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タブレットとタッチスクリーンの店舗における可能性

オムニチャネル・リテイリングは小売業者にとって、もはや数ある選択肢のひとつではありません。消費者にとって必要な利便性を、消費者の好きなデバイスで提供することは必要条件です。
タブレットやタッチスクリーンといったテクノロジーは非常に短期間で多くの人々にとって必要不可欠なものとなりました。これら新しいテクノロジーを既存の販売経路と結びつけ、消費者にとってシームレスなオムニチャネル経験を創造することが小売業者にとっての命題と言えます。今回は「タブレット」と「タッチスクリーン」という二つのテクノロジーの面からオムニチャネル・リテイリングを考えていきます。

タブレット

タブレットで変わる買い物の姿

タブレットはその手頃な価格設定と高機能から顧客、小売業者の両方に人気が高まっています。タブレットは顧客にとっても店員にとっても多くの使い道があります。顧客はタブレットでウェブサイトをどこでもチェックでき、買い物の際には商品を比較するツールとして利用できます。

顧客が買いたい商品を見つけたときに、他社が同じ商品をもっと安い価格で提供していないかをチェックするという行動が可能になりました。「ショールーミング」と呼ばれるこの顧客行動は多くの場合オンライン業者に有利であり、実店舗をメインとする小売企業にとっては克服すべき課題となっています。

「ショールーミング」については別記事に詳しい内容を書いています。

「小売×IT」の未来を考えるブログ『小売業が「ショールーミング」に対抗する5つの方法』
http://ec-cube.ec-orange.jp/blogs/?p=2628

店員にとっての強力なツール

店員にとって、タブレットは顧客サービスのための強力なツールとなり得ます。ウェブサイトからのアクセスだけでなく、タブレットのアプリケーションを用意することで、より多くの情報を提供できるようになります。

例えばアプリに在庫管理機能を持たせれば、店員は顧客のロイヤリティ・プログラムにアクセスしたり、管理本部のみならず世界中の店舗とつながることができるようになります。タブレットは携帯性が高く、さらに従来型タブレットよりも小型サイズのタブレットも発売されており、すべての店員にタブレットを配備するという企業も増えていくと思われます。

POSシステムとしてのタブレット、スマホ

タブレットはPOSシステムとしての役割も果たします。その流れの先陣を切ったと言われるのがアップルストアです。アップルストアは従来のチェックアウト・カウンターを取り払い、代わりに店員がiPod Touchを片手にフロアを歩き回り、その場で商品の会計を処理しています。顧客は列に並ぶ必要がなく、支払い時間はかなり短縮されます。

米国ではこうした流れはクレジットカード文化とも相まって加速しています。スマートフォンとタブレットを利用した決済サービス「Square」のサービスが日本でも導入開始され、こうした流れが日本でも広まるか注目を浴びています。

参考記事:『スマホとタブレットによりレジが消える?』
https://orange-operation.jp/posrejihikaku/pos/413.html

双方向タッチスクリーン

スマートデバイスを持たない人にも効果的

タッチスクリーンも店舗における買い物経験において重要な要素となっています。タッチスクリーンにはキオスク端末とデジタルサイネージの形式があります。スマホやタブレットの普及により人々はタッチスクリーンに慣れてきていると言えます。

デジタルサイネージやキオスク端末の利点は、小売サイドから情報を提供できるということです。顧客がスマホやタブレットを持っているかに関係なく、小売業者はキオスク端末やデジタルサイネージを取付け、顧客に使用してもらうことができます。デバイスを持っている顧客を前提にしたマーケティングが広まる中で、持たない人もケアしたマーケティングを行うことができます。

マーケティングの可能性を広げるツール

デジタルサイネージは店舗において商品広告やディスプレイ的な役割を果たします。しかしそれだけではありません。イギリス大手小売のTescoは店舗内のデジタルサイネージに、自身の運営するファッションサイトの商品を表示する試みを開始しています。こうしたオフラインとオンラインの垣根を越えた新たなマーケティングも可能となります。

テクノロジーの進歩により、小売の販売経路は複雑化しているように思えます。しかし、ここでいうオムニチャネル・リテイリングは無数の人々と、一対一の関係を築き上げることであり、それはむしろ原点回帰の側面を持っています。多様化するコミュニケーション、増え続けるデータを上手に利用することはあくまで手段であり、目的はいかに上質なサービスを提供して顧客をお得意様にするかということを常に念頭に置いておかなくてはなりません。

この記事はRetail customer experience.comの記事を本メディアが日本向けに編集したものです。

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