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業務プロセスの自動化とは。RPAツールと成功事例から考える

単純作業を自動化する、煩雑な業務を簡略化する。それは、人手不足に対応し、効率をアップさせる早道でもあります。
これはどのような業態にも共通する業績アップのための基本施策ともいえるでしょう。
しかし、具体的に業務の何をどのように自動化すれば効率よくビジネスを展開することができるのか、考えたことはありませんか?
この記事では、業務プロセスの自動化を何のためにおこなうかといった問題に一度立ち返り、業務を可視化して効率よく整理するツールや実際の成功事例を参考に「意味のある業務自動化」
についてご紹介します。

目次:

業務プロセス自動化成功のカギはRPAが握る

RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)は、日本国内で2016年頃から使われてきたキーワードです。定型作業のデスクワークを、PC内部のソフトウェア型ロボットが自動化あるいは代行するという概念を意味します。
これを実現するソフトはRPAツールと呼ばれ、AIやIoTといった技術と関連づけられて活用されています。
基本的には、RPAはプログラミングの知識を必要としないIT技術なので、企業や店舗に導入しやすくIT担当部署がなくても稼働しやすいという特徴があります。
一説には、2030年代前半までに半数近くの労働がAIなどによって自動化されるという見立てもあり、その前段階的な導入としても、RPAは注目されています。

業務プロセスの何を自動化するべきか

さて、業務プロセスのなにを自動化すべきかという問題ですが、以下の事例を元に考えてみましょう。

ハンコ社会日本の象徴?「書類にハンコを押すロボット」

2019年12月に発表されたロボットソリューション「COBOTTA」を活用した「自動ハンコロボット」は、業界内外でさまざまな反応がありました。
もともと「COBOTTA」は株式会社デンソーウェーブと株式会社デンソーが共同開発した人と協働するロボットです。
軽量で持ち運びしやすいという特徴があり、研究所や工場、学校、オフィスといったさまざまなシーンで導入されてきました。

今回発表された「自動ハンコロボット」はこのCOBOTTAを活用した書類への押印を自動化するためのソリューションです。COBOTTAを2台用いて、それぞれが書類をめくる作業と押印する作業を受け持ちます。また、カメラを使って押印した紙の書類をPDFファイルに変換することもできると発表されました。

本当に業務の効率化ができるのか?

人がいなくても書類に印鑑を押し続け、業務の生産性向上をサポートするというハンコロボットとしてのCOBOTTAは、2020年3月から月額制サービスとして販売される予定ですが、本当にオフィスの効率化を実現できるのか?という疑問の声も多く寄せられています。ネットでは、エイプリルフールのネタかと思ったというコメントや、ジョークサイトの記事なのではないかという声まできかれました。

このように世論が疑問、違和感を感じるのは、「押印する」という業務プロセスを、既存の作業フローを変えずにほぼそのままで自動化しているからでしょう。
業務改革とは、本来、従来の業務プロセスを大きく変更しておこなうものを示すはず。従来の業務プロセスをIT技術に置き換えただけの自動化は、省人化にとどまるものであり、真の意味の改革とは呼べません。特に、日本のいわゆる「ハンコ文化」は、PDFをプリントアウトしてから押印してスキャンしなければならないなど、デジタル化を妨げる手続きとしても議論されている最中です。

「2019国際ロボット展」では、押印はゆっくりで時間がかかるというコメントが散見されました。とはいえ、COBOTTA自体が各業界で活用されているのは事実であり、今後はハンコロボットに関しても高い利便性が期待できる活用がなされるかもしれません。

業務プロセス自動化のためのRPAツール7選

ロボットによる自動化を円滑に進めるためのRPAツール、代表的なものを挙げました。

WinActor

WinActorは、NTTデータの提供する国内シェアNo.1のRPAツールです。
Windows上で操作可能なアプリケーションや、電子決済OCRなどの業務シナリオを学習して、PC業務を自動化することができます。
GUI(Graphic User Interface:操作の対象が絵で示されるユーザーインターフェース)上で自動化を構築できるので、活用するのにプログラミング技術は不要。システム開発に実務経験なしに取り組めるのが、このツールの利点です。

・WinActor

出典:https://winactor.com/

UiPath

UiPathは、世界でシェアを獲得しているRPAベンダーです。2017年に日本法人を立ち上げました。
AIを使って自動化を計画し、計画に基づいてワークフローを開発、Microsoft社のソフトをはじめとした既存のアプリケーションとロボットを提携させて、人間とロボットの協働を実現します。
非営利団体や教育機関、年商5億円未満の小規模企業にはCE版(Community Edition)を無償で提供するなど、利用に対するハードルが高くないのが特徴です。

・UiPath

出典:https://www.uipath.com/ja/

Autoジョブ名人

稼働の安定性を第一としたサービスとして知られているのが、国産のPRAツールであるAutoジョブ名人です。
単純な画面操作だけにとどまらず、顧客とのデータ交換をはじめとする基幹業務、プロセス全体の自動化に対応しています。
自動化対象業務のスケジュール実行、エラー時のメール通知など、日本の業態に役立つ機能が搭載されていることが特徴です。

・Autoジョブ名人

出典:https://www.usknet.com/services/autojob/

BizRobo!

