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2020年までにタブレットが消える5つの理由

BlackBerryのCEOであるThorstein Heins氏の「タブレットは5年後には存在意義を失うだろう」という発言は人々を非常に困惑させました。というのも周知の通り、タブレット市場は非常に勢いがあり、続々と新製品、新サービスが生み出されているからです。Heins氏の言葉は非常にセンセーショナルで、興味深いものと言えます。

今回はタブレットが衰退しうる理由について、「新たなテクノロジー」という側面から考えます。多少突飛で実現性の未知なものも含まれていますが、未来のテクノロジーへの期待感も込めて考えてみたいと思います。

タブレットに代わる新たなテクノロジー

1.スマホがデスクトップの代わりになる

職場で仕事を始めるとき、デスクにスマホを置くとワイアレスでディスプレイやマウス、キーボードに接続し、デスクトップPCの機能そのままになる、というものです。タブレットがデスクトップの売上を侵食しているという仮説が成り立つなら、同じくスマホがタブレットの市場を奪うこともあり得ます。

2.折りたたみ可能なディスプレイ

折り曲げたり畳んだりできるディスプレイが開発されれば市場は大きく変わります。広げれば大スクリーンのデバイスになり、折りたためばポケットに入るスマホが登場すれば、タブレットの地位が脅かされるのは間違いありません。ただし、少なくとも今後5年間はこのような技術は開発されないだろうと思われます。

3.Google Glass

Google Glassはスマホと連動し、全く新たな体験を提供してくれるでしょう。しかし、こちらがタブレットに取って代わるかといえば、そうはならないだろうと思われます。タブレットにない価値を提供することはあっても、タブレットの機能性までを再現するのにはその形状から限界があると思われます。

4.ウルトラブック

ウルトラブックはそのモバイル性能の高さから人気を高めています。これがタブレットに代わるかと言えば疑問が残ります。デスクトップの代わりとなり、ネットブックPCを市場から消すことはあってもタブレットの代わりとはならないと思われます。

5.ホログラフィック・ディスプレイ

ノートPC、スマートフォン、タブレットといった三種のモバイル機器.が将来的に統合される可能性はあります。それぞれのディスプレイのサイズは異なりますが、ホログラフが実現すればそれらの区別は無用になります。ひとつのデバイスだけを携帯し、用途と状況に合わせてディスプレイサイズを変化させる。そんな時代が来ればタブレットというカテゴリーは消滅するかもしれません。ただし、こちらも今のところ具体的な実現の目途は立っていません。

タブレットは存在意義を失うのか?

五つの可能性を指摘してきましたが、折り畳み式やホログラフのディスプレイなどの新技術は今後五年間ではまだ実現はしないと思われます。話は戻りますが、Blackberry CEOの発言は一体何を根拠にしたものだったのでしょうか?Heins氏は、今後利用者が必要とするのはタブレットではなく、スマートフォンだと語っています。

「今後5年間で、スマートフォンがユーザーのコンピューティングを支える主なエンジンになる。利用者はスマートフォンに対し、必要に応じて、大きなディスプレイ、キーボード、他のアクセサリーを取りつけて、業務に利用するようになる。これにより、ほとんどのビジネスマンにとって、スマートフォンが唯一必要なデバイスとなる」

この言葉を考える上で重要なのは、コンピューティングの中心がスマホに移行するのであって、タブレットの様なデバイスの使い方を否定しているわけではないということです。繰り返しになりますが、折り畳み式やホログラフのディスプレイはまだまだ実現段階にありません。しかし、用途、状況に合わせてディスプレイのサイズを自由に変えるという構想は支持に値すると思われます。Heins氏はその構想の中心になるのがスマートフォンと言っているのであり、現在のスマートフォンではなく、新しい形でのスマートフォンを考えていることがわかります。

様々なタブレット製品が登場し、それに合わせて様々なプラットホームが構築されている現状ではタブレットの衰退はにわかに信じがたいものがあります。しかし、世界的通信企業のトップの予測であればそのまま実現性を含んでいるとも言えます。ユーザーの需要に追いつく技術進歩のスピードは、特にこの分野では目覚ましいものがあります。タブレットの今後を考える上でそのことも含めて考えていく必要があります。

この記事はTab Timesの記事をOrange Blogが日本向けに編集したものです。

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