
- Markdownに対応している
- 豊富なテンプレート機能
- コミュニケーション機能が充実
wikiの作成も共有も簡単なことから、多くの会社で導入実績があります。
esa.io:情報を更新しながら育てるwikiツール
esa.ioは「とりあえず不完全でも公開し、そのあと何度も更新して情報を育てる」「情報が育ったらきちんと整理する」という考えで作られたWikiツールです。
特徴は以下の通り。
- Markdownと豊富な入力補助がある
- WebhookによりChatworkやSlackなど各種サービスと連携できる
- 記事のバージョン管理が可能
その使いやすさから2,000を超える会社・団体で利用されています。
Growi(旧crowi-plus):強力な認証機構をもったオープンソースwikiソフト
Growiは、情報共有をもっと身近に、もっと手軽に、という考えで作られたオープンソースなwikiソフトです。
特徴は以下の通り。
- オープンソースのwikiソフト
- Markdownでの編集
- 強力な認証機構・グループ管理
操作がシンプルなので、社内wikiを気軽に導入するのに向いています。
DokuWiki:データベースを必要としない汎用性の高いwikiツール
DokuWikiは、データベースを必要としない、使いやすく汎用性の高いwikiツールです。
特徴は以下の通り。
- オープンソースのwikiツール
- アクセス制御機能と認証への制御機能を内臓
- 豊富なプラグインでカスタマイズ可能
アクセス制御機能と認証への制御機能を内臓していることから、特に企業環境内での利用に向いています。
MediaWiki:大容量のデータ保存ができる大規模な組織向け
MediaWikiは、もともとはWikipediaで使用するために開発されたWikiツールです。
特徴は以下の通り。
- オープンソースのWikiツール
- 大容量のデータを保存して蓄積できる
- PHP言語を使用
大容量のデータ保存ができるので、規模の大きい組織に向いています。
社内wikiを導入するさいの注意点
多くのメリットがある社内wikiですが、導入する際の注意点もあります。
ここでは、
- ルールやひな形(テンプレート)を作って、社内wikiに書き込む習慣づけをする
- すでに社内wikiがないかをチェックし、あった場合は使われていない理由を探る
- まずは「社内wikiを使い続けること」を目標にする
の順に解説します。
1. ルールやひな形(テンプレート)を作って、社内wikiに書き込む習慣づけをする
社内wikiは導入がゴールではありません。端的に言えば、社内wikiは定着させて情報を集めてこそ便利になります。
そのため情報は社内wikiに書き込む習慣づけなど、定着化させるための取り組みが必要です。
気軽に書き込んでもらえるようなルールづくりやテンプレートを用意しましょう。
2. すでに社内wikiがないかをチェックし、あった場合は使われていない理由を探る
情報共有を目的として、部署やチーム単位でwikiツールが導入されていることはよくあります。
社内で統一したwikiツールを導入する場合は、全社で情報共有するメリットを伝えて協力してもらうことが欠かせません。
また、社内wikiを定着させるために、すでにあるwikiツールが使われていなかった場合は、その理由を確認することも重要です。
3. まずは「社内wikiを使い続けること」を目標にする
wikiツールは、情報が蓄積されてこそ情報共有ツールとして活用できます。これまでの注意点も含め、まずは社内wikiを使い続けることを目標にするのがおすすめです。
気軽に書き込めるなど、社内wikiを使うハードルを大きく下げることが、ツールを広めるために有効な方法と言えます。
社内wikiで情報をひとまとめにして、業務の効率化を!
ここまでをおさらいします。
社内wikiは、社内の情報共有と円滑なコミュニケーションを実現するツールです。
導入するメリットには、
- はっきりと文章化された情報を1つの場所に集約できる
- 欲しい情報を検索してすぐチェックできる
- すでに共有された情報でも簡単に編集、更新できる
の3つがあります。
社内wikiは情報が蓄積されてこそ情報共有ツールとして活用することが可能です。そのため、導入する際は次のようなポイントに注意する必要があります。
- ルールやひな形(テンプレート)を作って、社内wikiに書き込む習慣づけをする
- すでに社内wikiがないかをチェックし、あった場合は使われていない理由を探る
- まずは「社内wikiを使い続けること」を目標にする
この記事で紹介したツールも参考にし、まずは自社に最適な社内wikiは何か考えることからはじめてみてください。