CYODならBYODより自由度・セキュリティ強度アップ!
「自社で仕事用のデバイス用意するのはコストがかかる!でも、社員のデバイスを仕事に使うのはセキュリティが不安…」
と思っている方に向けた記事です。
欧米では”BYOD”と呼ばれる、社員がふだん使っているデバイスを仕事にも使う方法が広まっています。
とはいえ、セキュリティやデバイスの管理がちゃんとできるのか不安ですよね。
そこでおすすめなのが”CYOD”という方法です。この方法であれば自社でデバイスを用意するコストを抑えられ、かつセキュリティやデバイス管理にも手間がかからず、社員の生産性アップにもつながります。
この記事では
- CYODとは
- CYODのメリット・デメリット
- CYODとBYODの違い
の順に、CYODについてご説明します。
この記事を一通り読めば、CYODのざっくりとした概要を知ることが可能です。
まずは、CYODの意味から見ていきましょう!
CYODとは
CYODとは、簡単に言えば「いくつかのデバイスから、社員が好きなものを選ぶ方式」です。英語で”Choose Your Own Device”と呼ばれます。
CYODでは自社の業務で使うデバイスを完全には指定しません。使ってもよいデバイスの候補をいくつか出すことで、社員はその中から自由にデバイスを選ぶことが可能です。
また、
- デバイスの購入
- スマホ回線の契約
- 通信費の一部(場合による)
などは企業が行います。そして、社員は配布されたデバイスをプライベートで使うことも可能です。
COPE(Corporate Owned Personally Enabled)と呼ばれる、社員が業務用のデバイスをプライベートで使ってもよい方式もありますが、こちらは企業がデバイスを指定します。
以下では、より詳しくCYODのメリット・デメリットを見ていきますね。
CYODのメリット4つ
CYODのメリットは、以下の4つです。
- デバイスの管理が簡単にできる
- シャドーITを防ぐことができる
- ビジネス用デバイスのコストを削減できる
- 従業員の生産性・満足度がアップする
以下で詳しく説明しますね。
1. デバイスの管理が簡単にできる
CYODにすることで自社の業務に使うデバイスの種類は、いくつかの数に制限されます。ゆえに、デバイスの管理にかかる手間・コストを減らすことが可能です。
「あちらのデバイスではちゃんとしていたのに、こちらのデバイスだとなんかおかしい…」
のような不具合も、簡単にコントロールもできます。
2. シャドーITを防ぐことができる
シャドーITとは、社員が会社に無断でプライベートのデバイスやSNSを使うことです。これが行われると、会社の大切な情報が漏れてしまう可能性がアップします。
シャドーITの原因は、業務で使うデバイスが使いにくいことや、社員の好みではないことなどです。
そのため、CYODで社員がデバイスを選べるようにすることで問題を解決し、企業の情報が漏れることを防げます。
3. ビジネス用デバイスのコストを削減できる
CYODでは、使用するデバイスにかかる費用の一部を会社が支払うだけの場合もあります。その場合、業務のデバイスにかかるコストを減らすことが可能です。
社員にとっては、ある程度デバイスを自由に選べて、かつ費用は会社が少しサポートしてくれることになります。
4. 仕事の生産性・従業員の満足度がアップする
CYODでは、プライベートで普段から使っているデバイスを業務でも使用します。そのため、ふだんと違うデバイスを業務で使う場合と比べて操作がスムーズです。
例えば、ふだん使うスマホはiOSで、仕事のときだけAndroidのように、OSが違うと操作感は全く違いますよね。
仕事とプライベートで使うデバイスが同じであれば、業務でもスピーディにデバイスを使いこなすことができ、結果として生産性や従業員のストレス軽減につながります。
続いて、CYODのデメリットを以下でご紹介します。
CYODのデメリット
CYODのデメリットは以下の2つです。
- 社員がデバイスを選ぶ自由がない
- 自社でデバイスを用意するよりも、セキュリティ対策の手間がかかる
それでは、詳しく見ていきましょう。
1. 社員がデバイスを選ぶ自由がない
いくら何種類かのデバイスから選べるとはいえ、ほぼ無数にあるデバイスのうちの何種類かにすぎません。社員によっては使いたいデバイスがないこともあるはずです。
このデメリットを解決するには、選ぶことのできるデバイスが定期的に更新される必要があります。
常にトレンドをチェックして、社員が使いたくなるデバイスを用意する必要があるでしょう。
2. 自社でデバイスを用意するよりも、セキュリティ対策の手間がかかる
デバイスは数種類しかないといっても、自社で1つのデバイスを用意するよりは管理の手間がかかるのも事実です。
そのため、デバイスに関する
- 社員の満足度
- 生産性のアップ度合い
などを数字で出し、管理にかかるコストと比べる必要があります。
ここでCYODのメリット・デメリットをおさらいすると、
【CYODのメリット】
- デバイスの管理が簡単にできる
- シャドーITを防ぐことができる
- ビジネス用デバイスのコストを削減できる
- 従業員の生産性・満足度がアップする
【CYODのデメリット】
- 社員がデバイスを選ぶ自由がない
- 自社でデバイスを用意するよりも、セキュリティ対策の手間がかかる
でした。
続いては、比較されることも多いCYODとBYODの違いをお伝えしますね。
CYODとBYODの違い
「結局、CYODとBYODのどこが違うの?」
と思っているかたのためにCYODとBYODの特徴をまとめますね。
- CYOD:業務に使う目的で会社が用意したデバイスをプライベートで使用
- BYOD:社員がプライベートで使っているデバイスを業務に利用
確かに、自由度の高さで言えばBYODにまさる方法はありません。しかしながらBYODは
- 自社のシステムが、社員のデバイス全てに対応しているかどうか
- 社員のデバイスが全てセキュリティ対策をできているか
など、言ってしまえば全ての社員が持っている多種多様なあらゆるデバイスを管理する必要があります。
その点、社員が持つデバイスの種類を限定するCYODであれば、ある程度は自由度がありつつも管理にかかるコストやセキュリティのリスクを抑えることができるのです。
CYODでコストを抑えて、生産性・セキュリティ強度を上げよう
CYODについて、概要やメリット・デメリットを紹介しました。
自社でデバイスを用意するよりもコストを抑えることができて、かつ生産性やセキュリティ強度は上がることがお分かりいただけたかと思います。
CYODを成功させるためには、
- ソフトとデータを管理する「MAM(モバイルアプリケーション管理)」
- データのみを管理する「MCM(モバイルコンテンツ管理)」
が不可欠です。これにより、社員のプライベートなデータを入れても問題なく、かつ業務で使う大切なデータを守ることができます。
まずは、
- CYODで削減できるコスト・向上できる生産性
- CYODのためにかかる費用・手間
を比較して、CYODで受けられるメリットを数値化してみましょう!
この記事を書いた人
黒田剛司
大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。