BizRobo!は、ホワイトカラーの生産性を向上させることを目的としたソフトウェアロボットの導入・運用支援のためのプラットフォームです。
人がする必要のない作業をロボットに割り振ることで、ルーティンワークに割く人力を削減、より生産性の高い作業にヒューマンリソースを充当させることができます。
契約や顧客管理、電子取引業務代行、CMSコンテンツ移行、価格や特許の調査や検索業務、マーケティング代行など、さまざまなシーンで導入されています。

・BizRobo!

出典:https://rpa-technologies.com/products/first/

Blue Prism

Blue Prismは、統合型のRPA管理を特長とする、エンタープライズ向け運用管理機能を備えたプラットフォームです。
ドラッグ&ドロップによるノンコーディング開発が可能で、オブジェクトとプロセスが分離しているために高い再利用性が期待できるのもメリットのひとつです。また、WebアプリやExcel、Windowsアプリ、Javaアプリケーションといったさまざまな企業アプリと連携することも可能です。

・Blue Prism

出典:https://www.blueprism.com/japan/

NICE

ログイット社のNICE製RPAツール「Advanced Process Automation」は、請求システムや与信スコア、CRMといったコールセンターの業務を効率化するために開発されました。
参照アプリケーションから登録アプリケーションへの自動入力や、システムの登録情報から可能な数値を自動算出して画面表示をするなど、単純なコピー&ペーストだけではない自動化を実現できます。

・NICE

出典:https://www.logit.co.jp/product/nice-advanced-process-automations.php

SynchRoid

ソフトバンクの開発したSynchRoid(シンクロイド)は、ノンプラグラミングでロボット開発が可能な、ユーザーに優しい利用環境を特長としたRPAツールです。サーバーを構築することなくスモールスタートでき、Web画面で開発できます。また、開発支援や初期設定のほか、開発スキルトレーニングや開発辞典などサポートが充実しているのもメリットといえます。

・SynchRoid

出典:https://www.softbank.jp/biz/rpa/synchroid/

事例から読み解く業務プロセスの自動化

では次に、各プラットフォームを導入した企業の事例を見てみましょう。

WinActor×株式会社カネミツ

独自の鋼鈑立体造形術を使って自動車や農機の部品製造をおこなう株式会社カネミツは、生産管理などの業務効率化を目的として、WinActorを導入しています。
カネミツは、導入前に部署ごとに業務内容や工数を書き込む「RPA適用業務調査票様式」を配布。現場にヒアリングすることで、真に必要な業務効率化についてまとめ、導入効果を実感しやすくしました。
基幹システムのログイン情報や業務の完了(正常/エラー)といった内容を20ほどのシナリオとして準備し、部署ごとに自由に使えるようにしています。

UiPath×住信SBIネット銀行株式会社

インターネット専業銀行である住信SBIネット銀行株式会社は、住宅ローンなどの審査期間短縮のため、関連業務をRPA化しています。
RPAを導入してから、同社は年間換算9万時間以上の業務削減に成功。主力商品のひとつである住宅ローンの審査業務、申し込みに関わる事務作業の自動化を実施しています。

Autoブラウザ名人×モランボン株式会社

焼肉のたれなどを製造するモランボン株式会社は、Webの受発注を自動化することで、マンパワー不足時の対応体制の整備、業務フローの改善に成功しました。
同社は、東日本大震災時に基幹システムのオープン化を検討するようになったと明かしています。業務の一部を自動化することで停電や災害時のリスク軽減をはかることができると考えています。

BizRobo!×株式会社日立マネジメントパートナー

同社は人事・総務業務のシェアードサービスを運営するにあたり、処理リソース不足解消のために自動化を検討。2017年からRPAツールの導入をスタートさせ、現在9,000時間の工数削減を目指して稼働中です。
社内システムとツールの連携を重視し、基幹フレームに外部Webサイトから自動取得したデータをマッチングさせるシステムを確立しています。

SynchRoid×株式会社LIXIL

株式会社LIXILは、現場社員を開発者として育成してロボットを開発できるようにしました。業務部門主導でRPAを活用する仕組みを整えることで、運用ルールが明確になり統制のとれた運用を可能にしています。

SynchRoid×マレリ株式会社

グローバルな総合自動車部品メーカーであるマレリ株式会社は、働き方改革にRPAツールを活用して、年間で約8,000時間の業務時間を削減することに成功しています。各部署の単純作業を洗い出し、それらを自動化することでこの数字を達成しています。また、今後も活用範囲の拡大を検討しており、RPA専任組織の立ち上げも計画段階に入っています。

まとめ

業務の自動化は、デジタル化の加速する第四次産業革命と密接に関わっています。
真の効率化は、ただやみくもに人間がおこなってきたやり方をロボットに任せるのではなく、プロセスそのものをロボットに合わせることによって実現するでしょう。RPAツールを導入して、自社に合わせた改革を実施することが重要です。単純作業を洗い出したり、部署ごとに本当に必要な自動化を洗い出したりすることによって、働き方改革の実現やヒューマンリソース不足対策などにもつなげることができます。

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