中国の小売最前線情報!アリババ、Bingo BOXなどが相次いで無人店舗をスタート(※18/5/25追記)
レジレスの店舗「Amazon GO」については、本ブログでも何度か既に取り上げていますが、中国でも無人の店舗が登場しています。
Amazon GOは2017年7月現在、Amazon社員のみが利用できる実験段階にあることを考えると、中国のスピード感は非常に速く感じられます。
アリババの無人店舗、無人コンビニBingo BOXについて取り上げてみます。
小売業に新たな刺激を与えたい!アリババの無人カフェ「淘咖啡(タオカフェ)」
新しい小売店の形として発表されたレジなし飲食雑貨店「Amazon Go」が話題を呼ぶ中、アリババグループの淘宝网(タオバオワン)も中国の杭州で無人カフェ「淘咖啡(タオカフェ)」をオープンしました。
「淘咖啡」の初公開、淘宝会員たちに無人レジの体験場を
顔認証をもっと簡単に行うため、支付宝(アリペイ)の実名アカウントを開設するのが必須条件になっています。先に銀行の審査を受け、身元を確認することが最初の識別になります。
専用コードがスマホの画面に表示されれば入店可能です。
入り口で交換した専用「二次元バーコード」を指定エリアで読み取りができれば入店可能です。読み取りが完了後はウェルカムメッセージが現れます。ウェルカムメッセージは会員の種類(※レギュラー会員、スーパー会員、APASS会員など)によってそれぞれ異なります。
今回の淘咖啡は<淘宝造物節>に参加する会員たちを応援するためのイベント性が高いブースのため、中の展示品も芸術品、デザイン雑貨類が多くなっています。
店内の全商品が簡単決済対象商品になります。
バイオメトリクス技術とカメラセンサーでシステムの判断ミスを最低限にしてます。決済は3~5秒の間に出口に設置されている空港の保安検査場のような通路で決定されます。
実際にショッピングをしてみた体験によると、多人数同時決済はまだ実現していないようです。
それに対して、レジでの顔認識で待つ時間を楽しめるサービスも提供してます。
注文完了後は、隣のスクリーン上の顔認識サービスで注文状況、待ち時間などを確認することが可能です。
「実店舗の小売業に刺激を」、アリババは無人小売店をサポート
アリババのCMO董本洪さんは、下記のように語りました。
淘咖啡(タオカフェ)はただの店舗ではなく、「デジタル化を通じて、消費者のオンラインショッピングを改善したい。」という目的によって作られました。
アリババのオンラインショップは、すでに5億人の会員のビックデータによって個人向けにカスタマイズされていますが、オフライン市場はどこに行ってもほぼ同じです。そこで私たちは「オフライン市場にも更に刺激的な、パーソナライズされたサービスを作りたい。」と思いました。
アリババの「小売の新しいコンセプト」は、アリババのデータでオンラインとオフラインの販売をサポートすることです。できるだけ多い店舗の更なる発展を望みます。
このシステムをどこで最初に導入するかはまだ未定です。開発者は小売の専門家ではないので、このあとの状況は小売業のパートナーさんの反応に応じて決めて行きます。しかし、私たちの目的は人件費減少などではなくて、新たな技術開発によって、改善できることが何かを考えさせるのが本当の目的なのです。」
この記事は【杭州現場】無人零售店「淘咖啡」首度亮相,阿里巴巴:我們想讓線下零售業刺激一點の記事を本ブログが日本向けに編集したものです。
コンビニの進化形!無人コンビニ「Bingo BOX」
飲み物、日用品、お菓子など、800個を超えるアイテム数が販売されており、日常の必需品は揃っています。
We Chat PAY、AlipayのQRコードでの決済が導入されており、インテリジェント検出システムで1秒で決済完了、レジの会計を待たなくても決済が完了します。
未払いせずに商品を持ち出そうとすれば、警備システムが検知して通知されます。24時間、365日のカスタマーサービスも充実しています。
Bingo BOXは新たなサービスで、生活を改善して行きます。たとえば、寝坊しても、朝ごはんが買えたり、熱があるときもすぐに冷感シートが買えたり、パーティーの飲み物が足りなくなってもすぐ受け取れるなど、買い物が不便な住宅街でも満足なショッピング体験ができます。
ユーザー側の利便性だけでなく、店舗運営側にも利益が出る仕組みになっています。
180日の経営期間内には盗難、損害も出ていません。低コスト・簡単設置設計で、人工知能を活用した在庫確認システムも搭載されています。20分でメンテナンス完了、運営が簡単です。
運営費用が通常の15%、たった4人でBox40個まで管理できるシステムです。
毎日新しいBingo BOXが現れ、住民に利便性を提供します。
BINGO BOXの課題(※2018/5/25追記)
2018年5月に、中国広東省珠海市のマンションの敷地内に設置され、入店待ちの行列が話題となっていたBINGO BOXが閉店していた、という報道がありました。
閉店の原因は、設置方法が法律違反だったということで、集客や売上が原因とはされていません。
どこにでも設置できる手軽さもBINGO BOXの特徴のひとつですが、住民になんの説明もなくマンションの敷地内に設置したり、自治体が定める法律に違反しての閉店とされています。
また、メディアに掲載された利用者の感想としては、以下のようなものがありました。
- 入店時にQRコードをスキャンした後、レジも自分で行い、スマホ決済もしなければならないため、操作が煩雑
- 商品の種類が少ない
- 商品価格が安くない
- 災害時に閉じ込められないか、安全性に不安がある
こうした感想は運用に反映され、改善されていくと思われます。
参考:中国日報
http://tech.chinadaily.com.cn/2018-01/19/content_35542479.htm
まとめ
これらの独自システムの開発により、消費者の利便性が向上し、買い物の選択肢が広がることにつながります。
日本でも電子マネーやアプリの活用で、実現の可能性もあるのではないでしょうか。