Eビジネスを推進するORANGEシリーズ
今まで実店舗は、接客・商品販売の機能が何よりも強く求められていました。お客様は店舗に訪れ、自分が欲しい商品を探し、場合によっては店員の接客を受け、新たな商品と出会い、その商品の説明をしてもらい、商品を気に入り、購入し、持ち帰る。このような購買体験ができる場所が店舗でした。
多くの場合、お客様は、店舗を回遊して長い時間を店舗で過ごし、店舗の中で色々なものを見たり、探したりすることこそが楽しみであり、そのために長い時間を過ごすことが苦にならないような作りがされている、ということもありました。
しかしそのような店舗で長い時間を過ごし、長い時間をかけて欲しい商品を探すような購買行動は、このコロナ禍の中では推奨されず、短い時間で必要な物を素早く買って帰る、という購買行動に取って替わりました。
コロナ以前のお店のあり方とは違う全く違う考え方が求められるようになったのです。
たとえば海外では アメリカの大手小売りであるTarget(ターゲット)が、店舗内での購入をより効率化するための店舗内道案内アプリ(棚案内アプリ)を新たに開発し、顧客に提供していたり、 ウォルマートが「カーブサイド・ピックアップ」という効率的な商品のピッキング~引き渡しを実行していたりと、総じて短時間・高効率な購買体験ができるようになっています。
今や商品を購入する場所は 実店舗だけではなくECサイトやスマートフォンのアプリ、キオスク端末、あるいはまったく別の購買方法など、様々な場所・時間・デバイスで行えるようになっています。
また商品の受け取りも、即日配送や翌日配達など、店舗で商品を購入するのとあまり変わらないスピード感でモノを手に入れることができるようになったおかげもあり、必ずしも実店舗で買わなくてもよい時代になりつつあります。
もちろん、生鮮食料品や生活必需品などを実店舗ですぐに手に入れたい場合もありますが、今すぐでなくても良い商品は、実店舗での購入に比べて遜色がない状況となりつつあります。
実店舗の最大のメリットであった「その場で商品を持ち帰ることができる」という特長の優位性が崩れた結果、店舗に求められる要素は大きく変わってきていると考えられます。
考えられる1つのパターンは徹底的な接客特化です。
ECサイトなどの非対面型の売り場の場合には、例えばお客様の表情によってご紹介する商品を変えたり、本日の雰囲気に合わせてご案内する内容を変えたり、またはお客様の服装に合わせてご提案する内容を変えるというようなことはなかなかできません。
ECサイトなどで採用されているレコメンドシステムは過去の購買傾向や、他のお客さまの購買傾向から最適と思われるものを提案する仕組みですが、これは、お客様のリアルタイムなご要望を必ずしも反映できるとは限りません。
そういった意味で「スタッフの人間力を生かした接客に特化する実店舗」というような作り方は1つの回答であると考えられます。
広がる範囲は限られると思われますが、リアルチャネルでは販売価格に特化するというパターンもありえます。
例としては、加工食品を製造販売している企業が、製造工場でそのまま販売しているようなケースが考えられます。いわゆる工場直売所などですね。
ECや店舗などで商品を販売する場合には、運送費用や関連人件費等の費用が発生します。この費用分をカットし、価格競争力のある値段で売るという例です。
例えば工場と店舗が近接している場合にはこのような事業戦略も可能です。リアルチャネルを使う1つの意味として、商品の移動に伴うコストを限りなく0に近づければ、その分を販売価格に反映することも可能となります。
このようなパターンも1つとしては考えられます。
リアルと競合するデジタルチャネルでは決して得ることができず、リアルチャネルの店舗だからこそ可能なこと、それは体験です。
デジタルチャネルがどのように優れていったとしても、実際の物の持つ説得力にかなうことはできず、VRがどんなに進化しても肌触りを表現することは出来ません。
デジタルチャネルとリアルチャネルの棲み分けのために、今後、リアルチャネルは体験に特化し、活用をしていくべきと考えられはじめています。
ECサービスが成熟したいま、改めて実店舗が提供できる価値は何なのか、考えていく必要があります。
フォームからお問い合わせ お問い合わせフォームへ
お電話でお問い合わせ(平日 9:30 - 18:30) 03-6432-0346
フォームからお問い合わせ お問い合わせフォームへ
お電話でお問い合わせ電話受付: 平日 9:30 - 18:30 03-6432-0346